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ナヴァーランの名

 

混沌の魔術師のローブ

男の名はナヴァーランという

だがそれは、本当は誰の名前なのだろうか

<混沌のローブ>

 

罪の都の考察にて

本物のナヴァーランは忘れられた罪人であるという考察をしました

 

したがって、アン・ディール館の男はナヴァーランでは有りません(以下、館の男と呼称します)

 

しかし、「名を禁じられた者」であるナヴァーランの名を知ることが出来ているのは

この館の男が存在するおかげでもある気がします

 

ではアンディールの館に独り(あるいは二人)封じられることを望む男は何者なのか?

      

「構わないでください、お願いですから

僕が大人しくしていられるうちに、どこかへ行ってください お願いします」

 

「お前、なかなかの亡者っぷりだな

苦難の道を歩んできたか、それとも大罪を背負う身か

さらに災いを背負う気があるなら、 話をしてやってもかまわんが…」

 

館の男は一見、二重人格者のようであり、話し掛ける主人公の状態(生身と不死)によって男の人格も入れ替わっているようです

 

昔、こいつは… 俺の身体になってる奴は、 新しい魔術を作り出そうとしていた

誰も見たことのない魔術を作ろうなんて、身の丈に合わない夢を見たのさ

そうしたら俺が出来た まあ、たまたまだろうが、このボンクラにしちゃ上出来だ

こいつは強い力を求めていた だから俺は、俺の力を証明してやろうと思ってな

こいつが眠ってる間に

これと思った奴を殺して回ったのさ

だが、こいつはそれが気にいらんらしい

逆に俺が眠っている間に、自分ごと俺を封じ込めやがった」

 

館の男の言い分によれば、彼は人間ではなく「魔法により出来上がった人格」らしいです

 

しかし

 

男は自らを封じ込めたと言うが

人格を持った魔法など聞いたことはない

彼の言葉にどれほどの真実があるのか

判断することは難しい

<混沌のフード>

 

とテキストに書かれているので、彼の言葉はあまり信用出来ません

 

人を無闇に疑うのはあまり良くないのですが、自分の考察ではテキストを最重要視していますので致し方有りません

 

 

男の望み

 

「俺が人間じゃないからかもしれんが

いいとか悪いとか、そういうのは良くわからん

俺は俺の力を使ってるだけだ 

それに何か、問題があるのか?

そうだ お前、俺の代わりをやってくれんか

でないと俺は、いずれここから出てしまうかもしれん 

そうしたら、もっともっと殺す 絶対に

まあ、俺はそれでも構わんが

どうするね?」

 

 

どうやら館の男の望みは

何となく封じられたままでいること

特定の人物を殺すこと

 

「やって欲しいのは、ギリガンって商人さ 欲深い奴だ、死んだって誰も気にしない

そうだな… 殺した証拠に、”梯子の置物”を持ってきてくれ

そんな妙なものを持ってるのは

そいつぐらいだろう フフフッ…」

 

そして、殺した証拠として「その品」を持ってくることに有るようです

 

 

「フフフッ… ご苦労さん
これは礼だ、取っときな
(アイテムを入手)
さて、じゃあ次のヤツの話をしようか」

 

しかし実際のところ、特定の人物を殺さなくとも「その品」を手に入れて渡せば彼は依頼を達成したと見なして主人公に報酬をくれるのです

そして、館の男のターゲットになる人々は特定の条件を満たせば自らその品を譲渡してくれます


男の矛盾

 

「もう一人、やってもらいたいヤツがいる

やって欲しいのは、ケイルという男 

地図を書いているとか言ってる奴だ

俺がここで閉じこもっている間、俺の身体に気安く触れた 何かを調べているような、気持ちの悪いやつだった

奴は妙な兜をつけていた 証拠にそいつを持ってきてくれ」

 

館の男に抱く疑問の一つは

彼が閉じ込められているにも関わらず、外の世界の最近の情報を持っているということです

 

彼はいつから封じられているのでしょうか?

