今回のテーマは概念です
なんとなくイメージでダークソウルの人々や歴史をふわっとさせたろうという試みです
[人類の始まり]
現実の人類は猿みたいなものから進化してるっぽいですが
ダークソウルの人たちはそうじゃないっぽいです
そして、闇より生まれた幾匹かが
火に惹かれ、王のソウルを見出だした
<プロローグ>
プロローグによれば
闇から生まれた者たちが火に牽かれて神や小人になったらしいです
最初の死者、ニト
イザリスの魔女と、混沌の娘たち
太陽の光の王グウィンと、彼の騎士たち
そして、誰も知らぬ小人
つまり骨も魔女も光の王も小人もすべて同じ闇の中より生まれたということになります
以下、この闇から生まれた者たちとその子孫をまとめて「ソウル人」と呼称します
彼らが火よりそれぞれ王のソウルを見いだしたということから
闇は生命の苗床であり
火とは、差異をもたらしたことで生命の進化を促したもの
と考えることもできます
[概念としての火]
ダークソウルに登場する「火」というものには様々な意味が込められているように感じます
だが、いつか始めての火がおこり
火と共に差異がもたらされた
熱と冷たさと
生と死と
そして、光と闇と
この火の分けた差異というものは
この世界の法則であると共に
人が火に懐くイメージそのものではないでしょうか
火は暖かく、闇は冷たい
火から生を連想し、闇から死を連想する
火は明るく、闇は暗い
全部当たり前のようなことですが
だからこそ不変的であり、世界中の人々が共有する火のイメージなんじゃないかなと思います
もしかすると
最初の火が分けたのは、世界を認識する生き物の意識であるのかもしれません
プロローグでは差異が生まれた後に
ニトと魔女とグヴィンが王のソウルを見出だすのですが
彼らが火から得た能力もまた、火の生み出した差異に則していると考えられます
ニト
火の持つ生命のイメージから「死の瘴気」を
魔女
火の熱から「混沌の溶岩」を
グヴィン
火の明るさから「雷」を
という感じで
王たちも火から得たイメージ(概念)を元にして「ソウルの力」を見出だしたのではないでしょうか
概念です
[無印のプロローグについて]
無印のプロローグですが
表現がかなり抽象的なんじゃないかと思います
普通に考えて闇から生まれた幾匹がいきなり甲冑を揃えた文明を形成する理由がありません
だいぶはしょってあるのです
グウィン王の叔父、主神ロイドの使徒である
白教の高司祭に与えられる聖なる指輪
<白教の司祭の指輪>
グウィンにはロイドという「叔父」がいます
叔父がいるということはグヴィンには父や母が存在するということであり
多くの神と共に故郷を去った彼女は
やがて妻となり、母となった
そして貴い子たちをもうけたという
<太陽の王女の指輪>
神族は男女の間に子を設ける種族であると考えられます
何が言いたいかというと「闇から産まれた幾匹か」と「王のソウルを見いだした」の間には結構な時間が経過しているということです
それは生物が繁殖して、群を形成し、群れが発展し、文明を形成するだけの時間です
少なくとも「幾匹」だったものが「幾人か幾神」に進化する程度には時を過ごしたのではないでしょうか
おそらくは
ニトが「死」を見いだす切っ掛けとなった文明があって
彼は「墓王」となり
イザリスの魔女が「混沌」を研究した都があり
グウィンを筆頭とした騎士の文明が存在したのではないか
という感じに考えていきます
地底文明
プロローグではカメラが大樹の裂目を伝い、遥か深い場所へと潜って行き
辿り着いた地底の洞窟のような場所で火が燃え盛り
その周囲にて蠢くソウル人が確認できます
最初の火の側の暗闇から神や小人の始祖が誕生したのであれば
彼らの起源は地底にあると考えられます
つまりソウル人は地底人ではないかということです
だからなんだかも知れませんが
改めて無印のマップ構成を見てみると
半分くらいが地下のエリアだったりします
[ダークソウル地下っぽいエリア]
地下墓地、巨人墓地、小ロンド遺跡、病み村、結晶洞穴、深淵、クラーグの住処、デーモン遺跡、廃都イザリス、深淵の穴、灰の湖、火継ぎの祭壇、大樹のうつろ
たとえば小ロンド遺跡は巨大な地下空洞の中に造られていますし
廃都イザリスも地下都市です
何よりニトとイザリス魔女という二人の王が統べる空間がすべて地底にあることから考えても
王がわざわざ穴を掘って暮らしていたというよりは
地底に生まれたから地底に住んでいたと考えた方が自然なわけです
であればソウル人の歴史は
短くはない期間を地底で過ごし
やがて地上へ至ったのではないでしょうか
それらは王の力を得、古竜に戦いを挑んだ
古竜は飛ぶ奴らですので、地上や空の支配者だったと考えられます
それらと戦った大王グヴィンとは
地上の開拓者として先陣を切った者なのではないでしょうか
グヴィンの雷が、岩のウロコを貫き
魔女の炎は嵐となり
死の瘴気がニトによって解き放たれた
三人の王みんなで古竜と戦ったにも関わらずグヴィンだけが「大王」である理由は
種族の垣根を越えて軍を形成したのが彼だったからではないでしょうか
その戦いは
ただ正面から古竜とぶつかり合うのではなく、戦術を駆使したのです
王たちを束ね、知略を廻らせ
古竜を追い詰めた軍神として
多くのソウル人を空の下へと導き
その結果、彼は太陽の光の王となった
ということなのかもしれません
かつて輪の騎士たちは
神々の要請に応じ、竜狩りに列した
だがそれは、決して謳われなかった
<竜首の盾>
闇術について
いきなりですが、闇術とはなんなのかという話をします
ウーラシールの魔術師が狂気の内に見出した
深淵の魔術。巨大な闇の玉を放つ
通常のソウルの魔術とは異なり
闇の魔術は重く、物理的なダメージを伴う
人のソウルは、人間性としてより
実態に近づくのだろうか
<闇の球より>
「人」は人間性という闇っぽいものを内に持っています
この闇っぽいを宿す人の中に、闇の術を見いだす者がいたりします
闇に仮初の意志を持たせる術は
古くから在ったが、その創造者は
闇の子らの追憶の中に今も存在している
<追憶より>
闇術の祖とされるギリアが
古い魔術を元に生み出した闇術
<闇の玉より>
闇の術の、き、起源は、遥か古に遡る
もとは魔術の、ひ、ひとつだった
かつて、そ、それは一度途絶えて、だ、誰かが甦らせたんだ
<フェルキン>
おそらく闇術の起源はマヌスにあり、後にギリアなどが復活させたのではないかと思われます
ここでソウル人=地底人説です
地底は当然暗いです
闇という字の中に「音」が入っているように、暗ければ「視覚」はあまり役に立たず「聴覚」などを頼りに行動をすることになります
そして音は「空気」によって伝わります
闇の大剣 : 暗く静謐
闇の嵐
そして闇術テキストにはもうひとつ共通ワードが存在します
「感情や意志」に関する単語です
深い沈黙 : 屈辱と嫉妬、暗い情念の塊
失望の囁き:穏やかな
闇の踊り: 喜び、愚弄
生命の残滓:追い求めていた
闇の武器: 魅入られる
絶頂:決意
死者の活性 : 死者を愚弄、忌み嫌われる
追う者たち: 意志、情念の塊、怒りであり、あるいは愛かもしれない
闇の嵐:追い求めていた
激しい鈍麻:思い込み
追憶: 闇に仮初の意志を持たせる
約束された平和の歩み: 互いが敵意を
なお、無印の闇の玉、闇の飛沫、闇の霧には狂気という単語が入っています
このように2の闇術の殆んどには「空気と意識と音」が入っており、シリーズを通しても闇術にはこの傾向があるようです
では、なぜ闇術のテキストがそうなっているのかというと
たぶん「闇の術」だからじゃないでしょうか
見えないものは存在しない
ただの思い込みであるが、
<激しい鈍麻>
深い闇の中にずっと居ると、身体があることを忘れて意識が闇と同化したような気分になったりします
なるさ
そして見えぬ空間では
空気の流れ、音の反響で空間を把握したり
声で他者の存在や感情や意思を認識することになります
な、何故闇に、ひ、惹かれるのか…
それは… わからない
それは、た、単に技と化した、じ、術とは違うんだ
親しみと…温かさ…
誰もが知るような、な、懐かしさがある
闇を知る者は… そ、それに触れる
そして… 戻りたく、な、なくなるのさ
<フェルキン>
つまり闇術とは
闇の中に身を置く者
あるいは人が地底に在った頃の追憶(本能)
そういった感覚を元に生まれた術なのではないでしょうか
…君、これは、受け取れんよ
この呪術書は闇、人の奥底、触れざる火を熾すものだ
<コルニクス>
または、人の深層意識に訴えかける術であるのかもしれません
亡者状態になるともれなく眼球が残念になってしまうのも、人の祖先があまり視覚情報に頼っていなかったからなのかもしれません
彼らは、深淵に浸された黒布を被り
またその目を幾重にも覆う
火の封がすべての
