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ロンドールのキセキ

 

 

無印より続く白教の火継ぎ思想はロスリックが継承し

 

絵画の邪教はイルシールが深みへと深化させアノールロンドを飲み込んだ

 

ではロンドールはどうなっているかというと

 

「カアス…貴方の遺志を」

<ロンドールのユリア>

 

かつて人を闇の時代へ導こうとした「カアスの遺志」をしっかりと継承しています

 

 

 

 

ようは無印時代に存在した各信仰派閥は

時を超え形を変えて3の世界に受け継がれ

そしてやっぱり対立しているのです

という考察です

 

イルシールとロスリックの派閥は前の考察でやったので

今回はロンドール周りや闇の派閥なんかをメインにあれしていこうと思います

 

 

ロンドールの恐ろしさに震えるがいいさ

 

 

[火の派閥と闇の派閥]

 

この考察の前提条件として

まあベルカはいろいろやっているとして

 

・悪そうな女神はだいたいベルカと同一人物

・目元を隠してる女神はベルカ

・ベルカはグウィンの嫁

 

 

大事なのは火の派閥と闇の派閥があるよっていうことです

 

 

火の派閥はグウィンやフラムトなんかの人に火の時代を継がせようとする派閥です

 

 

闇の派閥はベルカやカアスを筆頭に人に亡者の時代をやらせようとした派閥です

 

読まれる場合はなんかそういうのがあると思って見てください

 

思わんと話にならないくらいのやつです

 

 

ロンドール 思想

 

「…火の時代とは、古い神から続く時代であり、火継ぎとはその継承です

だが、既に神は無く、火の力は、委譲されるべきでしょう

…あるべき人の姿、すなわち我ら亡者の王に」

<ユリア>

 

 

ロンドールは小ロンドの流れを組む国と思われます

 

無印から3までずっと「火の時代」が継がれているのが嫌なので

闇の王を誕生させて「闇の時代」を到来させることを目的としています

 

ロンドールはカアスリスペクトです

 

 

[ロンドール 場所]

 

ドレスの内に隠された黒い手甲

それは、ドレスを纏う彼女たちが

また手練れの剣士であることを示している

たった三人で、黒教会を築き上げるほどの

<黒の手甲>

 

ロンドールの黒教会、三人の指導者たちの装束

嘴の仮面は次女ユリアのもの

彼女たちは世界蛇の娘であり

黒教会の創始者としても知られている

すなわち亡者の救い手として

<嘴の仮面>

 

ロンドール国にある黒教会は世界蛇三姉妹によって作られました

 

・長女フリーデ

・次女ユリア

・三女リリアーネ

       

 

ロンドールがどこにあるのかは

ゲーム中に出てこないので不明です

      

黒教会の指導者の一人であるユリアは

卓越した剣士であり

この一振りで百の騎士を葬ったという 

<闇朧>

      

黒教会を築く際に彼女たちは実力行使に出ていることから、どっかの国を乗っ取って建国したのではないかと考えられます

 

つまり場所どうこうよりも彼女たちがカアスから受け継いだ思想こそがロンドールの母体といえるんじゃないでしょうか

      

 

そして黒教会ということは

その信仰は「黒教」であり、まんま「白教」の逆を行く信仰であると考えられます

           

それは亡者全ての救いであり

また生者全てを呪う書である

故にこれは禁忌である

<ロンドールの点字聖書>

 

すなわち「亡者」こそを人とする思想

「生者」こそを人とするグウィンたちの作った白教とは対極の思想なのです

 

     

人材派遣のカリム

 

ロンドールとカリムは繋がっていると思われます

           

古くは無印でベルカとカアスが繋がりを匂わせる痕跡が僅かにありますが

      

・小ロンド遺跡にカリム由来のグッズが幾つか転がっている

 

・エレーミアス絵画世界の母子像と同じ像が小ロンドにもある

 

 

3だと両国を直接関連付ける要素がいっぱいあります

           

「ロンドールの騎士」ヴィルヘルムの兜 

黒協会の創始者たる三姉妹 

特にその長女に使えた亡者の騎士は 

酷薄な葬送者として知られていた

<ヴィルヘルムの兜>

 

・「ロンドールの騎士」ヴィルヘルムがカリム騎士道を体現しているあと白教の回復の奇跡を使用する  

 


それは、ドレスを纏う彼女たちが

また手練れの剣士であることを示している

たった三人で、黒教会を築き上げるほどの

<黒の手甲>

 

魔力を帯びた刀身と、独特の剣技により

教戒師はまた卓越した剣士でもある

<ベルカの刺剣>

 

・ロンドール三姉妹はすごい剣士であり、その点が卓越した剣技を持つカリム教戒師と共通している

 

 

亡者の国ロンドールの秘宝であり

彼らが自らを偽るときに使用する

ときには、その偽りを自分と信じ

亡者を捨てる裏切り者もいるという

<解呪石>

 

半ば頭蓋が溶け込んだ灰色の石

カリム伯アルスターの秘宝の1つ

人は呪いに対し無力であり

それを逸らすことしかできない

解呪石もまた、呪いを逸らす先でしかなく

それは人、ないし人だった何かなのだろう

<解呪石>

 

・ユリアが販売する解呪石はもともとカリムのアルスターさんの秘宝である

 

 

ロンドール黒教会の奇跡 

自分も含め、周囲にいる者の魔法を封じる 

黒教会の者たちは、皆卓越した剣士であり 

ロンドールの沈黙はいつも彼らと共にある 

そして剣だけは、決して裏切らない

<沈黙の禁則>

 

・カリムの女神ベルカの奇跡の「沈黙の禁則」がロンドールの点字聖書に載っている

      

 

黒教会の尖塔を模した異形の剣

八つの枝刃と無数のトゲを持ち、出血を強いる

また黒教会の祝福は使用者の危機を喜ぶといい

HPが大きく減ると、攻撃力を一時的に高める

異形の姿に相応しい、呪われた剣であろう 

<モーリオンブレード>

 

・ユリアがくれる「モーリオンブレード」はクァトの赤い涙石と同じ効果を持つ

(なんかベルカっぽい毛が埋め込まれてる)

  

などなどでしょうか

 

 

カリムに伝わる「咬み指輪」のひとつ

冷気耐性を高める

それはもう、フリーデの指を飾ることはない

絵画とその冷たさが、彼女の故郷なのだから

<霜咬みの指輪>

      

ロンドール三姉妹とヴィルヘルムが各々カリム特性を有していることから

彼女たちもカリムの出自であると考えられます

 

ですので黒教会の源流も「ベルカ暗月」や「フィナ白教」に由来しているのだと思います

 

 

また

 

女神クァトの加護を受けた聖鈴

カリムでも一部の聖職者のみが持つもの

奇跡触媒としては珍しい理力補正を持ち

偶然にも闇に近い奇跡と相性がよい

大主教の名において、それは秘匿され

また固く許されていない

<クァトの鈴>

 

・ベルカとクァトの触媒は、共に理力補正で闇の奇跡と相性がよい

 

カリムの騎士は、生涯一人の聖女に仕えるという 

かつてモーンが、ある女神に仕えたように 

<モーンの兜より>

 

・カリム騎士道はモーンとクァトの関係性に由来し、彼女らはカリム白教の中でロイドに替わり信仰を得ている

      

・フィナの騎士ロートレクもクァトの赤い涙石を装備している

      

 

カリム三女神とその信者たちにもそれぞれ共通点が存在していることから

ベルカとクァトとフィナは同じ人だと思うのです

 

だとすればカリム信仰(白教と暗月)はすべて彼女が牛耳っていることになりますので

 

カリム信者だった者がロンドールを興してカアスの亡者信仰を継承する流れは

古くはベルカとカアスのズブズブの関係からきていると考えられるのです

 

      

絵画世界とロンドール

 

イルシール勢もベルカと深い繋りを持つ勢力ですが、彼らとロンドールの間に協力関係などは無いんじゃないかと思われます

 

それぞれ目的が「火継ぎ阻止」と「火の簒奪」と異なっているからです

      

サリヴァーン討伐に白い影が協力してくれる
サリヴァーン討伐に白い影が協力してくれる

 

      

ただ深みの源流と思われる絵画世界勢とは昔は馴染みであったのかもしれません

(エレーミアスにベルカの刺剣とか落ちてた)

 

「そのソウルは、私の姉のものです

灰となり、ロンドールを棄てた憐れな女…エルフリーデ…」

 

「…そして許されるなら、少しでもご記憶ください

我が姉が、最後に共にあった、火の陰にある者たちを」

 

 

あるいは

 

「…貴公、懐かしい香りをさせているな

甘い香りだ…。だが我らは、とうにそれを失った

…貴公が、どこでその香りを纏ったかは知らないが

注意することだな。甘さとは、ときに誇りを曇らせる…」

 

 

絵画世界由来の邪教や深みはベルカに傾倒していったのに対して

ロンドールはカアスに傾倒した組織と考えられます

 

ベルカは亡者や忌み者たちに優しいんだか優しくないんだかの絵画世界を居場所として作り提供し


カアスは「亡者なら気張らんかい」といった感じで闇の眷属(ダークレイス)を組織して、闇の時代のため侵略を画策したんじゃないでしょうか

 


そして両者の気質が

後に続く者たちをふたつに別けたのではないかと思います


サリヴァーンがグヴィンドリンに取り入り、オスロエスと繋がり、外征騎士を送り、法王を僭称し、エルドリッチに喰わせたように

イルシールが搦め手ばっかりを好むのはベルカの影響が強いからであり



そして剣だけは、決して裏切らない

<沈黙の禁則>


ロンドールがカチコミという直接的手段で国を取ったのは

ダークレイスの親であるカアスの影響が強いのではないでしょうか



 

[広義的白教]

 

ベルカの存在は名を変えながらあらゆる勢力に携わっており、彼女の影響を多かれ少なかれ受けた組織はそれぞれが独自に発展を遂げました

 

具体的には白教や暗月がそうです

 

 

暗月はだるいので説明がふわっとしますが

 

ベルカが「罪」担当で

グウィンドリンが「罰」担当です

 

グウィンドリン本人が大王の墓所を護っていたりグヴィネヴィアに矢を射ったら怒ったので、暗月は「白教の神々とその信者を守る為の信仰」と考えて良いと思います


つまり白教に依存するタイプの信仰です

 

 

「私はカリムのオズワルド。教戒師さ

我らの仲間だろう?歓迎するよ」

<白教誓約時のオズワルド>

 

白教も暗月も共に人を導く信仰ですので仲間です

 

 

表面上は火の時代の維持と秩序を保つための組織としてグウィンドリンが真面目にそれを実行していますが

裏ではベルカが悪いので

水面下でいい具合に二極化していると思われます

 


世界の罪人たちを確認する

罪の女神ベルカの管理する記録帳

罪人とは、神々や誓約を蔑ろにした者たちであり

いつか暗月の刃に倒れる運命にある

<罪人録>

 

暗月は「神蔑ろにすんなや精神」で人を律する信仰ですので

 

教戒師が罪を許したり

暗月の刃が罰を与えたりします

        

以上


 

深みの聖堂、その大主教の聖衣

白教の最高位の証

<大主教の聖衣>

 

そんなこんなで深みも白教です

 

そして黒教会もカリム由来であるとすれば

 

三大勢力の信仰 [ ]は由来
三大勢力の信仰 [ ]は由来

 

三大勢力も元は白教からの枝分かれ組織ということになります

 

少しふわっとしたらみんな白教なのです

 

時を超えてこんな対立の構図が成り立つのも

元を辿れば彼女ががんばって世界を引っ掻き回してくれたおかげではないでしょうか

 

 

そして逆に考えるなら

カリムには「犠牲、浮気、悪神」という裏腹女神が三人も居るのに国崩壊どころかケンカしてる痕跡すらないことが異常といえます



クァトがロイドに替わり地位を得たのなら

白教に付随する暗月のベルカや信徒が黙っていたわけもなく


クァトとモーンの関係はカリム白教騎士道の源流になっていますが

でもロイドが金貨になってた時代のロートレクとフィナの関係の方がどう見ても本当の源流だからです


本来であれば彼女たちに関わり合いが無いわけがないのです

しかし彼女たちの関係性を示唆するテキストは存在しません




そうです

物語にクソ女神が三人も出てくれば絶対争うべきなのです


ウルトラマンに変身したのに戦わずに帰っていくようなものであり

時代劇なのに誰も刀を抜かずに終わるくらいのおかしなことなのです



だからこその同一人物説であり

それがカリムが長らく平和にやってこられた理由であり


カリム人もその事をうっすら知っていたのではないかなと思うのです  

 

受け継がれる信仰と派閥

 

「かの王を継ぎ、再び火を熾こし、闇をはらい

不死の徴をはらうことじゃ」

<フラムト>

 

「四人目の王となり、闇の時代をもたらすのだ」

<カアス>

 

ということで

無印時代にあった「火の時代」と「闇の時代」の火継ぎ争い時はたぶんこんな感じで分かれていましたが

3だとこんな感じじゃないかと思います

      

何がなんだか分かりませんね

 

どっちにも取れるような人たちも多いし、書ききれないし、途中で諦めました


 

何にせよ「最初の火」を巡る争いに直接関わっているのは先に挙げた三大勢力と思われます


ロスリック → 火の時代を継ぐ

ロンドール → 闇の時代を始める

イルシール → 火継ぎの邪魔してなんかする


 

前回やったロスリックとイルシールは結構派手にやりあってくれていたのですが

 

ロンドール勢力はというと

直接両陣営と事を構えていることを示すような分かりやすいテキストなどはありませんし国内情勢もよく分かりません

 