 

おそらくはアンディールの館にまだ人が通っていた頃です


あのレバーと牢の仕掛けでは一人で閉じ込められることは出来ませんので、誰かに協力してもらってレバーを引くしかないからです

 

館の男の気弱な人格はアンディールの研究者の一人だったのでしょう

 


そして彼のターゲットの一人である地図書きのケイルですが、彼がアン・ディールの館に辿り着いていた可能性は低いのではないかと思います


可能性もあるにはあるかも知れませんが、其処に到るには数々の試練をくぐり抜け

「王の指輪」を所持し、王の扉をくぐらなくてはなりません


半ば自分のことも忘れたような男にそれが可能でしょうか?

 

そして何より「閉じこもっているのに身体に触れられた」というのは矛盾を感じてしまいます

 


そしてケイル以上に不可解なのがギリガンです

 

「バカ野郎、静かにしろよ!

せっかく逃げてきたってのに、見つかっちまうだろうが!

お前も逃げてきたのか?

だよな、こんなクソみてえなとこにいたら

誰だって死んじまうぜ…」

 

「聞いてた通り、辛気臭えとこだよな このドラングレイグって国はよ…

あ? 俺はここの生まれじゃねえよ まあ、西の方からな…

散々苦労して来たんだ しばらくは、ここでやってくさ」

 

彼は西の国ヴォルゲン出身と思われ、鍛冶屋レニガッツの知り合いであり

ドラングレイクにやって来たのはつい最近のことのようです

 

 

溜りの谷に潜む人形たちの短刀 

失われたふたつの国には

「人形」と呼ばれる奇妙な術があった

毒に呑まれた王妃は人形を操り、

人々を谷へとさらった

<傀儡のナイフ>

 

最初にギリガンと出逢うとき、彼は土の塔から逃げ出そうとしていました


その後マドューラに辿り着いたのだとすれば

彼はドラングレイクに向かう道すがらで「王妃の傀儡たち」に拐われていたのではないでしょうか

 


では

おそらく主人公と同時期か、それより遅くにドラングレイクに入ったギリガンを

館の男はどうやって認知したのでしょうか?

      

      

見える男

 

館の男は封じられているにも関わらず、外の情報を得る術を持っていることになります

 

実はそれは不可能なことではなく、無印ではそういう力を持つ者がいました

 

白竜シースに仕える魔術師たち、伝道者の兜

縦二列に並んだ六つの目は

シースの見えないそれを代替するためである

<伝道者の六目兜>

 

彼らは狂気の後もシースの下にあり続け

ときに各地に赴き、動けぬシースの手足となった

故に伝道者は「人さらい」とも呼ばれる

<伝道者の聖衣>

 

白竜シースは目が見えず、動けない状態に在った

そして、その替わりをしていたのが六目の伝道者たちです

 

 

館の男の装備である「混沌のフード」を被ると分かるのですが、両目部分が塞がれています

おそらく館の男も目が見えなかったのではないでしょうか

 

だとすれば、館の男もかつてのシースと近い状況に在ると考えられます

 

おそらくマデューラ近辺には、館の男の目の代わりをする何かがいるのだと思います

 

個人的に怪しいと思うのは、何処までも追ってくる三匹の子豚か、ケイルの住む廃屋の大きな書物です

 

 

触媒

 

「なんてことを… 貴方はなんてことをしたんです…

わかっているんですか、貴方はもうおしまいですよ」

 

 

「引き返せ」とあれだけ書かれていたら、進みたくなるのが人情です

 

館の男に侵入されるとき、彼の肩書は宮廷魔術師になっています 

おそらくは元の人格の肩書でしょう

元オラフィスの神官だったのかもしれません

 

彼は何故か素手で闇の魔術を扱えます

 