見えざるものをかき消さぬよう
それは、神々への小さな抵抗である
<輪の騎士のフード>
[人でない闇術]
闇っぽい術を扱えるのはなにも人間だけではありません
深淵の欠片である闇の子たちはそれぞれ
恐怖、渇望、憤怒、孤独と、感情の使徒であり
ナドラの「咆哮」は闇の炎を噴き上げます
ニトも深淵ぽい術を使いますし、ベルカの奇跡もそうです
なんでいろんな種族が闇の術を使えるかというと、結局は地底人だからではないでしょうか
闇から生まれた者は闇の術を使う素養があるというだけのことなのかもしれません
そして、かつてのイザリスの魔女たちも闇術使いだったのではないでしょうか
炎の魔術
イザリスの魔女たちが用いたという杖
遥か昔、混沌も呪術もまだなかった頃のもの 後に混沌の火を生み出した彼女たちは
魔術師であると同時に祈祷師でもあり
故にこの杖は信仰補正を持っている
闇の魔術の威力が底上げされるだろう
<イザリスの杖>
混沌の娘たちは祈祷師です
祈祷師とはなんか祈ってなんとかする人たちですので、それによって炎の魔術を扱っていたと考えられます
イザリスの魔女とその娘たちを飲み込んだ
混沌の炎の業
<混沌の大火球>
イザリスの魔女が混沌に飲まれる前、まだ娘たちが炎の魔女だった頃の杖
呪術はまだ生まれておらず、彼女たちの杖も魔術の触媒であったが、その炎の魔術は完全に失われてしまった
[イザリスの杖]
呪術の祖、イザリスのクラーナの手により
潜在する力を引き出された呪術の火
<呪術の火>
魔術師であると同時に祈祷師でもあり
故にこの杖は信仰補正を持っている
その恩恵を祈り受ける業である
<回復>
混沌の呪術は溶岩の業であり
それは全ての呪術の祖であるという
[イザリスの呪術書]
人間性に触れる術
それは深みに沈み溜まったソウルであり
生命に惹かれ、対象を追尾するという
<深みのソウルより>
禁忌とされる闇の魔術
人間性の闇に仮そめの意志を与え放つもの
<追う者たち>
闇術には対象を追いまわす術が多数存在します
それは術自体に意志が込められていたり、生命に惹かれたりするからです
ここでひとつ興味深いテキストがあります
覇王ウォルニールが深淵に見出した呪術
墓守たちの黒い呪術のはじまりとなったもの 地を走りうねるように、黒い炎を走らせる
魔術であれ呪術であれ
人間性に触れる術は同じところに辿り着く
すなわち、そこに意志を求めるのだ
<黒蛇より>
はい、つまり闇術以外の術でも「対象を追尾する術」は人間性に触れ、意志を有しており、闇術に近いのではないかということです
探してみました
探究者たるローガンの一端が見える魔術だが 生命に惹かれるその性質について
後の研究ではむしろ、闇に近いとされている
<追尾するソウルの塊>
裏切り者を追う奇跡
リンデルトの聖院に仕える者たちは
厳しい戒律によって自らを律している
この奇跡は教えを冒涜する者を
追い詰めるためのものである
<敵意の感知>
不死廟にのみ伝わる失われた魔術
追尾性のあるソウルの塊を連続で放つ
<渦巻くソウルの塊>
エギルは火に対して
意志にも似たものを求めた
例えば、獲物に咬みつく蛇のような動きを
火蛇という名はその名残である
<火蛇>
息絶えるまで敵を追い続けることを目的に
編み出されて、邪法ともいえるこの魔術は
アン・ディールの遺産と伝えられる
<ソウルの奔流>
古の国オラフィスの大魔術師、
ストレイドによって生み出された魔術のひとつ
放たれたソウルの矢は
敵をどこまでも追跡し、撃退する
<追尾するソウルの矢>
巨人ヨームが薪の王となった後
罪の都は炎により滅びた
それは空より生じ、人々だけを焼いたという
<罪の炎>
他にもまだ有ると思いますが
対象を追う術は名だたる術師が作ったものだったり、業の深いものが多い印象です
ローガンのやつのテキストに「闇に近い」とあるので、やはり闇と術の意志には関連があると考えられます
あと「罪の炎」とは混沌のデーモンや呪術を指す言葉であると自分は考えていますので、デーモンの老王や王子の降ってくるやつもそれに該当すると考えます
あと人を追う術といったらなんといってもこれです
すっごい追ってくるので、かなりの意志が込められていそうです
下半身が蛇のことだけはあります
では、神族であるグウィンドリンやデーモンたちがどうして闇に近く、人間性に触れる術を使ってくるのかということになるのですが…
長くなります
深淵より生じる黒い炎は
陰を生まず、何者も分かたないという
それは人間性の火であると
<黒炎>
[月の魔術師]
グウィン王の末子として歴とした神でありながら
月の魔術師でもあったグウィンドリンの錫杖は
理力ではなく信仰により魔術を強化する
<暗月の錫杖より>
まずはグウィンドリンが信仰によりソウルの魔術を扱う理由ですが
自分の考察では、グウィンドリンはベルカとシースの子供ということになっています
不倫です
そして先に書いたように、ベルカやニトは闇っぽい術を使います
また、深淵に飲まれたアルトリウスや、深淵に落ちた四人の公王も同じ色の技をつかってきます
つまりこれらの紫の闇だか光りなんだかの業は、闇やら深淵の力と考えられます
そしてグウィンドリンもベルカの力を継いでいると考えられます
神の奇跡をなす触媒
罪の女神ベルカのそれは彼女の黒髪であり
信仰によらず理力を奇跡の糧とする
<ベルカのタリスマン>
ベルカの髪が理力を変換する触媒になるということは、彼女は理力を力とする生き物であると考えられます
暗い月の奇跡は、即ち復讐の物語である
だが騎士団総長ヨルシカはその意味を知らず ただ兄の面影に、彼の物語を語るだろう
復讐の意味は剣だけが知ればよい
<暗月の光の剣>
そしてグウィンドリンの奇跡である「暗月の光の剣」もベルカの奇跡と同じ色をしていますので
彼もまた理力を奇跡の源にしていると考えられます
名も無き月に仕える
薄暮の騎士に与えられるタリスマン
奇跡触媒としては珍しい理力補正を持ち
故に闇に近い奇跡と相性がよい
薄暮では、まずそれが教えられ
最初の戒めになるという
<薄暮のタリスマン>
つまり理力から生まれた奇跡や暗月神への信仰の奇跡は闇となるのではないでしょうか
深みの主教たちの礼拝の燭台
それは剣であると共に魔術の杖である
彼らは、冷たい谷のマクダネルの教えにより 聖職者でありながら、魔術師となったという
<聖者の燭台>
また、彼女への信仰から生まれた魔術は炎になるのやもしれません
[天体の象徴]
神々は天体を自らの象徴にしてたりします
たとえば
ベルカは暗月の女神であり、暗い月は「新月」です
そんな月を照らす「太陽の光」がグウィンであり
そして夜を照らす「月光」がシースだとします
彼はその月の力から、娘として育てられ
暗く儚い女神のごとく振る舞ったという
<化生の指輪>
グウィンドリンはベルカとシースの血を引くグウィンの娘として育てられました
彼が暗月と月光の子であるなら
継いだ力も当然「月の力」なのです
そしてグウィンドリンは混沌の娘たちと同じ母を持つ魔術師となるわけですが
しかし、彼と混沌娘とではおそらく信仰対象が違います
神の王冠はとてつもない信仰を要求するが
暗月の魔法の力を帯び、すべての魔法を強化する
その太陽姿は彼の願望の現われだろうか
<陰の太陽の王冠>
我が父グウィンと、姉グヴィネヴィアの陰となり
神の敵を狩る、剣となる覚悟があるならば
我は汝を守護し、陰の太陽、暗月の力を、汝の助けとするだろう
<グウィンドリン>
グウィンドリン自身の信仰(憧れ)は母や月でなく、父や姉、あるいは太陽そのものにあると考えられます
ですが太陽の光の力はグウィンやグヴィネヴィア、長子の持つ力であり
グウィンの血を引かぬグウィンドリンに太陽の奇跡は扱えません
憧れても、月は太陽に成れない
陰の太陽グウィンドリンの誓約者
暗月の剣の騎士たちに与えられるそれは
使用者に敬虔な信仰を求めるが
きわめて高い威力修正値を持つ
<暗月のタリスマン>
しかし月の光とは、すなわち「太陽の光の反射」であるのです
つまり「月光」とは
太陽の光(信仰)を得た
暗い月(闇)は
月光(ソウルの魔術)を放つ
みたいなことなんじゃないでしょうか
竜のできそこないとして、不死の象徴である蛇は
一方で、体よりも大きな獲物を丸のみする
きわめて貪欲な生物としても知られている
<貪欲な銀蛇の指輪>
そしてグウィンドリンの信仰心は「月明かり」では飽き足らず、信仰の光そのものを飲み込み
暗い月をして、自らが「陰の太陽」を名乗ったのではないでしょうか
つまりは日食なのです
日を喰らう暗い月
それがグウィンドリン流の暗月であり
「信仰を糧に魔術へ転化する」ということなんじゃないでしょうか
[転化]
しかし、月の力は太陽の反射光でしたと言ってみたところで
それは象徴の話ですし、だからどういうこと?ってなってしまいます
さあ?