 

闇に滅んだ古い小国の生き残り

ダークレイスの漆黒の直剣

彼らは最古の、赤い瞳の侵入者であり

肉厚で幅の広い刃は、独特の剣技を生んだ

<ダークソード>

 

ダークレイス」たちは元小ロンドの騎士ですが、彼らがロンドールに属しているかというとそれも微妙です

      

       

こいつらは主人公が闇の王候補になったとしてもめっちゃ襲ってくるからです

思えば無印の頃からそういう奴らでした

 

たぶん自分の事しか考えてないのか

王候補ごときに傅く気はないのでしょう

 

ということでゲーム中で真面目に活動しているロンドール勢は彼らくらいのもんです

 

 

地味だったり纏まりがなかったりと

三大勢力として捉えるにはロンドールはすこし欠ける感がありますが

しかし彼らにはカアスから受け継いだ流儀があるのです

 

      

火の時代が継がれた理由

 

ダークソウルというゲームは

火継ぎの王になるためにも

闇の王になるためにも

基本的には同じ試練をこなします

 

立ち塞がる敵を倒し、ソウルを蓄えながら強くなり、王と成るための資格を得る

 

その試練はしんどいものであり、不死人であれば誰でも王の資格を得られるというものではありません


殆どは路上のミミズのように干からびてアイテム係になります

 

選ばれた極一部の不死人だけが試練を乗り越え最終的に王となります

 

それを成し遂げるひとりが「主人公」です

 

そして主人公とはある意味で特別な存在なのだと考えられます

 

 

クールラントが錬成した秘宝のひとつ

「魂喰らい」のソウルに由来するもの

敵から狙われやすくなる

「魂喰らい」は無限のソウルを吸収し

己の力とする化け物であったという

その呪われた死骸が燃え尽きようと

ソウルの臭いの消えることはなかったと

<頭蓋の指輪>

 

いくらでもソウルを吸収し己の力に出来る者は、不死が横行するこの世界においても「化け物」とされています

 

魂喰らいが何者かは分かりませんが、歴代の主人公もそいつと同等の能力を有していることになるのです

 

 

ストレイドはあらゆる魔術・呪術に精通した

異能の魔術師だったが、その奇特な行動ゆえか

ひとつところに留まることはなかった

<漂う火球>

 

例えばNPCたちを見ても魔術と呪術などの異なる魔法を使いこなす者は稀ですが

主人公はあらゆる魔法を使いこなすことができます

 

 

「…お前は、すごい男だな

あれだけの魔術を、すべて学んじまった

 

ここが竜の学院なら、お前は…」

<ヴィンハイムのオーベック>

 

そしてローガンが裸の探求の末に会得したような業までをも主人公はソウルの力で容易く得てしまいます

 

これらのことからやはり主人公のポテンシャルはずば抜けているのだと考えられます

 

 

・王に成れる人材は相当に希少

・主人公は王に成れる逸材

 

まあ物語の主人公であるのですから何らかの特異性を有しているのはむしろ当たり前なのかもしれません

 

 

[選   託]

 

無印にしても3にしても火と闇どちらの王に成るのかは主人公の意思に託されています

 

「…ああ、貴公、迷っているのだろう?

だが、道に迷う者は、道を行く者に他ならぬ

それは貴公が、英雄であるという証だ」

<カルラ>

 

これもファンタジーな主人公の特権ですね

 

 

「今や、火はまさに消えかけ

人の世には届かず、夜ばかりが続き

人の中に、呪われたダークリングが現れはじめていた…」

 <プロローグ>

 

しかしどっちの王とか以前に

この世界は王が「はじまりの火」を継がないことには人の世界の存続自体が危ぶまれてしまいます

 

バルデルは騎士王レンドルの故国であるが

あるとき多くの不死を生み、そのまま滅び去った

<バルデルの鎧>

 

ゲーム中には出てきませんが

テキストなどから世界には多くの国があり、多くの人々がそれぞれの信仰を持って生活していると考えられます

 

人々は早く火が継がれることを心待ちにしているはずです

 

 

では自らが薪の王となれるほどの器量を持たないこの世界を生きる大多数の人々

王の器である主人公をどのように扱うべきでしょうか?

 

 

普通に考えるなら

主人公に自分たちと思想を共有してもらい

その上で世界の火を継いでもらうのが理想的でしょうか

 

そのためには主人公を自分たちの信仰や派閥へ勧誘するべきだとおもいます

 

 

「灰の方、火をお継ぎください

薪の王たち、灰の方々、すべての火継ぎに囚われた者たちのために

はじまりの火をお継ぎください」

<祭祀場の火防女>

      

「…貴公、既に王なのだろう?

暗い穴を穿たれた、我ら亡者の王だ

貴公がそれである限り、我らロンドール、貴公に従い尽くすだろう

勿論、私も貴公のものだ…」

<ユリア>

 

もちろん火と闇それぞれの派閥の人たちはそれを行っているのです

 

つまり何を言いたいのかというと

 

ダークソウルというゲームが

「主人公が世界の行く末を選ぶ物語」であるということは

 

 

「…そして、たとえ貴公が何を選ぶとも… 私が貴公に感謝し、抱く思いに、何の変わりもありはしないよ」

 

 

逆にこの世界のNPCたちからしてみれば

「主人公に自分達の未来を託す物語」 でもあるということです

 

今回はそういうNPC側の視点で

無印の火の派閥と闇の派閥それぞれの勧誘を見てみませう

 

 

無印の場合

 

無印火の派閥のやり方を見てみましょう

           

「…恥ずかしい話だが、願いは、私の使命だ…

…それを、見ず知らずの君に、託したい…

…私の家に、伝わっている…

…不死とは、使命の印である……その印、あらわれし者は

…不死院から…古い王たちの地にいたり…

…目覚ましの鐘を鳴らし、不死の使命を知れ…」

<不死院の上級騎士>

 

まず主人公は不死院の上級騎士や心折れた戦士などから「目覚ましの鐘を鳴らす」という使命を聞かされます

 

これは白教信仰が世界的に浸透しており

「不死となった者は北(ロードラン)へ向かい、鐘を鳴らすべし」ということが言い伝えや使命として「外の世界」に広く伝わっているためだと考えられます

 


「まあ、俺は人嫌いだから、ちょうどよかったさ

不死になっても、何も変わらなかったしな」

<ラレンティウス>


現に無印NPCの多くは出身地や素性に由らず不死を理由にロードランへ到っていますので、世界中でそんな感じになっているはずです

 

 

使命として伝わってない人も居るかと思われますが、不死になった人は「決別の黒水晶」を貰って故郷を追われたり

ロイドの騎士に狩られて「北の不死院」にぶちこまれたりします

無印主人公はこちら側ですね

 

 

そして主人公が「そんなもんかな」と二つの鐘を鳴らすと

 

「あんた、ふたつめの鐘も鳴らしたろう?

いや、それは凄いし、正直驚いたが…変なヤツがでてきたんだ」

<心折れた戦士>

      

火継ぎの祭祀場からフラムトが現れ

主人公へ新たな火継ぎの使命を伝えます

 

「不死人の勇者よ。お主の使命は…大王グウィンを継ぐことじゃ

かの王を継ぎ、再び火を熾し、闇を払い

不死の徴を払うことじゃ

そのためには、まず王都アノール・ロンドで

王の器を手に入れねばならぬ」

      

 

指示された通りアノールロンドに辿り着くと

暗月の火防女が出迎えてくれます


「棄てられた都とて、勇者に導きくらいは必要だろう?

貴公には分からないかも知れないが…

背中を送るのも悪くないのさ」

<暗月の火防女>



試練を越えると、今度はグウィネヴィアに誘惑されます

「お願いです

大王グウィンの後継として、世界の火を継いでください

それは、英雄である貴方にさえ、辛く、厳しい試練となるでしょう

ですが、私たちはもう、火の明るさを知り、熱を知り

生命の営みを知っています

もう、世界の火を失えば

残るのは、冷たい闇と、恐ればかりなのです」

<グヴィネヴィアの幻影>

 

 

その後、小ロンドの封印を解くためにイングウァードに会って鍵を貰います

彼もしっかりフラムト派閥です

 

「…お前さん、封印を解いたか…

いや、後悔はしちょらんよ

わしはフラムトと、お前さんを信じとる

だが、深淵に入れぬことにはどうしようもないのじゃぞ」

<封印解除後のイングウァード>

 

そして主人公に鍵を渡す際には

もちろん四人の公王とダークレイスのネガキャンを吹き込んでいます

 

「心するのじゃぞ

ダークレイスは、人と、ソウルで生きる全ての敵じゃ

もう二度と、この世に放ってはならんのじゃと…」

 

 

そして祭祀場の火防女を助けていた場合

最後に

 

「…フラムトさんから、聞きました

…あなたが、火を継いでくださるのですね

…ありがとう、ございます

…これで、不死の呪いも消え、私も、人として死んでいけます

…私では、なにもできませんが

…すべてを、あなたのために捧げましょう

…どうか、皆を、救ってください…

…お願いします」

<アストラのアナスタシア>

 

彼女からのお礼と

そして願いを託されるのです

 

喋るべきではないと感じながら

それでも伝えたかったのでしょうか

いぢらしい

まったく



…どうでしょうか?

火の派閥は華麗なるバトンリレーによって主人公が火の時代を継ぐように誘導しているのです

     

 主人公だってこれだけ言われたら「よっしゃ火継いだろ」となったのではないでしょうか

 

主人公が確実に立ち寄るであろう要所要所に的確な人材を配置しているところが素晴らしいなと思います

 


           

では次は闇の派閥がどうだったのかを見てみましょう

 

 

[闇の派閥の勧誘]

 

「王グウィンは、闇を恐れた

火の終わりを恐れ、闇の者たる人を恐れ

人の間から生まれるであろう、闇の王を恐れ

世界の理を恐れた

だから奴は、火を継ぎ、自らの息子たちに、人を率い、縛らせた

貴公ら人が、すべて忘れ、呆け、闇の王が生まれぬように」

<闇撫でのカアス>

 

      

無印で闇側の人物で主人公の勧誘を行っていたのはカアスだけでした

 

ベルカは無印本編に出てきません

 

ベルカとイザリスの魔女も同じ人で混沌に飲まれちゃったのだと私は思っています

 

本来はベルカが表立って闇の派閥の信者を獲得したほうが人気でたと思われますが

それが叶わないのでカアス一人でやるしかなかったのです

      

 

「母の野心が不遜なものであったとて、1000年だ

もう償いは済んでいるだろう…」

<クラーナ>

 

グウィン王が火継ぎに旅立ったとき

彼の騎士たちは二つに別れた

<銀騎士の兜>

      

イザリスが混沌に飲まれたのとグウィンが火継ぎに旅立ったのが同時期なので無印の1000年以上前です

 


「あれは何百年も前、ウーラシールでのことです」

<ウーラシールの宵闇>

 

そして宵闇がウーラシールが深淵に落ちたのが数百年前だと言っていますので

以下のカアスの暗躍はグウィンとイザリス無き後の活動になります

 

      

[無印の数百年前]

 

「四人の小王も、昔はただの…弱い人じゃった

だが、あるとき、闇の蛇が彼らの隙につけこみ

生命喰いの力を与え

彼らを、悪にしてしまったのじゃ」

<封印者イングウァード>

 

小ロンドの四人の公王に仕えた騎士たちの剣

四人の公王が闇に堕ちて後

騎士たちは闇の眷属ダークレイスとなり

その剣もまたダークソードと呼ばれている

<ダークソード>

 

まずカアスは四人の公王を拐かしたりして小ロンドがダークレイスの根城となるようにがんばりました

 

 

「深淵歩き」の騎士アルトリウスの墓守

灰色の大狼シフのソウルから生まれた大剣

アルトリウスはダークレイスの狩人であり

その剣もまた闇の眷属に大きな威力を発揮する

<アルトリウスの大剣>

          

そんなダークレイスたちを狩るのがアルトリウスです

彼は闇の派閥にとってすごい邪魔なやつなのでカアスは一計を講じました

 

 

深淵など、まさにウーラシールの自業自得

出っ歯の大蛇に謀られ、墓を掘り、古人の躯を辱めるなど

まさに恥知らず、愚者ではないか

<素晴らしきチェスター>

                           

ウーラシール民にマヌスを甦らせるように仕向けたのです

 

そうしてウーラシールはマヌスの深淵に飲み込まれました


古い人の化物を倒せる可能性のある人物として、闇の眷属狩りのエキスパートであるアルトリウスが派遣されることは必然の流れと思われるので

カアスはこれを見越していたと考えられます


その目論みは達成され

カアスはアルトリウスを倒し

小ロンドを手中に収めることに成功したのですやったぜ

 

 

そして、その結果彼らがどうなってしまったのかというと

 

四人の公王とダークレイスを封じるため

封印者たちは、民人諸共、街を水底に沈めた

かくて小ロンドの豊かな文化は失われ

民草は死して呪われた亡霊となった

<封印の鍵>


火の派閥の人たちの手でまとめて封印されてしまいました 

 

そうです

イザリスの魔女が混沌にのまれ

小ロンドが封印される

ゲームが始まるずっと前に

闇の派閥は敗北していたようなものなのです

 

 

[拠点制圧]

 

ダークソウルというゲームには主人公たちが集う拠点が存在します

無印の場合は「火継ぎの祭祀場」がそれです

 

フラムトがそこに陣取っているということは

火の派閥は王候補と必ず巡り会い、接触する機会を得ているということになります

 

逆に闇の派閥はその機会を火の派閥に大幅に奪われていることになるのです

 