異端の魔女ビアトリスの帽子

杖を使う魔術師の中で

竜の学院に学ばないものはごく少ない

深淵に挑んだ彼女はその一人であろうが

生きて出会うことはなかった

<魔女のとんがり帽子>

 

「杖を使う魔術師」という言葉があるということは、杖を使わない魔術師がいるということでもあります

 

しかし、何術にしても基本的には何らかの「触媒」を使用するものであり

素手で術を使える者はシリーズを通して数えるほどしかいません

 

ニトやシース、後は無印のopからイザリスも杖を持たぬ魔女のようです

ベルカも自らの髪が触媒として機能するなら、必要ないのかもしれません

あとは3のロスリック王子とミディールでしょうか

 

神や竜、あるいはその血を濃く継ぐものは触媒もなく術を使えるものなのでしょうか

 

 

「もう一人、やってもらいたいヤツがいる

やって欲しいのはフェルキンという闇術師だ

証拠に、奴の持っている奇妙な杖を持ってきてくれ   どうだ?」

 

ターゲットの一人である闇術師フェルキンは逆に杖を使って呪術を扱います

 

闇に惹かれた男が杖で呪術を使って攻撃してきます

宮廷魔術師以上に意味がわかりません

 

フェルキンとナヴァーランは何かしらの関係性が在りそうな気もしますが、

 

闇と混沌の刺剣 

才気に溢れる若き魔術師は、やがて闇に憑りつかれ

俗世の全てを投げうち、没頭した

謎を秘め、暗く、静謐なそれを人は畏れ、

そして惹かれていく

あるいはそれが「人間らしさ」なのだろうか

<混沌の刺剣>

 

アン・ディールで生み出されたといわれる杖

魔術や闇術の触媒となり

また特に闇術の威力を増幅する

アン・ディールという名の謎めいた人物は

自らの館に閉じこもり、様々な実験を行った

館に招かれた人物は、次第に姿を消し、

代わりに異形が徘徊するようになった

<日暮れの杖>

 

フェルキンの武器である混沌の刺剣のテキストは過去に大幅な修正を食らっているので

とりあえず二人に特別な関係性はないという判断をします

 

また、闇と混沌(炎の魔術)は関わりが深いことから、フェルキンは闇術に惹かれ、その中から炎の魔術を新たに見い出だそうとしていた人物であると考えます

 

 

男の本当の目的

 

「あんな小物どもを何人やっても、意味なんかないんだよ 本当にやって欲しいのは別にいる

やってほしいのはマデューラにいる ”導き手”と呼ばれる女だ

”最後の火防女”とも言われている 本当かどうかはしらんがな

お前のような、呪いをまとう者を 導いているんだとさ 下らん話だ

あいつさえ殺ってくれれば、俺はなんの憂いもなく 自分を封じ続けられる…

あいつは、ちょっと変わった”羽”を持っている そいつを持ってくるんだ

さあ、行ってきな フフフッ…」

 

 

館の男は結局何がしたかったのでしょうか?

 

ギリガン

ケイル

フェルキン

緑衣の巡礼

 

ターゲットである「殺したい奴ら」に共通点があるようには思えませんし、実際に殺さなくても依頼は達成されます

 

そして館の男にはターゲットの生死を確認する術を持っているはずです

 

 

だとすれば、おそらく目的は一つです

 

ターゲットに共通点が無くとも、男の依頼にはある共通点が有るのです

 

“梯子の置物”を持ってきてくれ

そんな妙なものを持ってるのは

そいつぐらいだろう 

 

奴は妙な兜をつけていた

証拠にそいつを持ってきてくれ

 

奴の持っている奇妙な杖を持ってきてくれ

 

ちょっと変わった”羽”を持っている

そいつを持ってくるんだ

 

男が持ってこいという「証拠」にはすべて「妙な、奇妙な、変わった」などの、彼にとって興味を引く物を指定しているのです

 

そして、実際に館の男と主人公との間で確実に成立しているのは「珍品と謝礼」のやり取りだけなのです

 