べつに神々だけが特別なわけではなく
人にも転化を行うことができます
最高位の象徴にすぎなかった大杖は
大主教マクダネルの手で魔術杖となった
それは信仰を魔術の糧とする禁忌である
<大主教の大杖>
つまり転化って何なのでしょうか?
[術の転化]
まず、転化には少なくとも二種あると思われます
グウィンドリンやベルカのように自らの力(理力、信仰)を異なる魔法に使用する「力の転化」
そして
闇術師フェルキンの手により
「魔法の武器」が闇術に転化されたもの
<闇の武器>
術を異なる属性の術に変化させる「術の転化」です
ということで
フェルキンは魔術である「魔法の武器」を闇術へ転化することに成功しています
闇術師ギリアが古い魔術を元に生み出した魔術
いくつもの闇の球を放つ
闇術は元は魔術・奇跡の一形態だったと言われる
<闇の飛沫>
闇術の多くにはその「原型となった術」があると考えられます
たとえばカリオンさんは魔術の深奥を究めにドラングレイクにやって来て、最終的には闇術に目覚めてました
[原型の術]
ソウルの大剣 → 闇の大剣
追尾するソウルの塊 → 追う者たち
発火 → 黒炎
魔法の武器 → 闇の武器
ソウルの矢 → 深みのソウル
歪んだ光壁 → 湾曲した防壁
闇術がどこか見知った形をしているのは、なにかの術が闇へ変化したからだと思われます
というか術の転化の行き先が殆んど闇術です
闇術を修める者は、あらゆる魔術師から
異端として扱われる
だがそれに魅入られる者は後を絶たない
<闇の武器>
では、あらゆる魔法がなぜ術の垣根を越えて闇に転化できるのかというと
結局はソウル人が闇より生まれた存在だからではないでしょうか
そして、闇より生まれた幾匹かが
火に惹かれ、王のソウルを見出だした
※今日はこればっかりです
生命の起源的な意味において「闇はソウル人の故郷」なのです
誰もが知るような、な、懐かしさがある
闇を知る者は… そ、それに触れる
そして… 戻りたく、な、なくなるのさ
なので彼らの力の根源にあるものも、また闇であり
闇術とは「回帰の術」なのではないでしょうか
かつて闇に在った頃の追憶を得た者は自らの力を回帰させ、術は闇に染まるのです
大沼では、いやおそらくどこであっても、これは禁術
おぞましい者、あるいは悲しい者のみが、これを理解するのだろう
<コルニクス>
[追う者たちとソウルの塊]
「ビッグハット」ローガンの独自魔術
追尾性の高いソウルの塊を放つ
ソウルが生命の源であるなら
生命に惹かれるのはむしろ当然であろう
探究者たるローガンの一端が見える魔術
<追尾するソウルの塊>
「ソウルの塊」と「追う者たち」は性質がよく似ていますが
「ソウルの塊」はローガンの独自魔術です
しかしマヌスは古い人の魔術師であり
「追う者たち」の方が術としてより古くから存在していると考えられます
つまりローガンが知らなかっただけで、似た形態の術は昔から存在したということです
他にもグウィンドリンのパリンパリンや
異端の魔女ビアトリスなどもそうかもしれません
彼らもローガンと同じ思考の流れを辿っていたのか、あるいは闇を理解する者なら闇から新たに術を構築することもできるのかもしれません
[力の転化]
術が闇に染まるのはなんか分かりやすいのですが、力の転化はなんか複雑です
触媒のせいです
グウィンドリンの錫杖は
理力ではなく信仰により魔術を強化する
グウィンドリンの杖を使用するとで主人公も信仰により魔術を使用することができます
じゃあ、力の転化は「触媒」がやってくれるんじゃないでしょうか
触媒とは自らの力を変換し術を発現させるための道具と考えられます
魔術=杖
奇跡=タリスマンと聖鈴
呪術=火
そういうもんかなと思っていたら
この二人は触媒の概念をぶっ壊して術を使用しています
こういう人たちも居るので
力の転化とは
新しい術の構築なのか
術者の体質による変化なのか
触媒自体の転換先を弄っているのか
判断が付かない感じです
最高位の象徴にすぎなかった大杖は
大主教マクダネルの手で魔術杖となった
<大主教の杖>
大書庫の賢者たちが弄んだ聖鈴
元は「天使の娘」ゲルトルードのもの
結晶の力を借り、賢者たちは一定の成功を修めた
すなわちこの神秘の聖鈴は
魔術と奇跡、どちらの魔法も使用できる
<結晶の聖鈴>
しかし、ただの杖を魔術触媒にしたり
聖鈴に魔術機能を付与できるのなら
やはり術者の力を転化するには触媒に依存する部分が大きいのかもしれません
改めて、俺はヴィンハイムのオーベック。お前に魔術を教えよう
だが、まずは心得だな。魔術師の理想、竜の二相についてだが…
…そんなに嫌な顔をするなよ
結局のところ、魔術だの奇跡だのの原理を綺麗に読み解かないと、ここら辺はよくわからないんじゃないかと思います(解る気はしない)
ただ、転化を行う者たちにはやはり共通点はあります
・魔法が闇術へと転化する
・暗月神ベルカは理力を奇跡の糧とし、同じくグウィンドリンは信仰により魔術を扱う
・混沌の娘たちは祈祷により闇術を強化する
・混沌は人間性により火力を増す
・杖で呪術を使う闇術師
・闇術を素手で使う男
・深みの教徒は信仰により魔術を扱う
・意志を持つ術は闇に近く、人間性に触れる
総じて、転化を行うには「闇に通じている」ことが条件と考えられます
かつては大いなるうつろであった闇は、一度はかけらとなった
しかし長い時をかけ、すべてを飲み込みながら育っている
<闇潜りのグランダル>
共有してる
そして、闇より生まれた幾匹かが
火に惹かれ、王のソウルを見出だした
ソウル人は最初の火の傍の闇の中から誕生しました
…君、これは、受け取れんよ
この呪術書は闇、人の奥底、触れざる火を熾すものだ
<コルニクス>
人の内には闇がある。そして貴公は、それを覗くだろう
そして恐怖し足元を顧みるか、郷愁に身を焦がすのか
貴公次第だ
<カルラ>
故に、闇は彼らの内の深層に存在しているのです
そしてソウル人はその闇を「共有」しているのではないかと考えます
共有とは何か
たとえば
奇跡とは、神々の物語を学び
その恩恵を祈り受ける業である
<回復>
聖職者が神々の物語を共有して信仰が広まるように
だから、あんたに渡した火は、俺の一部でもある
せいぜい大事にしてくれよな
<ラレンティウス>
呪術師が火を分けて血縁を得るように
俺がお前に教える替わりに、お前は俺に知識を届ける
<オーベック>
魔術師が知識を共有して魔術を学ぶように
世界の火を継いでください。そうすれば、人の世の夜も終わり、不死の現れもなくなるでしょう
<グビネビアの幻影>
そして、この世界のいきものが「始まりの火」を共有しているように
闇の中には、まだお前の知らぬ闇がある
闇は世界の母、全ては闇から生まれ出るのだ
<闇潜りのグランダル>
闇の術を扱う者たちもまた、闇を共有しているのではないでしょうか
不死よ、おまえの中に真の闇を見出した
深い、深い闇だ
その闇こそ、私たちが対峙すべきもの
私たちには深淵が必要なのだ…
そして、その闇こそは「深淵」ではないでしょうか
古い人の武器は、深淵によって鍛えられ
僅かにだが生を帯びる
<輪の騎士の双大剣より>
闇に仮初の意志を持たせる術は
古くから在ったが、その創造者は
闇の子らの追憶の中に今も存在している
<追憶>
深淵に触れたものは意志を持ち
ウーラシールの魔術師が狂気の内に見出した深淵の魔術
<闇の玉より>
深淵に浸かることで闇へ変化し
それは信仰を魔術の糧とする禁忌である
<大主教の大杖>
信仰によらず理力を奇跡の糧とする
<ベルカのタリスマン>
深淵を通じて力を転化させるのではないか
深淵
まず、深淵がどういったものかをふわっと考えます
それは尋常のソウルではなく
どろりとして生あたたかい、優しい人間性の塊である
人間性を暴走させ、深淵の主となった後も
ずっと寄る辺、あのペンダントを求めていた
<深淵の主マヌスのソウル>
深淵とは、人間性が含まれた闇です
深淵の闇に汚れた騎士の兜
群青の房は決して乾かず、濡れそぼっている
<狼騎士の兜>
そしてなんか液体であり
闇の魔術は重く、物理的なダメージを伴う
人のソウルは、人間性としてより
実態に近づくのだろうか
<闇の玉>
闇術には重さがあることから
物質的な闇であると考えられます
[術の共有]