 

火の時代を継ぐか、闇の時代を始めるかは主人公が決めることとはいえ

それを託す者たちの「この差」はあまりにも大きいのではないでしょうか

 

 

たとえば主人公がよほど無理をしない限り

フラムトより先にカアスと出会うことはありません

          

<フラムトより先にカアスに会う方法>

※目覚ましの鐘を2つ鳴らす前に→アンドレイから高い紋章を買うor殺害して奪う→シフを倒す→小ロンド攻略&イングウァード殺害→四人の公王撃破→カアス登場

 

攻略難度が非常に高く、ましてカアスの存在を知らなければノーヒントでこのルートを辿る者は殆ど居ないのではないでしょうか

 

つまりカアスがフラムトに先んじることはほぼほぼないのです

          

寝てても余裕やねん
寝てても余裕やねん

 

「それでは、その器のあるべき場所に、お主を案内しよう」

 

そしてフラムトに言われるままにアノールロンドから持ち帰った王の器を祭壇に据えてしまえばカアスはどっか行っちゃうので、主人公と出会うことすらないのです

  

 

[蛇の求心力]

 

封印とかされてる時点で闇の派閥は戦略的にボロ負けしているのですが

カアス自身にも良くないところがあったのではないかと自分は思います

 

 

1. 堪え性が無い

          

カアスが幸運にも主人公に出会えたとしても

彼は一回Noと断られただけで帰ってしまいます

 

「もうよい…さらばだ…

我はふたたび深淵に潜り、人の王を待つとしよう」

 

闇の王の探索者を名乗る者が1回断られただけで引っ込んじゃうのはちょっとどうかなと思います

 

もしかしたら傷つきやすい性格なのかもしれませんが、主人公を闇の派閥に引き込む大事な場面ですので、どう考えてももっと粘るべきでした

 

 

「なんと…おどろきじゃ

だが、まあ、そうかもしれん

使命の不死は1人

お主が違うというだけのことじゃ…好きにするといい

だが、折角、目覚ましの鐘を鳴らしたのじゃ

わしはしばらくここにいる。心変わりしたら、声をかけるがよい」

      

ちなみにフラムトは何度断られても、主人公が話を聞く気になるまで待ってくれます

 

 

2. 秘密主義者

 

カアスは最後まで闇の時代について具体的なことはなにも教えてくれません

 

「不死の勇者よ

今はもう、話すべきではない

すべては、貴公が王の器を持ち帰った、その後だ…」

<カアス>

 

せっかく主人公が闇の王を志してくれるのに

腹を割らずに秘密主義を貫くのはどうかなと思います

 

 

「お願いです

大王グウィンの後継として、世界の火を継いでください

そうすれば、人の世の夜も終わり

不死の現れもなくなるでしょう」

 

フラムトやネヴィアは火を継ぐとどうなるかを一応きちんと説明してくれています

          

 

 3. 上から目線

 

「我は貴公の後見

なんなりと、望みのたけを申すがよい」

 

「みごとだ

我、世界の蛇の導きに、よくぞ応えた」

 

カアスはプライドが高いのか常に偉そうに話してきます

ちょっとイラッとします

 

 

「おお!お主、でかしたな!まさか、王の器を持ち帰るとは!

1000年を越え、ずっと探し求めていた者が、やっと現れたか!

ウオオオオーーーーーン!」

 

フラムトはフランクな感じですごい喜んでくれます

 

 

4. 愚痴を言う

 

「奴らは、だめだった

真実の価値を知らず、ただ力に慢心した

…貴公には、期待しておるぞ」

<闇撫でのカアス>

      

彼は闇の王に求める理想も高いようで

自分の思い通りにならなかった者たち(四人の公王)の悪口を言ったりします

 

正直、責任を擦り付けているようにも感じてしまいます

 

カアスの性格から言って

ちゃんと公王たちとコミュニケーションが取れていたのかは怪しいものです

 

 

「お主に出会って、楽しかった

やはりわしは、人が好きじゃ

成就を、願っておるぞ…

火の時代を終わらせてならぬ…」

<フラムト>

 

フラムトは最後までフレンドリーです

 

 

そんなこんなで火の派閥と闇の派閥を比べれば、どちらの誘致が優れていたのかは一目瞭然ではないでしょうか

          

例えば二匹の蛇があなたの職場の上司だったとしたらどちらについていきたいと思うでしょうか?

                   

どちらかといえばの話です

 

 

「火の時代とは、古い神から続く時代であり、火継ぎとはその継承です」

 

ということで、ダークソウルシリーズで火の時代が継がれた理由の半分くらいは

主人公の思想云々以前に

マジで派閥のプレゼン能力の差や蛇の性格の差だったのではないかということです

 

アホみたいな話ですが

でもこの伝統は確かに未来へと受け継がれているのです

 

 

3の場合


ダークソウル3にも両派閥による主人公誘致争いは存在しています

 

まず3主人公はゲーム開始早々に火継ぎの祭祀場に立ち寄ることになりますが…

      

 

「篝火にようこそ、火の無き灰の方

私は火防女

篝火を保ち、貴方に仕える者です

玉座を捨てた王たちを探し、取り戻す

そのために、私をお使いください」

 

 

「ああ、君が火の無き灰、王の探索者だね

私は、クールラントのルドレス

信じられないかもしれないが…かつて火を継いだ、薪の王さ」

    

 

「婆めは、この祭祀場の侍女

武器や防具、道具や魔法の類…

貴方様の使命、そのために必要な諸々を、用立てますのじゃ」

 

 

「よう、新顔だな

俺は、この祭祀場の従僕、アンドレイ

見ての通り、武器を打つ鍛冶屋さ」

 

      

無印でフラムトやアナスタシアが祭祀場に陣取って居たように

3の火継ぎの祭祀場に居るのも火の派閥の人たちなのです

 

以降、ホークウッドのことを忘れて話が展開されます
以降、ホークウッドのことを忘れて話が展開されます

 

 

侍女の婆ちゃんは

無縁墓地の祭祀場で会うと祭儀長の指輪を売ってますので、ロスリック火継ぎ推進派の「祭儀長派閥」に関わる人物と推察できます

           

アンドレイは無印で白教武器作成が得意だった鍛冶屋であり、小ロンドの封印にも一役買っていたことから白教の鍛冶職人です

 

ルドレスは玉座に残った火の時代の再燃を望む小人

 

そして主人公が火を継ぐことを望む火防女

 

 

「だから、忘れないでくれよ

あんたは、火と人々のために戦っている。

…俺だって同じだ」

 

 

墓から蘇ったばかりで右も左も分からない寝起き主人公は

火の派閥の人たちから「使命」とやら吹き込まれることになります

 

 

「玉座を捨てた王たちを探し、取り戻す

そのために、私をお使いください」

 

「あんた、薪の王を探すんだろう?」

 

「貴方様の使命、そのために必要な諸々を、用立てますじゃ

蝋石をお求めになりなされ

献身は残り火の道」

 

「5つの玉座に5人の王を。それは火継ぎの準備なのだよ」

 

そして言われるままにロスリックへと赴き

 

「おお、お待ちしていました。火の無い灰よ

私はエンマ。」

<祭儀長エンマ>

 

祭儀長からも使命を言い渡されます

 

「どうしたのです、火の無い灰よ

貴方は王の探索者。高壁の下に、薪の王たちを追うのです

古くから決まった、それが貴方の使命でしょう?」

 

 

結果、使命云々と言われ続けた主人公は

「まあそういうもんなんかな?」と思いながら王探しへ旅立つことになっちゃうのです

そうだったでしょう? 

 

トホホ~
トホホ~

      

無印主人公と同じように3主人公も白教お得意のパターンにまんまとはめられちゃっているのです

 

長き時を経ても火の派閥のチームプレーは伝統芸として受け継がれていたのです

 

 

[闇の派閥]

 

では3の闇の派閥はどうでしょうか?

 

なんといってもカアスの遺志を継いでいますので伝統を重んじる気持ちは火の派閥より強いかもしれません

 

 

闇の王が誕生するまでの一連の流れを見てみましょう

 

1. 主人公はヨエルに話しかけ、彼を従者とする

 

2. ヨエルに薦められて暗い穴を空けてもらう

 

3. ヨエルの紹介でユリアが来て、闇の王になってよと頼まれる

 

4. ロンドールの巡礼婆ちゃんがアンリを伴侶に仕立ててくれる

 

5. アンリと契ることで主人公は真の闇の王の資格を得る

 

6. 最初の火の炉で王たちの化身を倒し、始まりの火を簒奪して主人公は闇の王となる

 

 

もう乗っけからすごいですね

勧誘していません

 

主人公が闇の王となる切っ掛けはヨエルと偶然出会うところから始まっています

しかも主人公からヨエルに話しかけなといけないのです

 

 

「私はロンドールのヨエル、見ての通りの巡礼者ですが

どうやら一人、死に損なってしまいましてな

…しかし、これも運命かもしれません

灰の方、私を従者とする気はありませんかな?」

<ロンドールのヨエル>

 

運命だそうです

 

 

「…やあ。貴公、ヨエル殿の主だな

私はロンドールのユリア。ヨエル殿の友人だ

…貴公は、彼の魂を救ってくれた

ありがとう。友人として、礼を言わせてくれ」

<ユリア>

 

ある女に仕え、そしてはぐれた亡者の遺灰

祭祀場の侍女が、新たな品を用立てるだろう 

その品を見れば分かるだろう

亡者の国、ロンドールの不吉さが

<亡者の遺灰>

 

セリフやテキストなどからヨエルたち巡礼者はユリアに従っていたのだと思われます

 

それは彼に見込まれたことを契機にユリアがやってくることからも明らかです

 

 

「…貴公、既に王なのだろう?

暗い穴を穿たれた、我ら亡者の王だ

貴公がそれである限り、我らロンドール、貴公に従い尽くすだろう

勿論、私も貴公のものだ…」

 

そしてロンドールが闇の王を求めていることは疑いのない事実です

 

でも王のことは積極的に探していません

 

???

 

ヨエルに話し掛けなければユリアもやってこずに主人公は火の派閥に言われるままに王狩りを続けていくことになります

 

また、主人公がヨエルを従者にしても

ファランくんだり迄に暗い穴を5つ開けてもらわなければヨエルは死んでしまいます

 

たとえ闇の王を目指していたとしても

そんなもん知らなければ道は早々に閉ざされてしまうのです

 

そして白い影はしょっちゅう邪魔しに来る
そして白い影はしょっちゅう邪魔しに来る

 

 

「貴公、我らの王よ

アンリという娘を知っているか?

あの者は亡者、そして、貴公の伴侶となる者だ」

 

もう1点頭おかしいのが

伴侶を現地調達していることです

 

 

「…おお、貴方様は…!

ですがまだ、もう少しだけお待ちください

闇の雫が垂れ落ちる、ほんの少しの間です

我らの王よ…」

<巡礼婆ちゃん>

      

 

ゲーム中では「アンリ」がこれに該当しましたが、もし伴侶に適した人物がロスリックに来ていなかったらロンドールはどうするつもりだったのでしょうか?

 

「すばらしい。これで貴公は、真に我ら亡者の王伴侶を得、火の簒奪者となる力を得たのです」

 

儀式の由来は分かりかねますが

アンリが居なければ主人公は火の簒奪者になれなかったはずです

実際に伴侶になる前にアンリが死んじゃうルートもあります

      

 

傍目には、王探しも、伴侶探しもやり方が適当過ぎであり

火の派閥に比べてロンドールのやり方はあまりにも運任せに思えてしまいます

 

 


こうなってしまったのには多分二つの理由があるのですが…

 

大元の原因を辿るなら

ロンドールはカアスの思想だけでなく

どうしようもないところも受け継いじゃっているのです

 


ふたりの火防女

      

イリーナの話をします

 

「私の名は、カリムのイリーナ

火防女となるため、この地に参りました

そして私に触れ、暗闇から救って下さった貴方は、きっと英雄様なのでしょう?

私は弱く、だからきっと、火防女にはなれませんでした

それでも英雄様、私を、貴方に仕えさせてはもらえませんか?」

      

彼女は火防女となる使命を与えられ

それに失敗した人物です

 

 

しかし主人公はイリーナと出会うより先に祭祀場の火防女と出会っていますので、別に彼女が火防女でなくともゲーム進行上特に問題はありません

      


「ああ、英雄様ですね…

どうぞ、ソウルを貴方の力としてください…」

           

イリーナは、ある条件を満たすことで終盤に火防女能力を開花させますが、でもやっぱり祭祀場ちゃんが居るので彼女の火防女能力は不要なのです

      

なのでゲームをプレイした人なら

イリーナって何なん?と思ったのではないでしょうか

 

 

しかし、上記の派閥争いに当てはめることで彼女の存在理由がなんとなく見えてきます

 

ひとつはイリーナがカリムの出自であるという点です

 

カリムとロンドールが繋がっているのなら

彼女は闇の派閥側が用意した火防女だった可能性があります

 

もちろん陰謀論なのでそういう風に考えていきます

 

 

逆に祭祀場ちゃんはロスリック製の火防女であると考えられます

 

理由はクリエムヒルトが同じ装束を着ているからです

 

祭祀場の火守女の纏うローブ

彼女たちは光を奪われ、魂を受け継ぐ

そして蝕み蠢く暗闇を愛したものだけが

火守女たる黒い装束を与えられるのだ

<火防女のローブ>

 

 

両者の関わりは不明ですが

ロスリック派閥に属する者と同じ格好をしているからには、装束もロスリックが用意した可能性が高いのではないでしょうか

(ぶっちゃけクリエムヒルトもカリム出身者の可能性が高いけれども)

 

祭祀場の裏手にある、半ば壊れた塔の鍵

その先は鐘の塔につながっている

鐘の塔は古い火防女たちの墓所であり

全ての役目を終えた火防女は

終に安息の暗闇を得るという

<塔の鍵>


顎がしゅっとしている
顎がしゅっとしている

 

そして祭祀場の塔には、祭祀場ちゃんに似た

同じ服で同じ髪色で同じ骨格の火防女の遺体が大量遺棄されていることから

ロスリックは安定して火防女を得る技術を持っていることがわかります

 

わざわざカリムから未完成の火防女を送ってもらう理由もないはずです

      

 

そんな感じで彼女たちがロスリックとロンドールを代表する火防女なのだとすれば

それが何を示しているかというと

 

「これはこれは、珍しいこともあるものじゃ

鐘も鳴らぬに、迷い人とはの

…だが、どうやら貴方様は、婆めが役目を知っていなさる」

<無縁墓地の侍女>

 

 

今、甦る不死
今、甦る不死

      

つまり

主人公が目覚める鐘が鳴る前

両派閥による祭祀場を巡る争いが存在したのではないでしょうか?