 

殺すだの何だの物騒なことを言っていますが、館の男はただ「珍しい物」を近くで感じたかった(欲しかった)だけなのかも知れません

 

這う蟲

 

「なんだよ、この梯子は売りもんじゃねえよ

こいつの模型だったら売ってやるぜ 気に入ったんなら買ってけよ ウハハハッ!」

 

梯子の飾り物は、まともな人間ならまず要らない代物です

 

「そうやって生きるのが、”いい人間”って奴なんだろ

お前なんぞに、俺のことがわかるはずもない わかろうともしないんだからな」

 

館の男が彼の言うように人間でないのなら、その趣向も人間と違っているのかも知れません

 

シャラゴアが古い四つのものについて語る際に、こんなことを言っています

 

「人間って、変なものを好きになるわよね

何かに憑りつかれたみたいに

それとも、憑りついてるのかしら フフフッ

あの、醜い裏切り者もそうだったわ

他人のものが欲しくて欲しくて、しょうがなくて…

滑稽なこと フフフッ

あの“這う蟲”は、今も探してるの

自分が欲しいものをね」

 

 

この「醜い裏切り者の這う蟲」とはシースのことだと考えられます

 

かつて同胞を裏切ったウロコのない古竜

<月光の大剣>

 

「私の技は、かつてこの地にあった異形によって生み出されたものと聞いています

遠く、古い時代からあった、白きもの…

それが何であるかは、もうわかりませんが」

<武器屋オルニフェクス>

 

また、篝火の熱2以上でフレイディアを倒すと、古い白竜のソウルが手に入ります

 

以上から

人の変なものを欲しがる館の男はシースであると考えられます

 

 

ここから先は、テキストと共にシースのその後を追っていきます

 

 

這う蟲の番人である公のフレイディアのソウル

這う蟲とはこの地に業を振りまく古きものである

それははじめただの虫に憑りつき、この地に溢れた歪んだソウルを得て、力を増した

<公のフレイディアのソウル>

 

四大ボスの一体であるフレイディアは、這う蟲の番人でした

つまりフレイディアではなく、それを倒した後に「竜の亡骸」からポトリと落ちるソウルが古い4つのソウルの一つなのです

 

シースは無印主人公に倒された後、完全に死んではおらず、虫に取り付き力を増していったのです

 

 

ジェルドラに繁栄を招いた輝石は民の欲望を掻き立て、遂には破滅をもたらした

その美しく妖しい輝きは、地の底を彷徨う何者かの欠片だったのだろうか

<ジェルドラの長衣>

 

輝石街は結晶洞穴の名残であり

シースは竜という一個体ではなくなり、無数の欠片へと散った存在なのだと考えられます

 

輝石街ジェルドラの鍵

蜘蛛を愛する奇人として知られた

ジェルドラの「公爵」は

輝石の採掘で財をなし、街は繁栄した

 

蜘蛛たちは、いつしか街を占領したが

彼はだた満足げに

それを眺めていただけだったという

<輝石街の鍵>

 

 

フレイディア戦の先にあるジェルドラ公の隠し部屋には

「ジェルドラ公だったもの」が居り

操り人形のような動きで主人公を攻撃してきます


そして、その部屋の中には鳥籠のようなものがあるのですが、内側から食い破られています

 

 

公爵だったもの(ジェルドラの民さん)
公爵だったもの(ジェルドラの民さん)
破られた篭
破られた篭

 

おそらく最初、虫に取り付いたシースは次第に力を付けていき

やがては人に取り付き、

ジェルドラの公爵と成ったのではないでしょうか

 

実際ジェルドラでは、蜘蛛が人に寄生して操っている敵が出てきます

 

つまり無印で公爵だったシースは、2でも公爵だったと考えられます

公爵という地位が好きなのか、あるいは地位には興味がないのかも知れません

 

 