深淵の主マヌスの闇に飲まれ
人間性を暴走させたウーラシール民の頭部
大きく肥大し、ギザギザとささくれており
その間に無数の赤い眼球状の瘤があり
脳の房が大小幾つも飛び出している
<肥大した魔術師の頭部>
ウーラシールの魔術師が狂気の内に見出した
深淵の魔術。巨大な闇の玉を放つ
<闇の玉>
ウーラシールの魔術師たちはマヌスの作り出した深淵の影響で闇術を得たと考えられます
また、カーサスでも同じような現象が起こっています
カーサスの覇王ウォルニールが深淵に落ちて後
呪術師は墓守となり、黒い炎を見出したという
<墓守の呪術書>
このように、誰かが深淵を作るとその影響を受ける者が出てきます
ウーラシールの魔術師たちが一様に同じ闇術を体得していることから
彼らは深淵を通じて意識が繋がっているか
同じ深淵より力を得ていると考えられます
こういうのが共有なのです
みんなが深淵で繋がっていくのです
[記憶の共有]
私はただ、恐れていました
闇の欠片から生まれた、おぼろげな自分が……
いつの日か、ふと消えてしまうのではないかと
父の中にあった「恐怖」こそが
私を生みだしたのでしょう
<沈黙のアルシュナ>
深淵には「記憶」が含まれており
闇の子たちはそれぞれマヌスの感情を有しています
肉親を殺めた憐れな娘も、深淵に溶けてその腕に抱かれた
薄暮も月も、決してそれを与えなかった
<説教者>
説教虫たちが誰かの記憶を有しているのも
深淵に溶けた者を食餌して情報を得たと考えられます
つまり、これらは「記憶の共有」を行っているということになります
深淵には多くの人のおもひでが溶け合っているのです
ということは、深淵は「物質的な闇」というだけではなく、人の感情や記憶を含む「精神的な闇」でもあるのです
[質量]
不死人は水に沈みます
たぶん泳げません
主人公がストーンと水底に落ちたり
小ロンドを水没させるだけでダークレイスの封印になるのは多分そういうことなのだと思います
人の内にある最も重いもの。人の澱み
それはどんな深みにも沈み
故にいつか、世界の枷になるという
<人の淀み>
この世界の人が水に浮かない原因は
人の内にある人間性やら淀みなどの闇成分が関係しているのではないでしょうか
黒い炎はとても重く、物理的なダメージを伴う
尋常な盾などは、弾きとばしてしまうだろう
<黒炎>
闇の術には重さが有るので、その元となる深淵や人間性も質量を伴うと考えられます
そしてダークレイスは人の人間性を奪い集めるやつらなので絶対浮いてこないという寸法です
してやったりなのです
また、小ロンドの封印が結果的に深淵の封印であることからしても、人間性や深淵は水より重たいのだと思われます
魔術師でもあった大主教マクダネルは
聖堂に澱むソウルに歓喜したという
素晴らしい、ここが世界の底であると
<強い深みのソウルより>
以上から深淵とは
人々の人間性と記憶などが融け合った
物質的で精神的な闇であり
それらは共有可能であり
重量のある水っぽいなにかです
いろんな深淵あるんだな
次は深淵の作り方です
深淵は何処からやってくるのか
不死人の証にも似た暗い穴
ぽっかりと体に開いている
その暗い穴に底は無く
人間性の闇が徐々に漏れ出し
引き替えに呪いが溜まっていく
<暗い穴より>
深淵に人間性が含まれるのなら、そもそも人間性が深淵の素なんじゃないかと考えられます
不死人に暗い穴が開くと人間性の闇が漏れだすので、それがたくさん集まると深淵になるということです
人間性が深淵の素であるなら
「人は深淵を内包した存在」と言えるのかもしれません
四人の公王とダークレイスを封じるため
封印者たちは、民人諸共、街を水底に沈めた
かくて小ロンドの豊かな文化は失われ
民草は死して呪われた亡霊となった
<封印の鍵より>
本来それを防ぐ為にグヴィンは、人に対して遺伝子組み換え食品みたいに火の封を施し、それがダークリングとして人に刻まれているのだと考えますが
吸精(ダークレイスやマヌスの影響)で封が外れた者や、初めから封を持たぬ者(小人など)が闇に溶けるのではないでしょうか
闇の穴の奥に潜む者のソウル
古き闇の穴はかつてあった何者かから
何処かへ散ったものの名残である
<闇潜みのソウル>
一定のソウルを消費して闇を場に定着させる
闇に触れたものはダメージを受ける
人の手で生みだされた歪んだ闇は
触れた者の生命を吸い取る
<小さな吸精の光>
たぶんマヌスやら闇の子の名残であろう闇潜みのソウルから作れる「吸精の光」とは、ダークハンドの「吸精」のそれです
つまり人間性を他者から奪う手段は
人に暗い穴を穿って吸引することなんじゃないでしょうか
なんかそんなんで深淵は広がっていくのだと思います
そういえば前の考察で不死は骨になって篝火の灰になるとか言ってますが
火の封が機能している不死が灰になって
暗い穴によって封を外された不死人が深淵の沼に溶ける
とかそういう感じです
たぶん
[不死の沼]
輪の都の深淵がそうであるように
ファランにいるでっかい獣が沼を掘り返すと骸骨がいっぱい出てくるのでそういうことです
ちなみにファランの森にはちょいちょいダークレイスが居ますので、たぶんこいつらが森を腐らせたんじゃないでしょうか
あと死体の山は水浸しになってることが多いので、人の死体からはどんどん水が出てくるのかもしれません
そしてそのうち人間性も溢れて、やがてドロドロに融けて深淵が形成されるのではないでしょうか
因みに、一部の人沼になぜ毒の効果があるのかというと闇の霧と同じ理屈だと思います
人間性に近しいはずの闇の霧は
だが、人にとっては恐ろしい毒となる
多くの人が、よく人を蝕むがごとく
<闇の霧>
ある種の深淵は、人中を膿で満たすという
炎は、古くそれに対する有効な手段であった
<幽鬼のトーチ>
つまりこれも深淵にあたるようです
人の身体の中に深淵ができる
つまり内的深淵です
内的宇宙みたいなイメージでしょうか
この現象は体内の人間性がなんやかんやあって直接深淵になってしまうのではないでしょうか
たぶんそうでしょう
アルトリウスも身体から絶えず闇が溢れる状態でしたので、身体の内側からマヌスの深淵に侵されちゃったんだと思います
ゲール爺の体内からもファランの毒沼と同じような骸骨がいっぱい出てくるので、彼の中も深淵になってるのではないでしょうか
おぞましい人喰いで知られるエルドリッチは きっと伝えたいのだろう
悲鳴に浴し、生命の震えをこそ喰らうやり方を
<エルドリッチの赤石>
深淵には、種類があり
外界を深淵化するものと人の内側を深淵化するものがある
というふうに考えるよりは
人の内から溢れだす闇の「かたち」がそれぞれに違うのだと思います
[深淵間移動]
見るからに深淵ぽい沼の中から出てくる奴らが居ます
こういうことから分かるように、深淵には空間移動能力があるのです
傭兵として名を馳せた騎士団は
だが裏切りによって深淵に落ち
皆散り散りになったという
<ドランの鎧>
ウーラシールに迷い込んだある呪術師が
深淵の闇に見出した呪術
<黒炎>
かつてロスリックで
灰の英雄に敗れたそれは
ずっと捨て置かれ、深淵の沼に滑り落ち
再び狩りの記憶に支配された
<溶鉄の鎧>
実際に幾つも深淵を通した空間移動が行われていることからして
深淵と何処かの空間、あるいは深淵同士はリンクしていると考えられます
少なくともロスリックと輪の都は深淵で繋がっているはずです
一度生じた深淵が不滅であるなら、異なる時代や空間に生じた深淵空間とも繋がっているのではないでしょうか
カーサスの墓守が黒炎を見いだしたのも、深淵を通じてウーラシールまで行っちゃったからかもしれません
ここは、まったくおかしな場所だ
時の流れが淀んで、100年前の伝説が居るかと思えば
ひどく不安定で、色んなものがすぐにずれやがる
<アストラのソラール>
ダークソウルシリーズとは、腐っても時と空間をかけるファンタジーです
腐ってるファンタジーゲームです
時や場所を超えることはこのゲームでよくあることであり
そんな装置が至るところに存在します
篝火です
[混沌と深淵と篝火]
かつて呪術の祖、イザリスは、己が生んだ炎に焼かれ滅びた。
それは確かに混沌、魔女の歪んだ炎だったのかも知れない。
だが、あの篝火がそうでないと、誰に分かるものかね?