 

 

[たった一つの冴えたやり方]

      

「…ほう、お前、あの女が気になるのか?

だが、やめておきな。あの女は、火防女にすらなれなかった、役立たずさ」

 

「火防女にすら」ということは

イリーナには火防女となった後に祭祀場を獲るという目的があったのです

      

そうなんですたぶん

 

 

少なくともイリーナは始めから「塔の鍵」を所持しているので、祭祀場を目的地としていたことが伺えます

 

 

「…ほう、貴方様は…

…ああ、なんでもありませんですじゃ、灰のお方

婆めはこの祭祀場の侍女」

      

ゲーム開始から祭祀場の侍女に一度も話しかけずに無縁墓地の侍女に話しかけた後

祭祀場の侍女に話しかけることで上記の台詞が聴けます

 

つまり二人の侍女は同一人物であり

 

無縁墓地の祭祀場は灰の墓所の祭祀場より前の時間軸に存在しています

 

無縁墓地の侍女のほうが声が若い
無縁墓地の侍女のほうが声が若い

 

「今は暗く、誰もなくとも、火は静かに消えるもの

…それとも、貴方様、もはや手遅れですかのう?

丁度あの娘のように」

<無縁墓地の侍女>

 

主人公が灰として甦る前

今回の火継ぎが始まる前に

祭祀場には準備期間が存在していることから

 

イリーナはこのタイミングを狙って送り込まれたのではないかと考えます

 

 

 

無印がそうであったように

王候補たちが集い拠点となる火継ぎの祭祀場を獲ることは

その後の時代を獲ることに直結しうるのです

     

なれば闇の派閥はかつてフラムトやアナスタシアに祭祀場を乗っ取られたことを教訓とし、今度は逆に同じことを実践しようとしていたのです

 

 

[篝火の化身]

 

祭祀場に最初からいるNPCたちには火の派閥であること以外にもう1つの共通点があります

 

「…すみません

私は、死ぬことはできないのです」

 

「…ああ、君か。すまんな、寝てしまっていたようだ

だが、心配は無用だ。ここを去ったりはしないよ」

 

「…あんた、勘違いするなよ

従僕とて、俺はあんたの奴隷じゃねえんだ」

 

貴方様は、酷いお人じゃ

けれど、残念でしたな。婆めはこの通り、不死

…ずっと、火継ぎの呪いに囚われていますからの」

 

祭祀場初期メンバーは皆、何回殺しても甦るのです

 

 

「ああ君、火防女を、あまり蔑にしないようにな

あれもまた、君と同じ。火継ぎのため囚われたのだから」

 

アンドレが自らを「祭祀場の従僕」と名乗ることから察するに

祭祀場には彼らの存在を拘束し甦らせる力が働いていることが分かります

どんな力かというともちろん篝火の力です

 

何度死んでも同じ場所で甦るのですから

そんなもんは篝火の仕業です

 

 

「私は火防女

篝火を保ち、あなたに仕える者です」

 

そして火防女とは篝火の化身であり守り人だったりするので

おそらく祭祀場を支配しているのは祭祀場ちゃんということになります

    

 

つまり祭祀場を獲るためには派手なチャンバラなどしなくとも、椅子取りゲームをしてどちらかの火防女が先に座ってしまえば

後は派閥メンバーを不死として定着させることで、もう一方の派閥は手出し出来なくなってしまうのです

 

 

 

では、もしイリーナが祭祀場の火防女だったらを想像してみましょう

 

もちろん主人公を迎え入れたのは闇の派閥のひとたちだったでしょう

 

鍛冶屋は闇武器しか作ってくれなかったり

 

侍女は白ではなく赤いサイン蝋石を売っていたことでしょう

 

リリアーネが闇の奇跡を教えに来てくれたりしたのかもしれません

 

そして何より闇の王END以外の選択肢は存在しなかったかもしれません

 

 

イリーナは弱い女であった

その弱さが彼女をカリム聖女たらしめ

そして全てを裏切ったのだ

<イリーナの遺灰>

 

 

なので我々の見知ったダークソウル3が在ること自体が

ロンドールの期待を裏切ってくれたイリーナのおかげなのです

たぶん

 

ありがとうイリーナ

 

 

そして本編中のロンドール勢が王探しを放棄していたり、どっか投げやりなのは

裏でこういった事情があったからなのではないでしょうか

      

 

伝統に則り

闇の派閥はゲームが始まる前に敗北していたのです

 

 

[そもそもイリーナのせいじゃない]

      

「私は弱く、だからきっと、火防女にはなれませんでした」

<イリーナ>

 

彼女は自身に火防女の適正がなかったと思い込んでいますが実際はそんなことありません

 

 

「ああ、点字聖書をお持ち頂けたのですね

これで、貴方に新しい物語をお聞かせできます

偉大な奇跡の物語は、少し長いかもしれませんが…

楽しみですね

フフフフッ」

<カリムの点字聖書を渡す>

 

カリム聖書とロスリック聖書をすべて語らせることで彼女は火防女となるからです

           

      

この二つの聖書の内容は、白教の光の奇跡の物語になっています

その物語を知ることで彼女は自身の中の闇を克服したのだと考えられます

 

火の時代を作った神々の物語は彼女に希望と闇に向き合う覚悟を与えたのではないでしょうか

 

 

「ああ、ああ、英雄様。お待ちしておりました

お願いです、私に触れてください

あの虫たちが、また私を苛むのです」

 

逆に闇の聖書を語らせることで彼女は壊れていってしまいます

 

 

「…灰の方、瞳をありがとうございました

けれど火防女は瞳を持たぬもの。これは、禁忌です

私に微かな光を与え、恐ろしい裏切りを見せるのです

火の消えた世界を」

 

そしてイリーナだけでなく、祭祀場ちゃんも「最初の火防女の瞳」を渡すことで未来に絶望し、火継ぎの終焉を望むようになってしまうのです

 

 

[篝火の化身]

      

火防女たちは火と闇どちらの派閥に属しているのでしょうか?

 

 

アノール・ロンドの火防女、暗月の女騎士の兜

不死となった彼女は

螺旋底の霊廟で陰の太陽グウィンドリンに見え

暗月の剣となり、また火防の任を受け入れた

<真鍮の兜より>

 

たとえばアナスタシアは白教の聖女であり

暗月ちゃんはグウィンドリンの配下ですので

彼女たちも火の派閥に属していると考えられます

 

一房の白い髪のタリスマン

その髪の主は異形の娘であり

呪術の祖、混沌の魔女たちの一員であったという

 

蜘蛛姫が火の派閥であるのかはよく分かりませんが

ただしかし、彼女の姉クラーグは不死の巡礼の一部に組み込まれていたと思われます

 

 

 

クラーグを倒した先にある鐘ですが、建物に対してレバーは明らかに後からリフォームされています


クラーグは火継ぎの試練と知りながら目覚ましの鐘の前に立ちはだかっていたのではないかと思われます


 

「よし、いってこい

馬鹿弟子が、亡者になんかなるんじゃないぞ」

<クラーナ>

 

また、混沌があれした後に魔女たちは人に呪術や火の畏れを伝えていることや

 

師匠も亡者になるなと言ってくれるので

魔女の娘たちは火の時代を肯定していると考えて良いのではないのでしょうか

 

 

しかし、火防女とは

 

盲目であること

闇を受け入れること

篝火は魔女たちの混沌と関わりが深いこと

最初の火防女がベルカである気配がしてきたことなどから

 

闇に造詣が深いことも事実だと思われます

 

一体彼女たちは何者で何を求めているのかを考えると、結局は火ではないかなと思います

 

彼女たちはやさしいからです

 

 

火防女の魂は人間性の憑依であり

それは彼女たちの体においても変わらない

あらゆる皮膚の下に無数の人間性が蠢き

その姿は、大抵おぞましいものとなる

<火防女の魂>

 

火防女とは半端ない自己犠牲の上に成り立っています

 

「わしらは皆、不死だって、病にまで侵された厄介者さ

大沼の大クソみたいなもんだ

だが、だがなあ、姫様は

そんなわしらのために、泣いてくれた…

そして、クラーグ様の言うことも聞かず

病の膿を飲み込んだんだ…」

<呪術師エンジー>

 

蜘蛛姫も不遇な人々に寄り添い

そして自らを犠牲としました

 

この自らを捧げる精神性が火防女の本質ではないかと思います

 

 

「昔は”火防女”と呼ばれる女達が 篝火のそばにいたそうです

火防女たちは火を熾し、 その火を消そうとする者が現れれば、身を呈して守ったとか…

今はどこに行ってしまったのでしょうか…」

<心折れた戦士>

 

 

火防女は自らを犠牲に篝火を守る化身

      

そして篝火は

 

 

不死人を糧とし

ずっと世界と火の時代を紡いできました

      

なので、やはり彼女たちも火の時代とそれを生きる人々のために火防女となり、世界を繋いできたのではないのでしょうか

 

 

「ですが、私たちはもう、火の明るさを知り、熱を知り

生命の営みを知っています」

      

かつて光の王が与えた生者の世界は人々にとって心地よいものだったかもしれません

 

しかし、それは綺麗事では終らず

 

死を糧とするのなら、死に祈ることだ

<不死の遺骨>

      

火の時代は確実に多くの犠牲を必要とします

火はいずれ陰り、それを維持するために多くの不死が生まれるからです

 

その中から一部の不死は骨として篝火へと帰り、次の不死人の試練への灯火になるのです

 

 

「灰の方、もし貴方の心が変わったら

私を殺し、あの瞳を奪ってください

それで私は、元通りの火防女

ずっとそうであったように」

<祭祀場ちゃん>

 

自己犠牲をもって犠牲の火を制御する

人々の幸せへの願いを持って火の時代を繋ぎ留める

だからこそ火防女は化身なのかもしれません

 

 

実際に世界を繋ぐのが薪の王であるなら火防女はプチ王たちの化身みたいなものかもしれません

      

 

「ごめんなさい

貴女に炎の導きがありますように…」

<祭祀場ちゃん>

 

そして彼女たちは盲目故に

闇を持って火を愛する


火と同じく

彼女たちの魂も紡がれていきました

 

その果てにいる祭祀場ちゃんは

最初の火防女によって火の終わりを知るのです

 

 

「あの瞳が見せるのは、火継ぎの終わり、永遠と続く暗闇の世界

私はそれを、裏切りだと思った」

<ルドレス>

 

暗闇の中で火を信じる彼女たちにとって

遥かな先人たちの想いをダイレクトに受け継ぐ祭祀場ちゃんにとっては

火の消えた未来はほんとに酷い裏切りだなと思います

      

だから瞳を得た彼女は、自らが最後の火防女であることを望んだのかもしれません

      


ユリアの求めた火防女

 

そもそもイリーナが失敗した理由が自身の適正でなく、物語を知らぬことが要因だったとすれば

 

 

「…英雄様、故郷カリムで、私は修道女でした

ですから貴方に、奇跡の物語をお聞かせできます

ただ、私の知っている物語は、あまり多くはないのですが

聖典があれば、もっと沢山の物語をお聞かせできると思います」

<カリムのイリーナ>

      

イリーナを送り出したであろうカリム白教は

火防女候補に自国に伝わる物語すらもろくに教えずに送り出したことになります

 

これが既におかしな話ですね

 

 

「最古の火ぎを再現するために

…私は、そのために薪の王となったのだよ」

      

最古の火継ぎの再現という要事に際して火防女を祭祀場に差し向けるのなら

優れた聖女を万全の状態に仕上げて送り出すのが当然ではないでしょうか

 

 

「…ほう、お前、あの女が気になるのか?

だが、やめておきな。あの女は、火防女にすらなれなかった、役立たずさ

俺がここまで連れてきて、準備までしてやったというのに、あの様だ

あれはもう、壊れているのだよ

クククッ…」

<イーゴン>

      

そしてイーゴンの態度から察するに、彼女のカリム内での地位も高いとは思えません

 

 

何故カリムはこの聖女を選び送り出したのか?