輝石街ジェルドラの隠れ処を開けるための鍵

ジェルドラは古き者の業が今も残る地であり、それと知らずこの地に足を踏み入れた

愚か者たちは、ことごとく異形となり果てていった

<ジェルドラの隠れ処の鍵>

 

異形となった愚か者たちとは、虚ろの影の森に居る「亜人の獅子戦士」たちのことであると考えられます

 

獅子族は亜人とでも言うべき種族だが

まるで地の底から現れたかのように

ある時から突然、歴史にその姿を見せている

獅子族の魔術師の腕輪

 

 

「我らには主がいた 我らは皆、その者によって生み出されたのだ

主には、生まれつき欠けたものがあった

己に足りぬものを求め、他を羨み、憤り、 常に憎しみに身を焼かれていた

それはやがて、主を狂気へと誘ったという

その狂気の果てに 我らのような、奇妙な命を生んだのだ」

 

また、「蠍のターク」や「ナジカ」を生み出した主もシースであると考えられます

 

「我が主を倒したか 見事な腕よ

あの方は滅ぶのではない、その姿を変え、 幾たびも幾たびも、苦しみに狂うのだろう」

 <フレイディア撃破後のタークのセリフ>

 

 

「我らがいつ生まれたのか、知る者はおらん

主がいま、どこで何をしているのかもな」

 

ここまでがテキストとNPCとの会話で得られるシースの情報です

 

 

ここからは予測になりますが

おそらく、シースは公爵に飽きてジェルドラを棄てました

 

そして、アンディールと共に、新たな研究を進めたのです

そのために取り付いた「素体」が宮廷魔術師であった気弱な男です

 

 

アン・ディールの研究とシースの重要性

 

アン・ディールの徒が用いていた槌

武器というよりは、研究のため

様々なものの解体に使われていたようだ

アン・ディールは王の実兄であったと伝えられる

共に国を興したふたりは、ある時からその道を違えた

<アン・ディールの鎚>

 

兄弟は別々の方法で呪いに抗っていました

単純に考えて、人が不死や亡者にならない世の中を作る為に、彼らは国を興したのです

 

弟は強い王と成って、火を統べる為に

兄は探求と研究によって、世界や人自身を変える方法を探っていました

 

アン・ディールの学徒の仮面

アン・ディールには多く知恵者が集い、

様々な秘儀が生み出された

それが彼らの本意だったのかはわからないが

その禍々しい面は、秘儀のために屠ったものの呪詛を逸らすためのものである

<竜の学徒の仮面>

 

アン・ディールは館の中で様々な術や人体実験などの研究を行いました

その成果の一つが「古竜の再生」です

 

「東の果てに、そいつはいるわ

大きな大きな者、そしてそれに相応しい強い力を持つ者

それのまがい物がね」

<愛しいシャラゴア>

 

アイアンゴーレムのソウルから生まれた武器

神々は、古竜の大骨にソウルの魔力を融合し

もって強大なゴーレムの核としていたのだろう

<竜骨の拳>

 

無印では竜骨にソウルを注ぎ入れ核に据え、ゴーレムを動かす技術がすでに確立されています

 

溜まりの谷に潜む人形たちの装備

失われたふたつの国には

「人形」と呼ばれる奇妙な術があった

毒に呑まれた王妃は自らの邪気を孕んだ

人形を生み出し、意のままに操っていた

<傀儡の鎧>

 

そして2の時代には「人形の術」というものがあり、ソウルと魔力と物と組み合わせることで作成者の意に動く人形を作る類いの術が多数存在します(人形の術、鉄の古王の術、虚ろの鎧、ゴーレム各種など)

 

つまり「物にソウルを吹き込み動かす技術」は無印から2の時代まで受け継がれていたと考えられます

 

「私の技は、かつてこの地にあった異形によって 生み出されたものと聞いています

遠く、古い時代からあった、白きもの…

それが何であるかは、もうわかりませんが」

<武器屋オルニフェクス>

 