<コルニクス>
混沌と同じく、篝火も魔女たちによって作られた炎であると考えられます
聖職における不死の使命とは、まず「注ぎ火」の探索です
「注ぎ火」は、人間性により、不死の篝火を育てる業
<ペトルス>
篝火の薪は不死人であり
無印では火に人間性をくべることで火力が上がりますので、篝火と混沌の性質は近しいのだと思います
そして深淵にも混沌と同じ性質があります
この剣は最後まで主と共にあり、故に闇に飲まれ
使用者の人間性によってその威力を増す
深淵の武器となり果てている
<深淵の大剣>
人間性により攻撃力が増減する性質は混沌武器と同じです
…あんた、この種火は…
暗すぎる。むしろ深淵に近いものだぜ…
だが、俺は鍛冶屋だ。あんたが望めば、これを使おう
<罪アンドレ>
また、罪の都を焼いた火の種火は深淵に近いようです
ということはつまり、混沌と深淵と篝火は親戚みたいなもんじゃないでしょうか
混沌が人間性を燃料にしているのなら、それは深淵で燃えているようなもんであり
深淵に空間移動能力があるのは篝火みたいなもんじゃないかということです
じゃあ篝火は混沌であり深淵みたいなもんなのでしょうか?
[火防女]
火防女の魂から、その緑瓶は生まれる
彼女たちは、生きて篝火を守り
死してなお、その熱を守り続けるのだ
<エスト瓶>
篝火の化身である火防女とは、数多の人間性の憑依なのです
不死となった彼女は
螺旋底の霊廟で陰の太陽グウィンドリンに見え
暗月の剣となり、また火防の任を受け入れた
この鎧は、そのときに授けられたものである
すなわち暗月の剣として罪人を狩る助けとし
また、火防のおぞましい姿を隠すために
<真鍮の兜>
つまり、火防女ちゃんの中は深淵ちゃんになっていると考えられます
なので篝火の守り人とは、自らに蓄えられた人間性の闇をもって篝火の燃料としているのではないでしょうか
つまり篝火と火防女をセットで考えると、混沌と深淵みたいなもんなのです
混沌と深淵、篝火と火防女は
関係性が似ていると思われます
[深淵の霧]
あとこれも深淵ではないでしょうか
頭蓋杯より溢れ出た闇に包まれ、主人公は深淵に落ちたウォルニールの元へ誘われる
ウォルニールを倒すと元の空間に戻される
この杯がウォルニール本人の頭部だった場合、主人公は彼の深淵(脳内)を覗き見たのではないかと考えられます
別にウォルニールでなくとも、頭から溢れた霧に誘われるのだからなんかそんなんじゃないでしょうか
巨人オジェイの記憶の中に巨人の王が居たような感じです
この闇の霧も深淵じゃないかと思います
深淵が水っぽいもので形を変えるものなら、気体化もするんですたぶん
そんなんでいいんじゃないでしょうか
周囲に霧を生じさせる闇術
霧を吸った者の身体は、立ち所に毒に蝕まれる
効果が似ていることから毒とされるが
実際はより本質的なものが蝕まれている
<闇の霧>
闇の霧は人間性に近しく、他者を蝕みます
そして人沼と同じようにニトも猛毒になる攻撃をしてきますし
死者どもの骨でできた剣
剣のまとう濃い死の瘴気は
あらゆる生命にとっての猛毒となる
<墓王の剣>
また、ウォルニールとニトは無差別に生命力を削る瘴気のようなものを発生させます
なので闇の霧の「本質的なものを蝕む毒」とは、生命そのものを蝕む「死の瘴気」であると考えられます
つまり死の瘴気と闇の霧は本質的に同じです
ウーラシールの魔術師が狂気の内に見出した深淵の魔術。闇の霧を発生させる
<闇の霧>
そして闇の霧は、深淵より生じるのです
つまり深淵とは
人の内より溢れる
物質的で精神的な闇であり
重さがあり、液状であり、形状が変化するものであり
他者を蝕み、他者と繋がり、広がって行くものであり
深淵は時を超えて空間を繋げている
などの特性を有していると考えられます
結構何でもありな感じになってきました
原初の闇
大きな目隠しは余計な光を遮り
呪術の火をじつと見ることができるという
火が見せるものも、火が見せぬものも
<老師の目隠し>
火を概念として捉えるなら
闇もまた概念です
闇より生まれた幾匹かが
火に惹かれ、王のソウルを見出だした
ダークソウルにおける闇とは火の対を為すものとして考えます
要はソウル人が惹かれた炎が「始まりの火」であるのなら
ソウル人が生じた闇もまた「始まりの闇」なんじゃないでしょうか
深淵に落ちたウォルニールは
だが真の闇を恐れ、生まれて初めて神に縋った
<ウォルニールの聖剣>
ウォルニールは生前に夥しい死を築いて深淵に落ちました
そして自らが最後の死者であることを願っています
彼の思う「真の闇」が
火が消えた生命のない世界であるとしたら
多くの人間が融けた深淵は「終わりの闇」でしょうか
3のエンディングにあるような始まりの火が消えて闇に包まれた世界は
まさに真の闇であり、すべてが深淵に沈んだ世界であるとも考えられます
しかし
どこかずっと先に、小さな火たちがあるように思えるのです
それはまるで、王たちの継いだ火の証、残り火のように
だからこそ、私はその暗闇に惹かれるのでしょうか?
<火防女>
深淵とは生命の終着点であり
同時に「新たな生命の苗床」である
とも考えられます
ソウル
深淵は人間性と記憶が融けあう生命の苗床であるとします
だから深淵の武器が生を帯びたり、深淵の術が人を追っていったりするわけです
しかし闇だけでは新たな生物は誕生しないのではないでしょうか
ソウルが生命の源であるなら
生命に惹かれるのはむしろ当然であろう
<追尾するソウルの塊>
生命の源は「ソウル」だからです
では、ソウルとは何か?
「火に惹かれ、王のソウルを見出だした」
<プロローグ>
「始まりの火の大いなるソウルを手にすることが
彼女の望みなのですから」
<緑衣の巡礼>
ソウルとは火です
こんなもんはどうみても火です
そしてソウルとは「最初の火」だけを表すのではなく
言うまでもなく「ソウル」であるのです
主人公が敵を倒してソウルを吸収するということは、つまり
あらゆる生物の内には火が宿っているということです
かつてレイムとして名を馳せた騎士は
この地に下り、煤の花嫁を愛慕した
<煙の騎士のソウル>
それは信念であったり、情愛であったり
その者の行動原理になるほどの
魂の炎なのです
ロックなのです
生命とは炎に惹かれるものであり
こうした業もまた呪術の一側面であろう
<魅了>
ソウルが生命の源であるなら
生命に惹かれるのはむしろ当然であろう
<追尾するソウルの塊>
闇は世界の母、全ては闇から生まれ出るのだ
闇は母であり、生命と火は惹かれ合う
[絵画世界深淵説]
…私、画を描きたいの
ずっと寒くて、暗くて、とっても優しい画
きっといつか、誰かの居場所になるような
…だから私、火を見たいの…
お嬢様に火を見せたいゲール爺の目論みで、主人公はアリアンデル絵画世界へと引き込まれました
火の無い灰よ
もしもあんたが我らと同じ、
どこにも居場所のない、忌み人ならば
お嬢様に火を見せてあげてくれ
…これで、灰はふたつだ…
なにやら、灰には実際に
「助燃触媒」という効能があるそうです
火を点けやすくするという作用です
炭酸カリウムです
ゲール爺が灰を求め、火を見せてくれと頼んだことには、そういった意味合いが含まれているんじゃないでしょうか
ああ、あんた、フリーデを呼んでおくれ
見えるだろう?火がまた、チラついている
もうすぐにも、溢れてしまいそうだ…
実際に灰の人の成分に炭酸カリウムが含まれているのかは分かりませんが
名も無く、薪になれなんだ、呪われた不死
けれど、だからこそ
灰は残り火を求めるのさね
<3のプロローグ>
どうしたのです、火の無い灰よ
貴方は王の探索者。高壁の下に、薪の王たちを追うのです
古くから決まった、それが貴方の使命でしょう?