 

考えられる可能性は、やはりイリーナは敢えて不完全な状態で送り出されたということです

 

 

ややこしい話になりますが

白教の光の奇跡をたくさん教えてしまうとイリーナは火防女になってしまいます

 

しかしそれは、いわゆる普通の火防女です

 

生者の世界を望む火防女では祭祀場ちゃんと同じになってしまうのです

 

そして、闇の派閥が欲しいのはそれではないわけです

 


「…ああ、これは…

英雄様、この聖典は禁忌です

人の内に潜む、暗い闇の物語…貴方に相応しいものとは思えません

もちろん、貴方が望めば、私はこの物語をお聞かせします

…ですが…ああ、ああ、私は怖いのです

暗闇で私を噛み苛む、あの虫たちが」

 

むしろ彼らは闇の聖書こそを受け入れて覚醒するような火防女が欲しかったのではないでしょうか

 

 

[ロンドールの点字聖書]

 

ユリアはいろんなアイテムを主人公に売ってくれますが

ロンドールの点字聖書は異様な値段で販売しています

 

¥50‼
¥50‼

 

初期プレイでこれをイリーナに読ませてしまった人は多いのではないでしょうか?

 

 

これがおそらくユリアの罠なのです

 

流れとしてはこうです

 

 

50円で聖書が売っていればまず買います

 

そしてユリアが祭祀場に現れる頃には

 

「…ああ、ですが、私はもう目が見えません

申し訳ありませんが、点字聖典をお持ちくださいませ」

          

点字聖書なんて普通の人には読めない代物を読める人物も偶然近くに居たのではないでしょうか?

 

「人の内に潜む、暗い闇の物語…貴方に相応しいものとは思えません」

 

当然彼女はこの聖書を嫌がりますが

点字聖書が読めるもう一人の人物カルラはずっと後にならないと登場しません

彼女の存在を知らないとどうにもならないわけです

 

 

「もちろん、貴方が望めば、私はこの物語をお聞かせします」

          

なので無理を言ってイリーナに読ませた人は多いのではないでしょうか

 

          

そして

その後入手した「深みの点字聖書」ももちろんイリーナに読ませました

 

「ああ、英雄様。行ってしまわれるのですか

お願いです、早くお戻りください

怖いのです。私を苛む暗闇が」

 

だって一冊目の段階でああもう手遅れだなと思ったから全部読ませても一緒だなと思ったのです

 

「…ああ、どうして誰も触れてくださらないのですか

虫だけが、私を噛み苛むのですか」

 

 

という感じでイリーナはユリアの毒牙にかかってしまったのです

まったくかわいそうに

          

知らず知らずのうちにユリアの思惑通りに動かされていたのです

 

何を言いたいかというと

石坂浩二が犯人の回の古畑任三郎みたいなことです

 

もしくは常人には理解できぬ麻雀を打つ

アカギみたいなもんです

 

「鍵穴を満たそうとしたら別の力を借りるしかない

例えるなら偶然てヤツの力だ

偶然そうなるってことに無防備

その金庫の鍵穴は遇によって満ちる」

<アカギ>

 

ユリアは聖書を格安で譲ることで、主人公の身近に居るであろうイリーナに闇の聖書を読ませるように促したということです

 

 

別領域からの刃…! ユリア、聖書遇気待ち…!
別領域からの刃…! ユリア、聖書遇気待ち…!


          

とんでもない女です

 

 

ではユリアがイリーナに闇の聖書を読ませたかった理由ですが

ロンドールからすれば「今回の火継ぎ」において祭祀場を獲れなかった時点でイリーナは用済みであり

彼女を処分しようとしたのか

 

 

 「…凡夫が、せめて薪にすらならんか…」

<ユリア>

 

あるいは

今回の火継ぎで闇の王が誕生せずとも

主人公や誰かが薪の王として火を継いでくれさえすれば

いずれはそれも王たちの化身の一部となり

やがて次の火継ぎが行われる…

 

それを見越してユリアは

「次こそは闇の火防女を誕生させる」

そのための実験を行っていたのかもしれません

 

      

オーベック

 

ユリアはイリーナの他にもオーベックにもちょっかいをださせようとします

 

「…ヴィンハイムのオーベック、あの者は不穏だ

あの者は亡者、そして、自ら亡者の王たらんと考えている

放っておいても、何れ貴公の敵となるだろう

…であれば、王自らの手で誅したまえ

それがまた、貴公の王たる証しとなるだろう…」

 

 

彼女はオーベックを危険視し、主人公をけしかけようとしますが

 

      

「…あ、お前は、みだりに人を殺すなよ

それが誰であれ、あるいは誰の命であれ、いつか報いがあるものだ

俺は、手を汚しながら、そんなことにも気づかなかったのさ

 

フン、正に愚者よ…」

<オーベック>

      

しかし、基本的にオーベックはいいやつです

 

ということは

ユリアかオーベックのどちらかが言葉を偽っていることになります

 

      

「…しつこくして済まんが、忘れないでくれよ

俺がお前に教える替わりに、お前は俺に知識を届ける

魔術の秘が記された、スクロールを持ってきてくれると

お前はそう、約束したのだからな」

 

オーベックは約束ごとを重んじており

主人公がスクロールを届けず約束を果たさなかった場合は何処かへ消えてしまいますが

 

 

「ありがとう、お前は約束を守ってくれた

俺があそこで、どれだけ時を費やしても、これを知ることはなかったろう

さあ、解読するぜ。新しい魔術は、きっとお前の役にも立つはずさ

フハハッ」

      

主人公が約束通りスクロールを渡すと

嬉々として魔術を教えてくれます

 

傍目には、魔術を学ぶことこそが、やはり彼の目的であるように映ります

 


「…お前、児戯に興味はあるか?

これは音を消す魔術師の符牒、ある種の暗号さ

これがあれば、俺たちは互いを知らず、だが互いを敵としない」

 

お互いに魔術を覚えていくうちに

彼は主人公にいろいろ良くしてくれたり

次第に打ち解けていきます

   

「うん、どうした?何か忘れていたのか?

まったくお前らしいな

ハッハッハッ」

 

秘密の白霧とかも教えてくれます

 


…やがて

ふたりがすべての約束を終えた頃

 

「…だが、まあ、そろそろ潮時かもしれないな

何より俺は、もうお前との約束を守れそうにない

そんなの嫌なんだよ」

 

 

彼は祭祀場から姿を消し

大書庫にて骸をさらします

      

      


つまりどのルートを辿っても

彼の方から主人公を裏切ったり

敵対して闇の王になることはありません

      

オーベックいいやつです

 

ありがとうオーベック

 

ということで彼は身を以て潔白を証明してくれますので

やはりユリアが嘘ついてることになるのではないのでしょうか

       

 

欺瞞に満ち己を見せぬ

故にロンドールの亡者は忌み嫌われるのだ

 

 

オーベックの存在が闇の王ENDになにも影響してない時点でロンドールのそれなのです

陰謀屋カアスからの伝統なのです

いいかげんにしろ!

 

でも、だとしたら彼女はなんでこんな嘘をついたのでしょうか?

 

理由を考えるなら

王候補である主人公を試したかった

オーベックも一応闇の王候補だった

などでしょうか

 

 

ロスリックにはヨエルの他にもロンドールからの巡礼者がたくさん来ていました

 

「私も、元は魔術師。きっと、貴方をお助けできます」

<ヨエル>

 

貧しいオーベックはだが魔術に憧れ

隠密として竜の学院の門を叩いた

いつか、魔術師の道を歩むと信じて

<オーベックの遺灰>

 

だとすれば、主人公と同じく灰として甦りそして魔術を渇望していたオーベックを

巡礼者が自身の魔術で釣っていた過去があったりしたのかもしれません

 

でもオーベックには闇の王になるモチベは無さそうですし、ロンドールの魔術もショボいのでお互いに用済みになった…とか

 

 

「おお、貴公、自らの手で、オーベックを誅したのだな

すばらしい。やはり貴公こそ、我ら亡者の王たる者だ

これはロンドールの秘宝、王にこそ相応しい品」

<ユリア>

 

別にそんなことも無くて

ただユリアがロンドールの秘宝とやらを主人公にあげる切っ掛けが欲しかっただけの可能性もあります

      



緑花と聖火と職人の技

 

大輪の花のような緑の草

一時的にスタミナの回復速度を上げる

澄んだ水辺に自生するという一年草

ファランの不死隊がこれを用い

大剣を縦横に振るったことで知られている

<緑花草>

 

緑花草の話します

 

 

 

ゲーム中では輪の都にあるこのグウィン像の右手に「緑花の指輪」が乗っています

 

つまりグウィンが亡者に王冠と緑花を授けている構図です

 

 

大王は、闇の魂を得た小人に

最果てに閉ざされた輪の都と

愛しい末娘を送ったという

いつか迎えをよこすと約して

<勅使の小環旗>

 

輪の都の設立は無印より更に古い時代であるそうで、それはグウィンがいた頃の火の時代にまで遡ります

 

 

そんな場所に存在するこの像は

かつてカアスが語っていたことの

そのまま答えになっています

 

「貴公ら人の祖先は、闇のソウルを得て、火の後を待った

やがて火は消え、闇ばかりが残る

さすれば、貴公ら人、闇の時代だ」

 

 

「王グウィンは、闇を恐れた

火の終わりを恐れ、闇の者たる人を恐れ

人の間から生まれるであろう、闇の王を恐れ

世界の理を恐れた

だから奴は、火を継ぎ、自らの息子たちに、人を率い、縛らせた」

<闇撫でのカアス>

 

      

かつて火の後を待っていたはずの小人

 

太陽の光の王にひれ伏していたという事実です

 

 

古い人の防具は、深淵によって鍛えられ 

僅かにだが生を帯びる

そしてそれ故に、持ち主たちと同様に

神々に火の封を施されたという

<輪の騎士の鎧>

      

そして王冠を被された小人の子孫らには「火の封」が施され、生身の身体を与えられ

生者としての人が誕生した

という流れです


 

だとすれば、この像は

人という種族の始まりを表しているとも

グウィンを中心とした白教の始まりを表しているとも考えられます

 

 

[白教のシンボル]

 

大輪の緑花を象った古い指輪

だが美しい緑は、とうに失われている

スタミナの回復速度を上げる

<緑花の指輪>

      

何故グウィンは人に緑花を授けたのか?

                 

わざわざ授けてるんだから緑花草は生者にとって重要な意味を持っているんじゃないかな

という考察です

 

 

「 …神の名を、言ってください

 もしも覚えているのなら、貴方の神の名を」

<シラ>

 

かつてグウィンに授けられた緑花は

生者こそを人とする白教信仰においての

シンボルになっていると考えられます

      

すなわちこの指輪のデザインだったり

 

アノールロンドやロスリックの教会やサリヴァーンのところにある花っぽい窓がそれです

      

たぶん緑花草の紋章なのです

      

あと3になってようやく

緑花草には白い花が咲くことが判明しました

      

大輪の花のような緑の草

小さな白い花が咲いている

一時的にスタミナの回復速度を大きく上げる

緑花草の花は、幻の花である

それは冷たく、だが凍らぬ水辺にだけ咲くという

<花付き緑花草>

      

知らんけどこの白い花は幻だそうです

           

 

そして聖花の盾のそれに似ています

 

「魔術師殺し」の別名を持つ古い白教の宝具

描かれた大輪の花は聖火であるといい

魔力に対して高いカット率を持つ

<聖花の盾>

 

 

「聖花」は「聖火」でもあるそうです

 

だとすると似たような盾がもう1つ存在します

 

 

 

サンクトゥスです

 

はるか昔、不死となった聖騎士に託されたという

白教の伝説の宝具の1つ

 

予め祝福されており、白い炎の加護があるが

その力の大半はすでに失われており

わずかなHP回復効果が残っているだけだ

<サンクトゥス>

 

どちらも宝具であり

つまり白教にとっての大切なものです

二つの花の意匠を見比べてみると真ん中の丸いところが緑花の指輪の中心とよく似ていますね

 

ようはこの白い花やら火が緑花草の幻の花なんじゃないかということです

 

 

 

[由来の謎]

 

大輪の緑花を象った古い指輪

その意匠は独特で、由来は分かっていない

<緑花の指輪>

 

無印の時点では「意匠の由来」が謎でした

 

自分で緑花草を象ったと言っておきながら長らく謎だったのです

 

 

 

改めて緑花の指輪を見てみましょう

 

 

大輪の緑花草を表現した指輪は

すべて緑石で作られており

白い花は咲いていないように思われます

 

      

しかし緑花草の花は幻であること

その聖花は聖火であることを頭に入れて

指輪を見ると

 

 

 

 

 

 

白い花が見えますでしょうか?