さらに、ベルカの鴉人の子孫と思われるオルニフェクスの「人形を使った錬成術」もシースより受け継がれたもののようです

(シースとベルカの関わりは別の考察にて)

 

そして

祭祀場の古竜を倒した際に「巨人たちのソウル」と「竜の骨の化石」を入手できることか

アン・ディールはそれらの人形技術を応用し、古竜を再生したのだと考えられます

 

祭祀場には聖壁の都サルヴァの眠り竜の壁画彫刻と同じものがあることから、アン・ディールは古龍の力に拠って呪いの克服を目指していたのではないかと考えられます

 

 

そして、祭祀場古竜の元となったであろうオリジナルの亡骸がある場所が公のフレイディアと戦ったあの洞穴です

古竜の亡骸
古竜の亡骸

 

この時点で、ジェルドラの管理者であるジェルドラ公とアン・ディールに繋がりが有った可能性は高いです

 

そして、シースは無印で様々な人体実験や魔法生物を造り出していた実績があります

(月光蝶や聖女のスキュラ等)

おそらくアイアンゴーレム製造にもシースは関わっているはずです

 

かつて同胞を裏切ったウロコのない古竜

白竜シースの尾から生まれた武器

魔術の租たるシースの魔力の結晶であり

その力は月光の波として開放される

<月光の大剣>

 

そして、何よりシースは「魔術の祖」でもあるのです

 

・各種 術の開発

・古竜のクローン製造

・「ホムンクルス」であるとも考えられるシャナロットの製造

 

アン・ディールの計画にとってシースの存在と叡知は相当に重要だったはずです

もっとも、シースがアン・ディールに正体を明かしていたかは分かりませんが

 

ダークソウル2に置いても、シースは「公爵」であり「研究者」であった可能性が高いはずです

 

 

アンディールの成れの果て

 

「私の名は、シャナロット

それは名を持たずに生み出された私に

 

あの竜がくれた名前」

 

呪いを克服した人類の創造

それがアンディールの目標であったのなら

研究の最終段階は「竜の御子」であるシャナロットの誕生だったのではないでしょうか

 

 

「私は人によって生み出された竜の子

かつて定められた因果を超えようとした者たち…

その者たちが私を生みました」

 

結局、古竜を再生しても人の因果である不死の呪いは改善されず

 

「しかし、その思惑は頓挫しました

私は、失敗作だったのです」

 

シャナロット自身が言うに、彼女もまた失敗作なのだそうです

 

おそらくシャナロットは竜の血により呪いに掛からない「新たな人類」として造りだされたのだと思われますが

結局は不死の呪いに掛かったのか

あるいは子供を産めなかったかのどちらかではないかと思います

 

「因果は今も巡り、人は囚われ続けています」

 

アンディールの研究は全て頓挫し、彼は最後に危険と知りつつ「始まりの火」に手を出したのだと考えられます

その成れの果てが、燃え盛る木の根の姿なのでしょう

 

原罪の探求者(アン・ディール)
原罪の探求者(アン・ディール)

 

 

「さて、これで俺は楽ができる…

ここで事の行く末を眺めてるとしよう、フフフッ…」

 

そして、一人(二人)館に残ったシースは、この世界の行く末を傍観することにしたようです

 

 

以上が大体の考察です

 

素手で術が使えるのも、闇に惹かれた魔術師に触媒を必要としないシースが取り憑いた結果だと考えられます

 

もしかすると、気弱な男の目指した「誰も見たことのない魔術」というものは、欠片となっていたシースの再生に一役買っていたのかも知れません

始めから館の男の言うことに嘘はなく

人格を形成できるほどに這う蟲に力を与えた可能性も有ります

 

 

※ダークソウル2では誰も殺さずに、ほぼ全てのアイテムが一周で手に入るようになっています
その点でこの考察は微妙です
梯子の飾り物や羽などの証拠を「渡す」のではなく「見せるだけ」で良いのは、ゲームデザイン故なのか、本当に要らないのか判断がつかないからです
 