<祭儀長エンマ>
灰の人が火を求める性質は、火を望む人々にとって利用価値があるわけです
一人目の灰として絵画を訪れたフリーデは
だが教父と共に、火ではなく腐れを選んだ
<修道女フリーデのソウル>
「いつか灰はふたつ、そして火を起こす 」
やはり君には、灰には、火が相応しい…
<アリアンデル>
ゲール爺の思惑、そして絵画に残された予言において主人公とフリーデには
絵画世界を焼く「着火材」としての役割が有ったのではないでしょうか
そして2人の戦いにより、教父は絵画に火を灯したのです
絵画の修復者たるアリアンデルは
それが血で描かれることを知っており
それを守るためにまた血を用いた
<アリアンデルの薔薇>
さまよえる奴隷騎士、赤頭巾のゲールは
絵画世界の顔料のため、暗い魂の血を求めた
<奴隷騎士ゲールのソウル>
そんな絵画世界とは黒い血で描かれています
その顔料となる暗い魂の血には深淵(人間性)要素が含まれているんじゃないかと思っています
ああ、これが血か…
暗い魂の血か
「暗い魂の血」が何故深淵なのかという解釈はもう少し後になりますが
とりあえず「空間移動能力を持った暗い液体」という点で絵画と深淵には共通点があります
深淵によって絵画が描かれ、世界を構築しているのだとすれば、それは深淵から空間を創作する、あるいは深淵を通して別の空間と繋げていると考えられます
…火の音が聞こえる
きっと、もうすぐ見える…
また、絵描きの少女が「火を知る」ことが創作に繋がり
…ゲール爺も、いつか帰ってくるのかしら
新しい画が、お爺ちゃんの居場所になるといいな…
灰の名を与えられた世界が
やがて誰かの居場所となりえるのなら
このダークソウルの世界において
「火と闇が出会うこと」は
生命誕生のきっかけとなっているのではないでしょうか
それぞれの火と闇
「そして、闇より生まれた幾匹かが
火に惹かれ、王のソウルを見出だした」
「…そして、いつかきっと暗闇に、小さな火たちが現れます
王たちの継いだ残り火が」
「灰の人…
貴方のくれた火が、燃えています
そしてもうすぐ、お爺ちゃんが、顔料を持ってきてくれます
人の暗い魂
その色をした顔料を」
火と闇が出会うことが生命を育む
それは物語の始まりと終わりに語られて
絵画の創作に必要な因子でもあります
そして、混沌のデーモンの生誕にも火と闇が関わっているはずです
混沌の武器は炎攻撃力を持ち
人間性によって強化されるデーモンの武器である
<混沌の炎の種火より>
人間性によって威力が増す混沌は
闇を燃料に盛る炎と考えられます
デーモンの母たる、混沌の苗床
<王のソウル>
デーモンが混沌によって生まれくるのなら
混沌とはすなわち、デーモンにとっての最初の火であると考えられます
魔女はソウルから「最初の火」を作ろうとし
<王のソウル>
魔女は「ソウルから」最初の火を作ろうとしました
基本的にデーモンたちは何らかの動物の特徴を有しています
つまり彼らは何らかの動物のソウルから「再生」された命なのではないでしょうか
獅子以外にも、色々な動物の特徴を有しており
おそらくは自然な生物でないことが想像できる
それはむしろ、デーモンの性質に近いものだ
<聖獣のソウル>
あるいは「命の合成」であると考えられます
様々な生命を一つに溶かし混ぜ合わせたのなら、まさに混沌でしょうか
束の間に燃え尽きるその混沌は
だが苗床に生じた原初の生命であるという
<浮かぶ混沌>
つまり混沌とはただの溶岩ではなく、生命の溶けた魔女のスープなのです
[デーモンの半分]
デーモンの半分が動物であるとして
混沌のデーモンと化した
イザリスの魔女の娘クラーグのソウル
クラーグのソウルは混沌の諸相をなし
<クラーグのソウル>
城と共に土に呑まれた鉄の古王のソウル
鉄の王の身体は焼き尽くされ
その魂は地の底にいた者に憑りつかれた
<鉄の古王のソウル>
喰うことは愛情の現れである
満たされることのない想いを抱えた彼の者は
魔と化した後も、なお孤独であった
<貪りデーモンのソウル>
神や人がデーモンと化す
また、それは魂に憑くことなどから
デーモンのもう半分はソウル人で出来ていると考えられます
おそらくは混沌に飲まれたり落ちたり、犠牲になった人たちの身体やソウルに寄生、融合し、デーモンとして新たに再誕するのではないでしょうか
もしくは、他の混沌の業と同じく
「人間性を依代に生まれた命」がデーモンであるとも考えられます
罪の都は炎により滅びた
それは空より生じ、人々だけを焼いたという
<罪の炎>
デーモンは人間性の闇を糧とし、故にその炎は人を追うということです
魔女はソウルから「最初の火」を作ろうとし
歪んだ混沌の炎の獣を生み出した
<王のソウルより>
しかし、一度誕生した命(ソウル)を逆に最初の火に還元するという行いは
いかにもやっちゃダメな感じがしますので
だから混沌は暴走したんじゃないでしょうか
異端者ナヴァーランは、一族諸共に処刑され、その名は禁じられたものとなった
一説には、彼は禁忌とされる
転生の秘術を追い求めていたという
<闇の嵐>
転生は禁忌なのです
混沌から生まれたデーモンたちは
皆炎を宿し、ひび割れ歪んでいる
生まれるべきではなかったのだ
<デーモンの大斧>
[混沌の娘たち]
イザリスの魔女と、混沌の娘たち
<プロローグ>
古竜と戦った時代にあったのは炎の魔術であり、混沌はまだ存在していません
イザリスの魔女たちが用いたという杖
遥か昔、混沌も呪術もまだなかった頃のもの 後に混沌の火を生み出した彼女たちは
にも関わらずプロローグで「混沌の娘たち」と紹介されるのは、彼女たちが後に混沌を生み出し
デーモンの母たる、混沌の苗床
そして母さんが苗床そのものとなったことから、総じて混沌の娘と称されるのだと考えられます
最初のデーモン誕生は魔女が混沌に飲まれる前であり
彼が司祭となって炎の魔術を習得していることから考えて
混沌の火が生まれ、そして魔女たちが炎に飲まれるまでにはそれなりの時間が経過していると思われます
そして娘たちが混沌を生み出したその理由は、やはり母さんにあると考えます
[魔女研]
魔女が何のために「最初の火」を望み、混沌を作り出したのかというと
目的はやはり生物を生み出す研究ではないでしょうか
炎の燻りすら失くした、はぐれデーモンは
かつてロスリックの門番であったという
<はぐれデーモンのソウル>
デーモンさんは神殿をこしらえていたり
人や神と共存しているので
ただの化け物ではなく知的生命体と考えられます
魔女は生命の研究の過程でデーモンを生み出したのだと思います
束の間に燃え尽きるその混沌は
だが苗床に生じた原初の生命であるという
それはイザリスの罪の、憐れな証であろう
<浮かぶ混沌>
だから、生まれるべきではなかったとか言わないで
[模倣]
はい、なんにせよ魔女は最初の火を模倣して混沌を生み出した可能性が高いはずです
普通なにかを再現する場合
目標物の素材や製法を真似るからです
つまり自らを生み出した最初の火をモデルに火の研究をしたのではないでしょうか
といことで混沌やデーモンの性質を辿れば、ある程度ソウル人の性質も見えてくるのではないでしょうか…
[起源]
ソウル人 : 地底に熾った最初の火の側の闇から生命が生じ、ソウル人が生まれた
デーモン : 地下都市イザリスの施設で最初の火の研究がなされ、混沌のデーモンが生まれた
ソウル人もデーモンも地底出身であり
共に闇と火の関係から生まれています
いっしょいっしょ
[素材]
次にデーモンの身体を構成する素材ですが
彼らは樹や岩から出来ているようです
混沌は溶岩であり、苗床は樹の根です
溶岩に飲まれたイザリスも根がたくさん伸びているので、デーモンの身体もそういったものから構成されていると考えられます
燻りを失くした、はぐれデーモンの業
口から岩を吐き出す
<岩吐き>
ところで3のデーモンたちがこんな剥き身の姿になっている理由ですが…
混沌の炎より生まれ、その炎はもはやない
故にデーモンは滅びゆく種族である
<デーモンのソウルより>
3の世界には既に混沌がなく、つまりデーモンにおける最初の火が消滅した状態です
故にデーモンたちは炎を失くし、岩や根を巡らせた身体が露呈しているのではないかと考えられます
つまりは「先祖返り」です
彼らが最初の火によって生まれ、進化した存在であるのなら
火を失うことで原初の姿に還っているのではないでしょうか
炎から生まれたデーモンたちは
その燻りを宿し滅びゆく
それは、火と人々の今でもある
<苗床の残滓>
そしておそらく
「人」もデーモンと同じです
ダークソウル3には樹や石になっている人が結構出てきます(過去作にもいます)
これも「先祖返り」なのじゃないかと考えられます
「人の火」が極限まで弱り果て、人も原初の姿へと還っているのです
根拠っぽいものを探るなら
まずは巡礼者たちの相貌です
彼らの姿は、2に登場した巨人たちによく似ています
では、2の巨人たちは元からこの姿だったのか?