 

 

緑石に反射して揺らぐ光の花弁

 

 

 

かつて人を照らした

光の王の聖なる炎

 

 

もし指輪がそういったものを表現しているのだとしたら、粋だなと思います

 

 

指輪職人、粋な奴です

 

 

そしてそれは、つまり生者とは

光をあれした幻的なやつ

だったりするのかもしれません

 

 

 

それで緑花と生者の関係性ですが

 

 

緑化草はこんなもんほうれん草にそっくりですので、食べると血が増えるのかもしれません

 

なるほど血が増えて肌もツヤツヤになるのですね

 

 

 

あと私の考察では、この世界の人は岩の大樹から進化したんじゃないかと思っているので

そこら辺にも緑花が関わってくるでしょうか

キノコが歩くんだから何も不思議なことはない
キノコが歩くんだから何も不思議なことはない

      

由来の分からぬ、古い中型の金属盾

草紋には弱い魔力が込められているようで

わずかではあるがスタミナ回復速度が上がる

<草紋の盾>

 

人は何故花に美しさを見出し、癒しを得るのだろう

この古い盾に描かれた花は

既に失われたものである

<大輪のカイトシールド>

 

緑花草に限らず植物の盾にはスタミナ回復の効果があったり

主人公は苔や木の実で体調を治したりすることが多いので

植物と身体の親和性が高いのかもしれません

 

 

みんな光合成くらいはしてるかもしれない

 

 

火と闇からなんか生まれる世界

 

「貴公、我らの王よ

簒奪者におなりください

きたる火継ぎのその時に、火を奪ってくださいませ」

<ロンドールのユリア>

 

 

以前に最初の火とは概念であるという考察をしましたが駄文が長すぎたので纏めました

(今回もすでに長い)

 

その時に思い付いたこの世界の生命の法則がこんなのです

 

・闇は生命の苗床

 

・闇に「最初の火」が熾こると、それに惹かれた生命が新たな種族として誕生する

 

・種族は「最初の火」を共有しながら生存している

 

・最初の火が何を指すのかは種族間で異なる(デーモンなら混沌、闇の子なら人、人なら神)

 

・ソウルとは火であり、生命は身体の内に魂の炎を宿している

 

・人間性は闇の火なので影

 

 

この法則で人とか闇の子を解釈します

火継ぎENDと闇の王ENDも解釈します

 

 

そして、闇より生まれた幾匹かが

火に惹かれ、王のソウルを見出だした

<プロローグ>

 

まず闇に宿った生命は火に惹かれて形を成します

神々も闇から生まれました

 

 

闇と光は一体であり、ソウルと呪いもまた然り

かつて王たらんとした者たちの前に、それは現れた

その強く、眩い力に惹かれて

<渇望の弓>

 

最初の火は種族の始祖が惹かれた火であり

始祖は自らにその火のソウルを宿すのです

そして火は子孫へと受け継がれていきます

 

 

ソウルが生命の源であるなら

生命に惹かれるのはむしろ当然であろう

<追尾するソウルの塊>

      

つまりソウルは火であり、魂です

 

 

 

闇の子でいえば人の王のソウルが最初の火に該当します

 

その強いソウルはやがて闇を惹き寄せ、

王はそれに憑りつかれた

<王のソウル>

 

闇の子は王の強いソウルに惹かれて深淵の闇より這い出しました

 

 

闇の子が亡者と生者の姿をとれるのも人に似たからか
闇の子が亡者と生者の姿をとれるのも人に似たからか

      

「深淵」という人の闇と「王のソウル」という人の火で出来たのが闇の子です

 

 

 

なのではじまりの火とは

 

竜から神へ、神から人へ、人から闇の子へと

 

新たな種族へと移り変わっていくものであり

      

衰退と進化であり

 

それがこの世界の理じゃないかと思います

 

      

「そして、光に惹かれる羽虫のように

その身を焦がすんだよ」

<2プロローグ>

      

「呪術ってのは、とどのつまり憧憬なんだと
闇に生きて、火に惹かれて、でも触れることすらできなくて
そんな憧れが強い者だけが、火の力の一端を手にすることができるんだと」
<大沼のラレンティウス>

      

 

といった具合に闇から生まれた者は火に焦がれるのだと思います

 

 

[人の成り立ち]

 

ただ、人は闇の子のように深淵から生まれたわけではありません

人の祖先は小人だからです

 

 

狂人が見出した異形の椎骨

剥離した内側に奇妙な印が刻まれている

それは神の枷、その証であるはずだ

<積む者>

 

この世界の人には椎骨や火の封などの「神の枷」が施されており、ここら辺が小人と人の違いでないかと考えられます

 

 

「かつて光の王となった者は、人という名の闇を封じ込め…そして人は、仮初の姿を得た

それこそが、この世の理のはじまり

人は皆、偽りの生の中にある

例えいかに優しく、美しくとも  嘘は所詮、嘘にしか過ぎない

亡者よ

それでもなお、お前は安寧を望むのか?」

<原罪の探求者>

           

人は闇より生じたのではなく

小人を改良され、神にその似姿を与えられた存在なのだとすれば

 

 

亡者の国ロンドールの秘宝であり

彼らが自らを偽るときに使用する

ときには、その偽りを自分と信じ

亡者を捨てる裏切り者もいるという

<解呪石>

 

事実としてそれを与えたグウィンは

すべての生者にとっての神であり

生者にとっての「はじまりの火」です

 

 

 

そして人のルーツにある小人は

人の「はじまりの闇」に当たるのだと思います

 

 

「人の内には闇がある。そして貴公は、それを覗くだろう

そして恐怖し足元を顧みるか、郷愁に胸を焦がすのか

貴公次第だ

…そしてどちらも、許されるだろう」

<カルラ>

 

闇と光、小人と神の狭間にある存在が

影であり、人間なのだと思います

 

 

人は皆、偽りの生のなかにある

だが、それは果たして悪だろうか

作られた、偽りの生 だが…

それは例えようもなく優しく、甘やかな世界

<アン・ディール>

 

生者とは自らの意思で神に囚われているのです

 

 

[火を継ぐ者ENDについて]

 

「…火の時代とは、古い神から続く時代であり、火継ぎとはその継承です」

<ユリア>

 

火継ぎとは

火の時代を作った神々のソウルを継承することで、歴代の人の王は神亡き後も火の時代を存続させてきたということになります

 

 

そして最初の火が種族全体が生きる為に必要ということは

種族は最初の火を共有しており、火は生存環境そのものということになります

 

まさに「太陽」みたいなものです

 

そして太陽といったらグウィンです

 

 

火継ぎとは

人の世の太陽を継ぐ行為なのだとしたら

      

かつて人を照らしたのは太陽の光の王であり

      

輝く太陽は俺のもので きらめく月は そう おまえのナミダ
輝く太陽は俺のもので きらめく月は そう おまえのナミダ

 

だからこれは、人を生者に縛り

なにより世界の進化に嫉妬した

神々の呪いなのだと思います

 

そして神の影として後を追うことしかできなかった者たちの果てです



火を奪うということ

 

火の簒奪者ENDの解釈です


「…かつて火のはじまり、貴公ら人の祖先は

古い王たちの後に、四つ目のソウルを見出だした

      

貴公ら人の祖先は、闇のソウルを得て、火の後を待った

やがて火は消え、闇ばかりが残る

さすれば、貴公ら人、闇の時代だ」

<闇撫でのカアス>

 

元はといえばこいつがこんなこと言うから

最初の火が消えれば人(闇)の時代になるみたいに思っちゃうわけですが

 

 

でも実際に最初の火が消えてしまえば闇の時代になるのかというと、ならないですね

 

 

 

火継ぎの終わりENDになります

 


この世界では

最初の火の陰りによって人の中から亡者の数が次第に増えていくのだと思われますが

かといって火の陰りで亡者たちはイキイキとする訳でなく

その実はすごい弱り果てているのです

 

もう瀕死
もう瀕死

 

なので、人であるからには

生者であれ、亡者であれ

最初の火が必要ということになります

 

 

そもそもカアス自身も言っていました

 

「不死の勇者よ

今はもう、話すべきではない

すべては、貴公が王の器を持ち帰った、その後だ…」

 

この台詞はアノールロンドから器を取ってこいということだけではないのだと思います

 

何故なら無印主人公が器を持ち帰った後も

王の器が神々のソウルで満たされた後でも

カアスは同じことを言うからです

 

無印の闇の王ENDは

主人公が火の炉への扉を開き

「消えかけのグウィン」を殺し

そのソウルを回収して火の炉を後にします

 

つまり「ソウルの器を神々の王のソウルで満たし回収する」ことこそがカアスの真の目的だったのだと考えられます

まぎらわしい

 

 

「貴公、我らの王よ

簒奪者におなりください

きたる火継ぎのその時に、火を奪ってくださいませ」

<ロンドールのユリア>

      

「灰の方、火の無き者はソウルの器です

故に貴方は、主なきソウルを力にできる」

<祭祀場ちゃん>

 

3主人公は自身がソウルの器ですので

理屈としては、無印の闇の王ENDも3の簒奪ENDも同じではないかと思います

 

人の始まりの火である神のソウルを本人から直接奪うということです

      

 

「継ぐ」のではなく「奪う」

それを遂げたことにより最初の火は神から人のものとなり

太陽は人の色へ

世界を暗く灯す人間性の炎へと変化したのではないでしょうか

      


…貴公、懐かしい香りをさせているな

甘い香りだ…。だが我らは、とうにそれを失った

      

かつてロンドールが女神に別れを告げたように


神を追うことを止めた人々には

前を向いて覚悟を持って自分たちの時代を作っていってほしいと思います



黄昏時

 

 折角なのでダークソウル2の話もします

 

 

2主人公は火の炉へ行けません

      

3の火継ぎが最古の火継ぎの再現であるということは

つまり火継ぎにおいて最初の火の炉へと到ったのはグウィンと無印主人公だけであり

 

その後はずっと窯などを使っての間接的な火継ぎしか行えなかったのだと思われます

 

なので2は火と闇の派閥争いもありません

 

だって火の炉へ行けないのですから争っても意味ないです

 

「火を継ぐ者、呪いをその身に引き受けるもの

あなたが火を継げば、再びソウルは充ち、

同じことが繰り返される

それを望むも、拒むも、あなたが決めることです

王たるものよ、玉座へ

その先は、貴方にしかみえないのです」

<緑衣の巡礼>

 

 

神の時代を継がされた代償を人々は払わされ続ける

そして時代の改変も行えない

 

なので2は

解決策無く途方に暮れる世界なのです


 

2のテキストを読んでいくと

前日譚としてヴァンクラッドとアンディールという二人の兄弟の話が判明していきます

 

ざっくり言うと

兄弟は別々の方法で世界を何とかしようと試みていました

 

 

弟は自らがすごい火継ぎの王になって何とかしようとしました

 

「火を求める者よ、何を望む

我には、最早何も見えぬ…」

 

 

兄はこの世界の魔法的テクノロジーを用いて

呪いとか平気な世界や人を作ろうとしました


「私は失敗作だったのです」

<シャナロット>



というわけで全部ダメだったのでみんな諦めているのです


「”導き手”と呼ばれる女だ

”最後の火防女”とも言われている 本当かどうかはしらんがな

お前のような、呪いをまとう者を 導いているんだとさ 下らん話だ」

 

火防女たちも隠居して後継ぎが居ないのでシャナロットが代わりをやっているのでしょうか

 

こういうどうしょうもない空気感が2の堪らないところであります

 

 

しかし

上記の火の簒奪者ENDに当てはめて考えると

2でも正当な火継ぎを行おうとしていた人物がいたのかもしれません

 

 

デュナシャンドラです

      

 

デュナしゃん
デュナしゃん

 

 

「この先に進めば、デュナシャンドラがあなたを襲うでしょう

あの王の座につき、継ぐ者となること

始まりの火の大いなるソウルを手にすることが

彼女の望みなのですから」

<シャナロット>

 

 

「我が妃と呼んだものも… また、そのひとつ…

か弱く、小さなその断片は、それ故により強く力に飢え…

力の憑代を求めた その渇望のままに…」

<ヴァンクラッド>

 

闇の子のなかでも特に

彼女は強い渇望を抱え、ソウルばっかし求めていました

           

 

かつて深淵にあった者は

滅びと共に、無数の破片に分かれ散った

欠片はやがて形を成し、力を持つ王を求めた

その力を我が物とするために

<渇望の鈴>

 

深淵という人間性の海から

人を太陽として地上に這い出した闇の子らにとって

 

古き4つの者や腐ったヴァンクラッドなどを打ち倒し、大きな人の王のソウルを得た2主人公は

まさに始まりの火そのものだったのではないでしょうか

 

彼女はそれを簒奪することで

火を継承しようとしていたのかもしれません

 

 

 黄昏を生きる人々と

人に寄り添った闇の子

 

思えば無印の神々と人の構図そのものです


神々の黄昏(アノール・ロンド)
神々の黄昏(アノール・ロンド)

 

「王グウィンは、闇を恐れた

火の終わりを恐れ、闇の者たる人を恐れ

人の間から生まれるであろう、闇の王を恐れ

世界の理を恐れた」

      

デュナシャンドラが無印主人公の役で

 

2主人公がグウィンの役割です

 

人々の黄昏(マドューラ)
人々の黄昏(マドューラ)

 

新たな種の脅威と

滅びという理に抗う者たちを

逆の立場から描いていたのだとしたら

 

やはり2は堪らないやつだなと思います

 

 

家族

 

闇の人の話ばっかりで嫌になってきたので

家族にまつわるあたたかい話をしましょう

 

 

 

 「…灰のお方、もし婆めの品が足りなければ

どうぞ、遺灰をお持ち下さりませ

さすれば、この婆めが、遺灰から新たな品を用立てますじゃ

死を糧に、それが我らの呪いですじゃろう?

アハハハハ…ッ」

<祭祀場の侍女> 

 

この婆さんは一見不気味で意地悪な印象がありますが、主人公が持ってきたとある遺灰に興味を示します

 

不死隊の一員たるを、夢見た人の遺灰

祭祀場の侍女が、新たな品を用立てるだろう

腐った森をさまよった夢追い人は

最後に小さな達成を得たのだろう

<夢追い人の遺灰>

 

「…灰のお方、また憐れな遺灰をお持ち下さりました

これは愚か者の遺灰…得られる品も僅かじゃろうて

ときに、どこで拾われましたかの?戯れに、婆めに聞かせて下さりませ」

 

 

主人公が侍女に遺灰の話を聞かせると

 

「憐れじゃ、滅びの世に夢などと…

やはりこれは、愚か者の遺灰ですじゃ

貴方様も、そう思いますじゃろう?」

 

彼女はすごく悲しげな素振りを見せます

なので遺灰となった夢追い人は彼女の大切な人だったのだと御察ししましょう

 

そして侍女はこの遺灰から入手できる品の一部を相場よりかなりの安値で主人公に譲渡してくれますので

これは彼女なりのお礼の気持ちではないかと思われます

      

通常¥8000のところをなんと¥1000!!
通常¥8000のところをなんと¥1000!!