男と魔女と転生

 

ナヴァーラン(忘れられた罪人)とシースの直接的な関わりは不明ですが

不明な上で雑な考察をします

 

まず、館の男は黒魔女の装備を売ってくれます


放浪騎士アルバを誘惑した魔女ジャーリーの帽子

<黒魔女の帽子>

 

そして

実はマデューラ付近には混沌らしきものが存在します

マデューラの混沌跡
マデューラの混沌跡

この場所は大量の木の根で覆われていますが、肝心の樹木が見当たらないのです

 

そして混沌の特徴の一つは、ただひたすらに根であることです

混沌の苗床
混沌の苗床

 

イザリスもエス・ロイエスも大量の巨大な樹の根のみで覆われています

 

おそらく

マデューラのこの場所では

過去に誰かが混沌、あるいは始まりの火の研究をしていたのではないでしょうか

 

そして、マデューラから混沌の根を抜けた目と鼻の先には小さな牢獄があり

その中にキショイ実験生物のような異形が囚われています

 

この場所の篝火の名は「魔女のいた場所」です

 

この魔女が「黒魔女ジャーリー」であった場合、彼女が混沌の研究者であった可能性があります

 


闇の魔術の使い手、カルラの帽子

とんがり帽子は異端の魔術師の印であるが
カルラはそれを手放さなかった

<カルラのとんがり帽子より>

 

つまり、とんがり帽子を被ったジャーリーもまた異端です

黒魔女というからには闇術も使えたはずです

 


マデューラは、古くは忌まわしきものを

捨てるための土地であり、

今は行き場のない人々が行きつく果てである

その中にある古い家屋はここを

最期の地とした者たちの住処だったのだろうか

<家屋の鍵>

 

マデューラのケイルの小屋の巨大な書物は、やはり何かしら重要なものであると考えます

そしてダークソウルシリーズの中で書物と一番関わりの深い者といえば、やはりシースでしょう


公爵の書庫を知っていればシースの膨大な知識量が想像出来ますし、ジェルドラ公爵の隠れ家もまた書庫でした

 

もし、あの巨大な書物が魔術書であり

かつてシースがしたためたものであるのなら

欠片と散ったシースの一部が宿っていても不思議ではありません



「俺がここで閉じこもっている間、俺の身体に気安く触れた」


そしてケイルはきっとこれに触れていることでしょう

 

そしてマデューラを拠点に、黒魔女が混沌を研究していたのなら

あの書物に彼女は目を通していたのではないでしょうか

あるいは彼女の所有物であったのかも知れません

 


では、

なぜ黒魔女は混沌を作り出そうとしたのか?

 

放浪騎士アルバを誘惑した魔女ジャーリーの帽子

魔女は聖女シレルタへのアルバの忠義心を知り、あらゆる手立てを用いて彼を堕落させようとしたが、最後には彼の協力者として、

生涯を共にした

誰からも愛されず、誰も愛さなかった魔女は

不遇の果て、生きることの意味を知った

<黒魔女の帽子>

 

彼女が「アルバ」の協力者だからです

 

 

放浪騎士アルバが身に着けていた兜

アルバは聖女シレルタの病を治癒する術を求め各地を渡り歩いたが、ついに見つかることはなく

自ら騎士の位を捨てた 

アルバは悔根と自責の念に囚われたが、

かつて自らを陥れようとした魔女によって

生きるべき道を見出した

<アルバの兜> 

 

シレルタの病を治す「術」は見つかりませんでした

 

だから、作り出そうとしたのです

 

 

魔術師の異端として伝承に残る

ナヴァーランの秘術

地に眠る古い死者の魂を呼び醒ます 

異端者ナヴァーランは、一族諸共に処刑され、その名は禁じられたものとなった

一説には、彼は禁忌とされる

転生の秘術を追い求めていたという

<生命の残滓>

 

シレルタの転生を目論んだアルバは、ジャーリーを協力者とし、ナヴァーラン一族となりました

 

何故、転生を求めた結果が混沌なのか?