おそらくは違います
ドラングレイグの王ヴァンクラッドは
王妃デュナシャンドラの進言に従い、
強大なソウルを持つ巨人たちを平らげるため
北方へと兵を向けた
<巨人兵の大槌>
人に生者、亡者、限界亡者、先祖返り、骨の姿があるように
巨人にもそれがあるのではないでしょうか
巨人がソウル人の括りに入るかは微妙ですが
…しかし、いずれ火は消え、暗闇だけが残る
いかな英雄とて、留めることはできん…
<鷹の目ゴー>
彼らもまた、火の揺らぎに左右される人であるのです
かつて我が王は海を渡り、巨人の国へと攻め入った
そしてそこから“何か”を持ち帰った
以来、この国にあのゴーレムが生まれたと聞く
あの巨人どもは、ただの蛮族ではない
許すことのできぬ、怒りにかられている
我が父も、祖父も この地であの巨人たちと戦ったのだ
尋常の執念ではない
あの者たちは許すことができんのだろう
我が王の所業を…
<王国隊長ドラモンド>
ヴァンクラッドはおそらく、巨人族における「最初の火」を奪いました
それが「巨人たちの怒りの元凶」になったと考えています
巨人たちは火を奪われたが故に、その姿は限界亡者へと変貌し、怒り狂い、長い期間を掛けてまでドラングレイクを滅ぼしたのではないでしょうか
それを成し遂げた後
巨人は樹になったのです
朽ちた巨人は大樹へとその姿を変えた
死は終わりではなく、生きとし生ける者は
再生の環のなかにある
ならば、その環の外に出た者は
いったいどこへ行くというのだろうか
<巨人の木の実の種>
この世界で火を失くした者たちは、原初の姿へと還っていくのではないでしょうか
それは人も巨人もデーモンも変わらないということです
つまり元を辿れば
みんな樹とか岩です
ロードランの地で作られる円い木の盾
この地の樹木は、岩の大樹の遠い子孫であり
その性質をわずかに受け継いでいるため
魔法に対するカット率が高い傾向がある
<戦士の円盾>
この世界の生命体の多くは、岩の大樹より進化したのではないでしょうか
古い時代
世界はまだ分かたれず、霧に覆われ
灰色の岩と大樹と、朽ちぬ古竜ばかりがあった
もともと岩と大樹と古竜ばっかりなので、そこから進化する他なかったとも考えられます
そして神、人、巨人の王たちが、その身を「薪」とするのは、実際に身体が樹に由来するからじゃないでしょうか
かつて地底の闇にあった岩の大樹が最初の火に惹かれて別の生命体へと進化したとか
そういう感じでしょうか
廃都イザリスが根っこで覆われているのも
根が混沌を吸い上げて育っている感がありますし、他にも
古くより不死街には、あらゆる呪いが流れ着き
もっとも酷いものは神樹に封じられた
そして徐々に、その樹は変わっていったという
<呪腹の大樹のソウル>
樹になんか呪いっぽいのいっぱい詰め込んだら人っぽくなって動いたりします
思えばヒト型の動く植物っぽい敵はシリーズを通して登場していますので、存外 人と植物の生態は近いかもしれません
やはり火のソウルを岩の大樹の根が吸い上げて進化していったのかもしれませんね
きが変わったのかもしれませんね
おもしろいですね
古竜の末裔の首級を、そのまま盾としたもの
岩のようなそれは確かに硬質である
<竜首の大盾>
そして古竜たちも岩などの鉱物から派生した生物の気配があります
そして竜人や小人(狂王)やグールに同じような角が生えることから、ソウル人の遺伝子にも竜が混じっているのかもしれません
3の古竜の頂きに居る人たちも石になってますしね
というわけでみんな植物や鉱物、または古竜生まれなんじゃないかと思います
古竜の鱗片に触れることは
世界の深淵を覗くことでもある
だからこそ、竜の信奉者は
その存在を超越することが求められる
<竜のうろこ>
[継承]
ひとつの混沌から生じたデーモンたちは
多くのものを共有する
王子の誇り、その消えかけた炎ですらも
そして最後の一体が、それを再び灯したのだ
<デーモンの王子のソウル>
人と同じく、デーモンもいろいろ共有するようです
そして「最後のデーモン」が継承した炎とは
いわばデーモンたちの火継ぎではないでしょうか
神や人が時代や文化を継承してきたように
デーモンにも守るべき文化や思想があったはずです
だから生まれるべきではなかったなんて言わないで
火と闇から生まれ
樹と岩の身体を持ち
火を継ぐ性質がある
以上の点から、ソウル人とデーモンは似ているのです
そして魔女は、本当の意味での神になろうとしていたのではないでしょうか
…ああ、女神よ。居場所無き忌みものたちの母よ
あるいはぜんぶの母になりたいとかそういうのでしょうか
[滅び]
混沌の炎より生まれ、その炎はもはやない
故にデーモンは滅びゆく種族である
混沌の炎を失い、デーモンが滅ぶ
最初の火を失い、人が滅ぶ
しかし、だとすれば
ソウル人が火と闇を共有していたのなら
古い竜の末裔ミディールは、神に育てられ
朽ちぬが故に、永遠に闇を喰らう使命を持った
神がとうに滅びた後も、忘れることはなかった
<闇喰らいのミディールのソウル>
同じ闇より生まれたはずの神々が
人より先に滅びた理由は何だったのか?
黒炎
ソウルが生命すべての源であるなら
人のみにある人間性とはなんなのか?
<人間性>
同じ闇より生まれたにも関わらず、何故に人だけが人間性を持つのか
人間性とはなんじゃらほい
これもまた、火ではないでしょうか
その意志は人への羨望、あるいは愛であり 人々は目標を執拗に追い続ける
その最期が小さな悲劇でしかありえないとしても
<追うものたち>
ソウルが生命に惹かれるように
人間性もまた、人に惹かれる
それは尋常のソウルではなく
どろりとして生あたたかい、やさしい人間性の塊である
<深淵の主マヌスのソウル>
マヌスの人間性は深淵でありソウルでもあるのです
つまり人間性とは闇の炎でもあるのです
深淵より生じる黒い炎は
陰を生まず、何者も分かたないという
それは人間性の火であると
<黒炎>
人間性の闇に仮そめの意志を与え放つもの
<追う者たち>
黒炎が陰を生まぬのは、人間性が火と闇の両方の性質を持っているからではないでしょうか
人のソウルは、人間性としてより
実態に近づくのだろうか
<闇の玉>
では、闇であり、深淵であり、火であり、ソウルでもある人間性とは一体何なのか?
おそらく
小人が最初の火より見出だしたソウル
こそが人間性ではないでしょうか
…かつて火のはじまり、貴公ら人の祖先は
古い王たちの後に、四つ目のソウルを見出だした
<闇撫でのカアス>
小人の始祖はソウル人の中でもっとも後に火のソウルを見出だしています
貴公ら人の祖先は、闇のソウルを得て、火の後を待った
そして
他の神々が「明るい」とか「生」だとか「暖かい」とか、健全な感性で火を見ていたのに対して
本来四人目の王となる存在だった小人は、火に「闇」を見たのです
闇の火(ソウル)を見出だす
正直矛盾している気がしますが、あるものに例えるならしっくりくる気がします
闇は呪いと呼ばれる
だが、影は火あらばこそ生まれよう
炎が盛るほどに、闇もまたその色を濃くする
<ヴァンクラット>
「影」です
それは
光と闇の混在であり
火と闇の真ん中の温度であり
生と死の狭間である
つまり
火にも闇にも惹かれ
生あたたかな人間性を持ち
不死である
この世界の人の概念なんじゃないでしょうか
この世界の人とは、影のような存在であるのかもしれません
闇の術や人間性に触れる術が人を追うのも、それがなにかの影だからです
ソウル、そして人間性は生命に惹かれる
それは同時に光に引かれる影ということです
あるいは、心は誰かを求めるという
それだけかもしれません
また、神とされるグウィンドリンが太陽に憧れたことも、陰の太陽を名乗ったことも
それは、人の性情に近かったのではないでしょうか
闇より生まれた不敬者が
そなたに永遠の呪いを…
怨みごとを残して逝くところなんて最高に人間臭いのです
結局のところ人も神も闇より生まれて火に惹かれる同じ穴のムジナだと思うわけですが
だから奴は、火を継ぎ、自らの息子たちに、人を率い、縛らせた
貴公ら人が、すべて忘れ、呆け、闇の王が生まれぬように
しかし影とは光に依存するものであり
小人が「火の後」を待ちきれず
神に飼い慣らされてしまったのもまた必然でしょうか
火の力は、神の持つ力…
人の理の及ばぬものよ…
ならば何ゆえ、人は火に惹かれ、その力を業とすることができるのか…
<熟練のマックダフ>
何ゆえか
彼は孤独の中で女神の寵愛を信じ
そのために全てを捨てた
<寵愛の兜>
影は自らを惹く神を選ぶことで
あらゆる信仰の恩恵を得ることができるのではないでしょうか
[黒い血の世界]
人間性は火であり、闇である
暗い魂の血が深淵であるとかほざいたのは
[暗い魂=闇の火=人間性]+[血=液体]だからです
絵画世界が腐るのも血によって描かれて修復されるからでしょうし、虫が沸くのも輪の都の深淵と共通しています
蛆を生み出すロザリアは
絵画世界の首領(修道女)その人だと思うのでなんかいろいろあるのでしょうが
長すぎるのでまたにします
長すぎる
カアスが言うに、小人はいずれ火が消えることを見越していました
他の王たちよりも後からソウルを見いだしたが故に、最初の火の陰りを感じとっていたのかもしれません
あるいは最初の火の盛り具合で人種が決まったりしていたのでしょうか
最も強いソウルの王グウィンは
火継ぎを前にその力を一族に分け与えた
<大王の王冠>
最も強いソウルを持つグウィンが誕生した時期が最初の火の最盛期だったのかもしれないということです
神と小人とで明確に種族が異なるのなら、 最初の火と闇の具合も微妙に変化していたのかもしれません
もしそうなら、ここら辺に神の衰退の理由があったりする気がします…
何であれ、人間性が小人の見出だしたソウルであるのなら
結論として、ソウル人が生まれた最初の闇は深淵ではないということになります
影の沼
道など、ありはしない
光すら届かず、闇さえも失われた先に
何があるというのか
だが、それを求めることこそが
我らに課せられた試練…
ソウル人は原初の闇をルーツに持っています
そして、いきものが始まりの火を共有しているのなら、闇も共有している
というのがここまでの考察です
では、神々や人が原初の闇ではなく深淵を共有しているのは何故か?