 

この出来事があった後に祭祀場でシーリスに出会うと

 

「あれから、私は何度も、貴方の話をお聞きしました

…とても、優しき方だと」

<薄暮の国のシーリス>

 

 

侍女からの主人公への評判を聞かせてもらえます

つまり侍女とシーリスは親しい関係にあるようです

孫デレです

 

 

「献身は残り火の道であると聞きました

もしそれが、貴方を助けるのなら、お使いください」

 

その後、主人公はシーリスと交流し共闘できるようになります

 

「ああ、貴方、先日はご助力いただき、ありがとうございました

そしてもし、貴方の旅を助けるのなら、私のサインもお使いください」

 

幾度かの相互助力の後に

やがて彼女は最後の目的を果たしにいきます

 

 

「やっと見つけたよ、お爺ちゃん

約束だからね」

 

 

約束だからねーっ!
約束だからねーっ!

 

彼女はフォドリックと決闘するのです

 

「ああ、私の家族…

可愛いシーリス…」

 

狂った闇霊となった祖父を殺すことがシーリスの目的でした

 

 

そして、主人公がそのことを知る切っ掛けは侍女にあります

      

 

侍女は何も言わず

ただ、孫娘のくれた別れの花束を手紙付きで捨て値で売っています

 

 

手数料は侍女が負担 !!
手数料は侍女が負担 !!

 

酷い婆さんだと感じる人もいるかもしませんが、花付き緑花草は中々手に入らない貴重品です

 

 

「何より貴方様はもうご存じだ

この婆めの、ごうつくばりを…」

 

自称ごうつくばりがそれをアホみたいな値段で主人公に買わせたいのは

「シーリスを助けてやってくれ」という彼女からの強いメッセージに他ならないのです

 

「おやすみなさい、お爺ちゃん…」

 

 

そして主人公の加勢もあり

彼女は目的を遂げたのです

 

 

おやすみシーリス
おやすみシーリス

 

 

狂人が見出した異形の椎骨

剥離した内側に奇妙な印が刻まれている

それは神の枷、その証であるはずだ

装備することで「積む者」の誓約者となる

積む者は、ただ積むべき枷を求めており

協力であれ侵入であれ、狂った霊となる

相手が何者であれ関係ない

殺し続けた先にだけ、枷は見つかるだろう

<誓約:積む者>

 

積む者(狂った闇霊)は3で新しく登場した敵味方構わず暴れる変な誓約です

 

 

 

「…だが、人はいつか狂う。死なずとなれば尚更じゃ」

<フォドリック>

 

彼らが枷を集める理由はいまいちよくわからないですが

集めているものがものだけに、やっていることはまさに狂人の所業でしょうか

 

 

この誓約者たちには「家族」という共通ワードがあります

 

 

「ほう、やはり亡者だったか

ならば丁度いい

私の家族になるがいい!」

      

 

死斑の呪術師、ダネルの用いた呪術火

あらゆる死から名残を集める

それは醜い伴侶の死に捧げられ

送り火となり

ダネルは狂った霊になったという

戦技は「送り火」 集めた死の名残を解放し

引き換えに幾許かのエストを得る

<呪術の送り火>

 

 

ダネルも妻に由来する理由で狂い

誓約者になったのだと思われます

 

古い「積む者」の刀剣

彼は祭壇に犠牲を積み

最後に自らそのひとつになったという

そして一振りの刀を、彼の家族に残したのだと

<血狂い>

 

 

この誓約における家族の定義ですが

フォドリックの台詞や積む者となった主人公に血狂いが譲渡されることなどから考えて

血縁ではなく「人の情」のようなものを本質としている気がします

 

 

 

積む者たちの奇妙な呪術

柔らかな火を起こし

それに触れた者のHPを回復する

彼らは神の枷の外れるを恐れ

家族を求めている

ならばこれは団欒の火であろう

<ぬくもりの火>

 

彼らは

家族=人との絆のようなもの

を求めているのではないでしょうか

 

      

「祖父もやっと眠れ、私も、ようやく死ぬことができます

ですが、その前に…お願いがあります

どうか私に、誓いを許してください。貴方に仕える、騎士としての」

 

 

シーリスはお爺ちゃんを倒した後、最後に主人公への忠誠を望みます

 

 

しかし、主人公がこれを拒むと

彼女は再び亡者の穴蔵へと移動し、そして積むものの祭壇に祈りを捧げています

 

 

「この場所で、犠牲と縁を積むがよい

…狂えばわかる。それが家族になっていくのじゃ」

 

 

彼女は亡者となり、そして主人公へと襲いかかるのです

 

「神の枷は、存外と脆いものなのじゃよ…」

 

 

彼女も主人公への想いに狂い、祖父と同じ道を辿ってしまった

ということなのかもしれません

 

 

「人は皆、偽りの生の中にある

例えいかに優しく、美しくとも  嘘は所詮、嘘にしか過ぎない

 

亡者よ

それでもなお、お前は安寧を望むのか?」

<原罪の探求者>

 

 

家族とは枷によって神に縛られた生を慈しみ、そして絆によって狂った者たち

 

そういう風に考えてみると、この誓約はあの誓約と対照的になっている気がするのです

 

 

 

非情の誓い

 

「フン、ヨエル殿が見誤ったか

亡者となり、正気を失うなど

そんな凡夫が、我らの王であるものか!」

<ユリア>

 

 

よくダークソウルをプレイしていると、殆どの亡者はみんな我を忘れたように襲い掛かってきます

 

 

ジョルト聖女
ジョルト聖女

 

 

そして  

このゲームに於いて亡者とはただゾンビ状態を指す言葉ではなく、たとえ見た目が生者であっても

 

目的を忘れたり

理性を制御できなかったり

自らを忘れたりと

 

「大儲けだ…貯まった、貯まった…  フヒヒヒ…

もう、帰らなくてもいいかもな…

帰る…帰る…?

どこへ?」

<ミシュラン>

 

狂わずに人をやるのは結構大変なことなのだなと思います

 

 

「貴公が望むのならば、我が力をも授けよう

闇の王の力、生命喰らいの力だ

その力で、不死として人であり続け

貴公ら人にはめられた、神の枷をはずすがよい」

<カアス>

      

そんな中で狂わない亡者を実践している者たちこそがダークレイスではないでしょうか

 

 

立ち振舞いもスマート
立ち振舞いもスマート

 

そして闇の王ENDにも礼節をわきまえた亡者たちが大勢登場しています

 

 

 

 

ようは亡者となっても意識や理性を保てる者がカアスやロンドールの考える闇の住人の条件かと思われます

 

 

そして亡者が人として生き続けるための手段は非情なものです

 

 

「わしは、封印の番じゃ

ダークレイスの主、四人の小王を封じておる

ダークレイスは、人と、ソウルで生きる全ての敵

この小ロンドは、奴らを生み

ただそれを封じるために、滅びたのじゃ

…それほどに、あれは恐ろしい存在なのじゃよ…」

 

 

本来なら民を守るべき「公王と騎士たち」のせいで小ロンド民は犠牲になりました

 

 

侵入先の世界で、世界の主を倒せば

人間性を得ることができる

 

カアスに唆された、ダークレイスたちの業

彼らは人間性を求め、さらなる闇に堕ちていく

あるいは、それこそが本来の人であろうか

<赤い瞳のオーブ>

 

何よりダークレイス(闇霊)は自分本意に他者を害して人間性やらを奪う者たちですので、非情な集団なのです

 

そんな者たちを生み出し、肯定しているのですから、カアスは「奪うこと」が人の本質のひとつと考えていたと思います

      

 

つまり何が言いたいかというと

情に狂った闇霊が積む者たちなら

非情を貫く闇霊がダークレイス

なんじゃないでしょうか

      

 

では、闇の王ENDにも登場している

アンリの話をします

      

アンリ生きとったんかワレ
アンリ生きとったんかワレ

 

 

[アンリの目的]

 

「私たちは聖堂を、あのおぞましいエルドリッチの故郷を、目指しています」

<アストラのアンリ>

 

 

 

アンリとホレイスの旅の目的はエルドリッチを倒すことにありました

      

主人公が闇の王にならないルートを辿った場合はアンリに協力することができます

 

 

「結局あれから、ホレイスとは出会えませんでした

でも、私にも使命があります。火の無き灰、王の探索者として

いえ、それよりもただあの子たちのために、一人でも向かうべき使命が」

 

いろいろあった後でも、アンリは「あの子たち」のために一人で旅を続けました

 

      

あの子たちが誰かは分かりませんが

 

深みの聖者エルドリッチの残した歪んだ指輪 致命攻撃時にHPを回復する

おぞましい人喰いで知られるエルドリッチは

きっと伝えたいのだろう

悲鳴に浴し、生命の震えをこそ喰らうやり方を

<エルドリッチの赤石>

 

エルドリッチの性情を考えるに

ろくでもない目にあった被害者たちではないでしょうか

 

 

「…ああ、貴方だったのですね

…いえ、だからこそ、使命を果たさねばなりません

お願いします。貴方の力を貸してください

エルドリッチを、あの人喰らいの悪魔を、殺すために」

 

そしてアンリは主人公と共闘し

自らの世界に居るエルドリッチを倒すことで目的を成就します

 

 

「…ああ、君か。待っていたよ

アストラのアンリを知っているだろう?

あの騎士の娘(青年)から、君に礼だそうだ

 

…それ以上、何も話さなかったがね」

<ルドレス>

 

その後、自ら姿を消します

 

 

「ああ、君、小人の忠告だ

彼女を追うのは、やめておきたまえ

あれは使命を果たし、やがて、どうなるのかを知っている

君に追って欲しいとは思わぬだろうよ」

 


彼は友であったホレイスの墓前にいます

 

 

 

そして折れた剣を主人公へと向けるのです

 

この流れはどうにもシーリスのパターンと似ているように思います

 

 

「ああ、ホレイス、どうして…

君も、私をおいていくのか…

あの子たちと同じように、君までが…」

 

序盤のアンリはホレイスを失うと立ち尽くし、何も出来なくなってしまいます

もともと精神的に強い人であるとは思えません

      

そんな者が主人公の助力があったとはいえ、目的を達成出来た理由には

あの子たちへの想いや友の存在が大きくあったのではないでしょうか

 

「貴方のおかげです。本当に、ありがとう

ああ、ホレイス、僕たちはやったんだよ…」


アンリが絆を理由にエルドリッチと戦ったのだとすれば


やはり目的を遂げた後には

人との情に狂ったのではないでしょうか



[伴侶の覚悟]


「そして、巡礼者の方が仰っていました。幻の都は、ファランの城塞の先にあると」

 

逆に

闇の王の伴侶としてのアンリは自らがエルドリッチを討つという本来の目的を遂げていないと思われます

 

つまり伴侶になるにあたって、あの子たちにまつわる復讐やホレイスとの約束を諦めたのだと考えられます

 

その結果アンリは闇の王誕生に立ち会い

亡者として狂わずに生き残るのです

 

 

自らの情を断ち切り

非情な亡者を統べる王の伴侶となる

そこには何かしらの冷酷な決断があったのかもしれません

 

 

 

ということで

亡者を中心に長々と騙ってまいりました

 

最後に、ロンドール勢のやっぱり腑に落ちない行動理念に触れて終わろうとおもいます

 

 

何故ロンドールは今回の火継ぎにおいて闇の王探しを放棄していたのか?

 

何故王の伴侶は現地調達だったのか?

 

すべては「イリーナ火防女祭祀場乗っ取り作戦」が頓挫した上での行動だと思いますが

そもそも中途半端な状態のイリーナを送り込むことを選んだのも彼らです

 

結果がそうであったように

闇の火防女が誕生する保証など何処にもなかったのではないでしょうか?

      

ロンドールのやることはどれも行き当たりばったりの運否天賦任せであるように思えてしまいます

 

 

運ではないでしょうか

 

 

楔石が変質化したという貴石

亡者の国ロンドールの恵みの石

武器の変質強化に使用され

亡者の武器を作る

亡者の武器は人の本質を見るといい

その攻撃力は運により高まる

<亡者の貴石>

 

おそらく

ロンドール人が最も重要視している価値観こそが「運」ではないでしょうか

 

正直、この概念一つで闇の派閥勢の謎はだいたい解けます

 

 

      

無印では人間性を多く溜め込むことでアイテム発見力が向上します

 

つまり人間性の量でリアルラックが実際に変動していると考えられます

 

 

火の無い灰の一人、アストラのアンリの愛剣

亡国アストラにあって、最も鈍らとされたもの

だがそれは「本当に貴い者の剣」であり

人の本質的な力、運により攻撃力が高まる

<アンリの直剣>

 

 

本当に尊い者の剣は、アストラを崩壊せしめた邪眼の悪霊を倒したそうです

 

 

テキストにあるように

この世界の運とは人の本質的な力らしく

強い運を持つものはリアルに強かったり、儲かったり、尊かったりするようです

「運も実力のうち」というやつでしょうか

 

 

カアスに唆された、ダークレイスたちの業

闇のソウルにより人間性を奪う吸精の業をなし

また特殊な盾ともなる

<ダークハンド>

 

そしてカアスのダークハンドは他者から人間性を吸い上げる業であり、つまり運も上がります

 

 

不死人の証にも似た暗い穴

ぽっかりと体に開いている

その暗い穴に底は無く

人間性の闇が徐々に漏れ出し

引き替えに呪いが溜まっていく

<暗い穴>

 

 

また、ロンドールの業で身体に暗い穴を空けると

そこから呪いを吸い上げ人間性が漏れだします

 

このゲームだと呪いを「のろい」と読んでしまいがちですが、呪いは「まじない」とも読むことができます

まじないとは運を操作する業ですので、運を呼び込むことに繋がるのです

 

 

そうなんですか?