 

混沌は異形とはいえ生命を生み出す性質があります

 

「…そして母は、その力で自分だけの炎を織りなそうとして

…それを制御出来なかった」

<さまよえるクラーナ>

 

新たに生命を生み出せる程の力だからこそ、それを求めてイザリスは混沌を作り出したとも考えられます


 

死斑の呪術師、ダネルを魅了した儀式呪術 

束の間に燃え尽きるその混沌は 

だが苗床に生じた原初の生命であるという 

それはイザリスの罪の、憐れな証であろう

<浮かぶ混沌>

 

そして、その危険性故に

生命を新たに生む術は禁忌とされたのでしょう

 

 

かつて闇から生まれた幾匹が、始まりの火に惹かれて王のソウルを見いだしたように

混沌もまた闇を起因としています

 

デーモンのソウル

力を帯びた、異形のソウルのひとつ 

混沌の炎より生まれ、その炎はもはやない 

故にデーモンは滅びゆく種族である

<デーモンのソウル>

 

苗床に生じた生命が、火に焼かれながら生まれたものがデーモンなのだとすれば

過程は違えども、混沌もまたデーモンにとっての「最初の火」であるはずです

 

また、3ではかつて混沌を生み出したイザリス(ロザリア)が転生を行えることからも、混沌と転生には関係があると考えられます

 

あるいはロザリア自身が混沌の苗床と化したイザリスの生まれ変わりなのかも知れません

 

 

オラフィスの時代

アルバとジャーリーはマデューラの廃屋で新たな混沌を研究し

それを生み出し

それはやがて罪となったのです

 


罪人の牢に転がっている鎖は8つあります

 

それが手足を拘束していたのなら、忘れられた罪人は二人居たのです

 

その後、ふたりがどうなったのかは分かりませんが

罪人の掌に2つの刻印が刻まれているのはこのためだと考えられます

 

 

忘れられた罪人の掌
忘れられた罪人の掌

メルヴィアの占星術

 

メルヴィアの占星術師の帽子

星の動きには法則性があり

その並びから魔力が得られると、彼らは考えている

メルヴィアの魔法院の叡智をもってしても

未だ空から魔術を得た者はいない

だがその過程で新たな魔法道具が作り出された

<月の帽子>

 

館の男はもうひとつの装備一式を売ってくれます

それはメルヴィアに由来する星占いシリーズです

 

シースとメルヴィアに直接関わりが有るのかは分かりませんが、メルヴィアはある重要な叡知をシースから引き継いでいると考えられます

 

公爵の書庫とジェルドラ公爵の隠し部屋の天球儀
公爵の書庫とジェルドラ公爵の隠し部屋の天球儀

 

 

公爵の書庫とジェルドラ公爵の隠れ家に存在するこれは、おそらく天球儀であると考えられます

 

天球儀とは、天体や星の軌道を表すものだそうです

 

つまり、ダークソウル世界にも宇宙や恒星や惑星、衛星等の概念が存在することになります

 

シースは無印の頃から天文学を研究していたと考えられ、それがメルヴィアの占星術師へと引き継がれたのだと考えられます

 

始まりの火がなんだと言っていますが、太陽も月も、星として存在しているのなら、ダークソウルの世界とは、ソウルやら魔法などの不思議な力が存在する地球的な星が舞台であると考えられます

 

 

この考察に折り合いはつくのでしょうか?

 

新たな魔法道具が一体何なのか気になる…

 

 

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コメント: 1
  • #1

    (金曜日, 24 12月 2021 22:44)

    正直、星が存在するっていう設定で神とか勝手に名乗ってた連中がショボいのがばれましたよね・・