おそらく深淵とは、ソウル人にとっての原初の闇が変化したものなんじゃないでしょうか
ソウル人が生まれ、共有した原初の闇に
小人とかマヌスとかダークレイスが人間性を加えた
そして闇の性質が変わった
それが深淵であると考えます
貴公ら人の祖先は、闇のソウルを得て、火の後を待った
ようは
最初の火に陰りという変化があり
その影響を生物たちが受けるのなら
最初の闇にも変化が生じており
生物に影響を与える
ということです
環境の変化
ダークソウルという物語は、根元的な問題を抱えています
私はすべてを失い、そして待ち続けた
玉座は、お前を迎え入れるだろう
だが、因果は…
<アンディール>
火を継ぐ者、呪いをその身に引き受けるもの
あなたが火を継げば、再びソウルは充ち、
同じことが繰り返される
<みどり>
人がどれだけ火を継いでも、人の世は衰退の一途を辿っていることです
理由は様々考えられますが、この問題をひとことで表すなら「環境の問題」ではないでしょうか
現実の歴史の話になりますが
地球には昔、恐竜というでかい爬虫類がいっぱい居たらしいです
それが隕石だか火山で地球が寒くなって絶滅したそうです
恐竜は寒いのに耐えられずに死んで
おそらく恐竜から進化したであろう寒さに耐えられる動物たちが生き残って、やがて繁栄しました
そして猿っぽいのから人に…
という感じの環境の変化と生物の進化があったらしいです
ダークソウルの世界でいえば
先に岩の大樹やら古竜が居て
それらから進化したと思われるソウル人が誕生して
古竜たちを滅ぼし
神々の文明が繁栄し
やがてそれも滅び
本来なら人の時代がくる
はずでした
「今や、火はまさに消えかけ
人の世には届かず、夜ばかりが続き」
<プロローグ>
そうです
つまり、最初の火には
環境という概念が含まれているのではないでしょうか
「そして、闇より生まれた幾匹かが
火に惹かれ、王のソウルを見出だした」
火によって生命が進化する
そして進化とは環境に則して行われる
知をもって、闇に対する者がいた。そして最後に、無知を知った
世界のはじまりにそれは無く、終わりにもそれは無いだろう
あたりまえのことじゃあないか
<虫>
火を共有してるんだから
あたりまえっちゃあたりまえかもしれません
というわけで
だが、やがて火は消え、暗闇だけが残る
<プロローグ>
最初の火が陰る
つまり環境が変化して神々が弱る
人は安寧の中で、生かされている
そして偽りの檻を信じ、愛おしむ
例え全てが嘘であろうと
<アンディール>
国は亡び、火は綻ぶ…
古のソウルが力を取り戻す…
闇は枷を離れ、呪いとなり…
人は、そのあるべき形に…
<ヴァンクラット>
そして人は本来の姿(亡者)を取り戻す
そういえば、昔もそんなのがいたわ
見栄っ張りの嘘つきで、最後は自分を火の中に放り込んだ
<愛しいシャラゴア>
でもグウィンは「火継ぎ」を行い火の時代を延命しました
多くの神と共に故郷を去った彼女は
やがて妻となり、母となった
そして貴い子たちをもうけたという
おそらくグウィンの行った火継ぎが神々の最後の繁栄期間だったのではないでしょうか
…これで、不死の呪いも消え、私も、人として死んでいけます
<火防女>
お主に出会って、楽しかった
やはりわしは、人が好きじゃ
成就を、願っておるぞ…
火の時代を終わらせてならぬ…
<フラムト>
そして人が火を継いだことは神々(グウィン神族)の衰退を決定付けたのかもしれません
お願いです
大王グウィンの後継として、世界の火を継いでください
それは、英雄である貴方にさえ、辛く、厳しい試練となるでしょう
ですが、私たちはもう、火の明るさを知り、熱を知り
生命の営みを知っています
もう、世界の火を失えば
残るのは、冷たい闇と、恐ればかりなのです
<グヴィネヴィアの幻影>
…火の時代とは、古い神から続く時代であり、火継ぎとはその継承です
<ユリア>
しかし人は闇の時代ではなく、火の時代を継ぐことを選択しました
伝承の森ミルウッドは、それが発見されたとき
腐った霊樹のそびえる無人の遺跡だったという
そこには死体がひとつなく
全てがひっそりと捨てられていた
<ミルウッド騎士の兜>
ですがその後も闇の時代を望む勢力たちが
ダークレイスや異形と化した者たちの暴走などが
火の時代の人々を飲み込んで、深淵はどんどん広がっていったのではないでしょうか
貴様たち人間は、闇の側にあったはず
かつての光の王…
かの者は人間を恐れていたと聞く
人間こそが、いつか闇の時代をもたらすのだと
<アガドゥラン>
やがてその身に呪いを現す時まで
それは我らに課せられた軛
闇こそが、人の内に宿る真実であるが故に
<アンディール>
そもそもの話が、本質的に闇の時代の住人であるはずの人が
神の時代である火の時代を継ぐこと、あるいは生者の姿を維持することに無理が生じており
深淵に飲まれる世界と
神のいない火の時代との狭間で
人は徐々に世界の環境に耐えられなくなっていったのではないでしょうか
つまり最初の火とは種族の生きる環境そのものであり
人は、ずっとずっと無理を続けてきたんじゃないでしょうか
国は栄え、しかしいずれ衰えていく
あたかも火の燃えあがり、消えるが如く
繰り返し繰り返し
しかしの、消えかけた火はやがて蘇るのよ
そして再び国が栄える、その姿を変えながら
<オラフィスのストレイド>
そして、歴史が繰り返すように
竜や神が衰退したように
本来は人にももっと早くに終わりが来ていたのではないでしょうか
淘汰と繁栄
深淵は誰の闇か
かつて深淵にあった者は
滅びと共に、無数の破片に分かれ散った
<渇望の鈴>
闇の子の闇です
やがて形を成したそれは、より強い力を求め
強いソウルに惹かれ、這い出した
<渇望の鎌>
マヌスの人間性より分かたれ
人の終わりの沼を原初の闇として
闇の子は誕生しました
闇より始まり、火に惹かれ
火を失い、闇に終わる
そしてまた、闇より始まる
この世界の進化とは、おそらくこういうことではないでしょうか
闇の子たちは、新たなソウル人の進化の可能性のひとつだったということです
闇と光は一体であり、ソウルと呪いもまた然り
かつて王たらんとした者たちの前に、それは現れた
その強く、眩い力に惹かれて
<渇望の弓>
それらは強いソウルを持つ王たちに取り憑きました
つまり闇の子は「人の王」に火を見出だしたわけです
そして、闇より生まれた幾匹かが
火に惹かれ、王のソウルを見出だした
それは、かつての神たちが火のソウルを得たように
何処からか現れた深淵の落とし子たちは
この地で王たらんとする者に、影のように寄り添った
神の影となった人のように
ソウル人 進化論 : 光編に続く(予定)
コメントをお書きください