 

 

 

とにかくこれらのことから人間性と呪いと運は連動していると考えられます

 

 

その人の持つ「人間性が運を引き寄せる」とでもいうのでしょうか

おそらくこの世界では本当にそうなのです

 

 

「闇は呪いと呼ばれる

だが、影は火あらばこそ生まれよう

炎が盛るほどに、闇もまたその色を濃くする

闇は呪いと呼ばれる

火を以って闇を統べる… それはふたつを諸共に、引き受けること

それを成す者こそが…」

<ヴァンクラッド>

 

あるいは魂が強く成るほどに人間性もその濃さを増すのでしょうか

 

 

奇手の誘い

 

ロンドールには逆境やピンチでこそ力を発揮する業と信仰があります

 

ロンドールの古い言い伝えによれば

絶望に心折れようとする者の前にこそ

奇手の誘いが現れるのだという

<雷の奇手の指輪>

 

また黒教会の祝福は使用者の危機を喜ぶといい

HPが大きく減ると、攻撃力を一時的に高める

異形の姿に相応しい、呪われた剣であろう 

<モーリオンブレード>

 
「勝負は時の運」とは言いますが、自らにリスクを負いそれを呼び込むのです

 

 

そしてロンドールだけでなく

カリムにもこの逆境信仰は浸透しているのです

 

 

涙石と呼ばれる稀少な大宝石の指輪

HPが大きく減ると、攻撃力を一時的に高める

それは女神クァトの、悼みの涙であるという そして涙とは、死の側でこそ美しいものだ

<赤い涙石の指輪>

 

 

 

       

イーゴンは主人公にイリーナを預けました
 
「あんな壊れた女に情けをかけるなど、物好きなことだ
クワッハッハッハッハ…
…フン、まあいい。元より、監視にも飽きていたところだ
俺はカリムの騎士、イーゴン
お前があの女を庇護する限り、俺はお前の味方だ
…お前が、あの女を庇護する限りはな…」
 
 
己が生涯をかけて仕えるべき聖女を見ず知らずの者に託したのです
はっきり言って常軌を逸しています
 
 
「ああ、ありがとうございます、英雄様
それでは、契約を…
私、カリムのイリーナは、貴方にお仕えいたします」
 
そしてイリーナも触れられただけで主人公を英雄と思い込み、身を委ねています
非常に危うい思考回路です
 
 
絶望に心折れようとする者の前にこそ

奇手の誘いが現れるのだという

 
使命を果たせずにいた彼らは逆境の中に居て
通りかかった主人公に希望を見いだしたのかもしれません
タッチミー
タッチミー

 

 

由緒正しい白教徒であっても知らず知らずのうちに

その身に勝負師の気質が染み付いているのではないでしょうか

      

 

感じるんだ、お前から

勝負する者に不可欠な

熱とツキと気

お前なら

死線を越えられる…!

<南郷さん>

      

見ず知らずの少年に己の勝負を託した南郷さんほどには勝負師だなと思います

 

指輪の由来は知られていないが

その形象は悪神の類だろう

うまく利用できるかは使用者の力量による

<闇の奇手の指輪>

  

ということで

闇の派閥はとことんギャンブラーな奴らなのです

 

 

[主人公という豪運]

 

歴代主人公は特別な存在と言いましたが

 

そもそも無印主人公は

アストラの人が鍵をくれなければ牢を出ることもなく朽ちていたでしょう

 

 

「ダークリングを刻む者は、誰しも力を秘めているのですよ…」

<ヨエル>

 

「何もかもを失くすんだよ

"刻印"が現れた人間はね」

<2プロローグ>

 

そもそも強いソウルを持つ者でなければダークリングも現れず

故郷を追われることもなかったでしょう

 

 

ありふれた盗賊。逃亡兵のなれの果て

背後から致命の一撃を狙う短刀のほか

兵士時代からの弓も用いる

<素性 盗賊>

 

もともと平凡な素性である主人公たちが無限にソウルを吸収出来るポテンシャルを持っていることも言ってしまえば運ですし

 

 

 

なによりこの世に生まれてくること自体が奇跡的な強運であるとも考えられます

 

 

富を失った者は、いつかより豊かな富に出会う

ならばより多くを失うべきではないか

<古い金貨>

 

その果てにいる主人公は王と成る人物なのです

 

 

王へ到る旅路

 

「…ああ、熱い、骨が燃えている、苦しいんだ…

…助けてくれ。殺してくれ…

…嫌だ、嫌だ。こんなのは辛すぎるよ…

…熱いよ、助けてくれよ…」

<クールラントのルドレス>

 

 

はっきり言って

火継ぎの王とは成りたくてなるようなものではありません

 

 

王とは果たして何であろうか

ある者はそれを生来の器だと言い、

ある者は定められた運命だと言う

 

ただ人の世を統べる者の名であるのなら

それでも足りるのだろうが

<王の冠>

 

 

それが必要であるから

相応しい者が成るしかないのだと思います

 

 

最も強いソウルの王グウィンは

火継ぎを前にその力を一族に分け与えた

一族は数多く、それでも残されたこの王冠は

何の力も帯びぬ、ただグウィンの象徴であった

<大王の王冠より>

 

最も強いソウルを持つが故に、すべてを失い

やがて1000年を焼かれた者

      


「けれどね

きっと王たちは玉座を捨てるだろう」

<3プロローグ>

 

力に恵まれたが故に

あらゆる災禍を背負った者たち

 

 

ソウルは呪いに等しいものであり、
強いソウルを持つ者は、より強い呪いを
その身に引き受ける

<王の指輪>

 

まさにソウルと呪いは等価であることを歴代の王たちは証明してきたのだと思います

 

 

「進みなさい   呪いをまとうお方

他に道などありはしないのですから」

<シャナロット>

 

強さ故に

王となる道しか選べなかった

王とは、ある意味で最もついていなかった者のことじゃないかと思います

 

 

 

そして闇の王とは

 

強さ故に、人間性の濃さ故に

暗い穴はあらゆる不幸をも引き寄せる

      

火の陰に在り続け、不遇を味わい続けた

亡者たちを引き寄せる

 

 

事実として、ロンドール最大の好機は

主人公に巡り会えたことなのです

 


 

[因果 応報]

 

ロンドール黒教会が追放者に贈る奇跡

敵から狙われやすくなる

追放者はこれ以外の物語を知らず

またその物語が許しであると信じている

呪われた旅にも、いつか終わりがあるのだと

<贖罪>

 

ロンドールの「巡礼者」と「追放者」は同じ人たちだったのではないでしょうか



彼らは、ずっと王を探していたのではないでしょうか


自ら不幸を背負い

王に引き寄せられるように



だから巡礼者たちは北へ向かい

そして、予言の意味を知るのさ

<3プロローグ>


"予言"を元に、ロンドールの巡礼たちは王が誕生する地を訪ねたのではないでしょうか



あるとき王妃の元にもたらされ

彼女はそれを無縁墓地に祀ったという

いつか火の無き灰が、それを手にするように

<エストの灰指輪>


 

「どうか、私に死を。私の枷を外したまえ…」

 

そして、王に選ばれなかった者は

帰ることのない旅路の果てに死があることを祈って

 


 


 

「呪われた巡礼者など、貴方の従者に相応しかろうはずもない

けれど灰の方、死に損ないの巡礼者が、英雄様に見えるなどと

私にはそれが、運命に思えてならないのです」

 

「では、はじめましょうか

ダークリングを刻む者よ、貴方の本当の力を…」

  

「いってらっしゃいませ、我らの王よ…」

 

ひとり死に損ねたヨエルにとって

主人公との出会いは運命だった

 

 

「…貴公は、彼の魂を救ってくれた

ありがとう。友人として、礼を言わせてくれ

そして、もうひとつ

…貴公、既に王なのだろう?

暗い穴を穿たれた、我ら亡者の王だ」

 

死ねないヨエルの不運が引き寄せた主人公が

王であることにユリアは賭けた

 

      

あの騎士の青年から、君に礼だそうだ」

 

あの騎士の娘から、君に礼だそうだ」

 

アストラのアンリは主人公のつがいとして生まれ来る運命だった

 

 

「貴方の伴侶は、この先で…すぐ側でお待ちです

おなりください。我らロンドールの、真の王に」

 

「本当に貴い者」にめぐり逢えた巡礼者は

アンリが伴侶の道を歩むと信じて

その旅路を導いたのではないか

 



「ああ、貴公、我らの王よ

火継ぎに向かわれるのですね

簒奪者よ、どうか火を奪ってください

その力を、あるべき人の姿、すなわち我ら亡者の手に」

 

 

すべては、主人公が我らの王であると信じて

 

 

 

ロンドールの運否天賦に身を委ねた闇の王誕生作戦は

自らの運を信じた亡者たちが紡いだ

奇跡の物語だったのかもしれません

 

 

 

 

 

 

 

 

…いい話でしょうか?

 

 

 

欲の神ザンドロの使いであり、

その化身である蛇を象った金の指輪

 

貪欲は時に罪悪とみなされるが、

危険を恐れて好機を逃す者は、ただの臆病者である

<貪欲な金の蛇の指輪>

 

 

 

 

 

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コメント: 5
  • #1

    (月曜日, 20 12月 2021 23:01)

    考察お見事です
    ジョルト聖女に爆笑しました
    『アンタ世界獲れるよ』と生者から誘われたりしてるんでしょうか
    あ、でもあれだと10カウントもルールもわかりそうにねぇな・・

    しかし、一体このダークソウル世界とはなんなのでしょうか
    もっとも気高い火防女ですらなきがらも棄てられて脚を切られ目をえぐられ。
    そんな世界を見るに(それこそが無印での演出)正義ってなんだ?
    という問いなのだと思います

    その証拠が世界蛇がコピペの存在でどちらを選んでも、フラムトにしか会わなくても火を継ぐのを放棄したエンドでも両方います(こいつらの存在はわけわからんけどとりあえず『正義と悪』の概念的なもんと思ってます)

    つまり、正義(大義)だの悪だの結局は両方同じ穴の狢の外道じゃねーか

    というのを明白に製作がわとして意図されていると断言していると思っています

    あれを見ているといくらフラムトがフレンドリーだろうが外道のやることでしかない

    あの世界ではどいつもこいつも大義名分を掲げるやつなんざくそくらえとしか思えませんしそう思うように仕向けているんでしょうね・・

  • #2

    (月曜日, 20 12月 2021 23:15)

    そういえば2では顕著でした。
    『昔にもそういうのがいたわ、見栄っ張りで嘘つきで最後は炎に自らを放り込んだ』
    グウィンが欺瞞に満ちた男だと

    acid氏の考察ではグウィンは雷を最後まで火だと言い張り火を興せなかった欺瞞の神だと考察してますね・・

    つかあの世界宇宙もあるし、宇宙は宇宙でシースとか神の知覚範囲外だし、よくそんなんで神とか名乗れたな・・

  • #3

    (土曜日, 25 12月 2021 10:57)

    見て頂いてありがとうございます。

    例えば、ヴァンクラッドも巨人の国を平らげています。偉大な火継ぎの王に成るためにやったことはダークレイスと同じようなもんなのだと思います。

    ミディールの存在から考えて、グウィンら神族もかつては人を根絶やしにしようとしたのかもしれません。

    カルラが闇の子の末裔だとして、彼女たちも散々人から虐げられてきたのかもしれません。
    まあ、外道ばっかりですね

    ただ、多くにとって火の時代は美しくてやさしかったのだと思います。
    少なくともそう信じた者たちがいて、
    だから人は終末の世界でもずっと失われたものばかりを追い求めています。
    (シースの啓蒙、黄金の魔術、罪の火、王妃の後ろ姿、最古の火継ぎ等々)

    それらが「信仰」だとして
    この世界の人には分からないかもしれませんが、火の時代では人が進歩していない。
    神の遺した技術や思想、役目を継ぐだけで
    自らの物語を紡がない。
    個人的には、それが火の時代の最も罪深いところだと思っています。

    闇の時代は非情で残酷なのかもしれませんが、だからこそ人の物語と進化があるんじゃないかと思います。

  • #4

    (金曜日, 16 9月 2022 23:45)

    一年越しの閲覧ですみません��⤵️
    コメントの方ありがとうございます。
    火の時代はたしかに大多数の『ヒト』にも優しい時代ではあったとの考察じつにその通りだと思います。
    神無き時代は『自分で考え自分で暗闇に足を踏み出した』事のそのものを想起させますし、独立して歩みだした者にとって世界は非常に残酷でもあります。
    神以前と神以後では西洋哲学者が『神は死んだ』と言うことにも関連というか絶対知ってるだろって思ってますが、精神的な事も、哲学部分も含めそれを内包させるフロムゲーは本当にすごいと思います。
    他にこの規模で考察する価値があるゲームなんかはサイレンやサイレントヒル、須田ゲー等でないと思い付きません。
    しかし今回も素晴らしい大した考察でしたしじつに色んな事を考えさせる考察でした。
    お疲れ様ですと感謝を同時に言わせて貰います

  • #5

    (金曜日, 02 6月 2023 22:57)

    何度も来て頂いてありがとうございます
    いろんなことを考えさせられる作品を作る方々はすごいですよね