今回はシステムの観点から考察を再構築してみました
そしたら過去のどの考察よりもしっくりときて、そしたら過去の考察の一部はぶっ壊れましたがエルデンリングも砕かれとるし別にいいよね
ごめんなさい
[システムと世界観]
ダークソウルは作中に多くの国が登場し、その土地々々を旅していくゲームです
しかしその国々はとても小さく、つっかけで移動出来るくらいの距離に密集しています
「ダクソの国々はうちの近所ほどの広さしかないなグヘヘ」
このゲームをプレイした人なら一度はそんなことを思ったのではないでしょうか
でも「まあゲームなんだからそんなもんか」と自己解決したことと思います
当たり前の話ですが、リアルなオープンワールドゲームだからといって現実の世界規模のマップを持つゲームをこしらえることはたぶん不可能でしょうし
作れたところで移動も攻略もめんどくさいだけです
何事にも程よいボリュームというのがあるものですよね
ダークソウルが徒歩で移動するゲームであるなら、歩いて行ける距離に様々なマップやギミックを配置するのは必然なわけです
はい
では話は変わりますが
ダークソウルの主人公は死んでも甦ります
それは何故でしょうか?
このリングが現れた者は
死んでも蘇り、いつか意志なき亡者となる
故に彼らは故郷を追われるのだ
<ダークリング>
不死人だからではないでしょうか
ダクソ主人公は不死であり、どれだけ死を得ようとも甦り続けます
そして多くの死と共に数々の試練を乗り越えていくというストーリーになっています
またゲーム内には敵やNPCなど多くの不死人が登場し、不死の苛酷さが嫌というほど描写されています
つまりはこういう感じになるかと思います
・国が小さいのはシステム上の都合
・主人公が甦るのは不死という世界観上の理由
おそらく多くのダクソプレイヤーもこんな認識でゲームをプレイしていたのではないでしょうか
「システム上の都合と世界観上の理由」
ダークソウルの作中にある謎やら疑問はおおよそこのふたつに分類されるのだと思います
あるいはこのゲームの物語を考察する上で分類するしかないとも言えます
そして、そう考えた時点でフロム・ソフトウェアの術中に嵌まっているのではないかという話です
不死である理由
このリングが現れた者は
死んでも蘇り、いつか意志なき亡者となる
故に彼らは故郷を追われるのだ
<ダークリング>
不死人が世界観的な理由で発生しているのは間違いないのですが、でも本当はシステム的な理由でもあるはずです
なぜならゲーム主人公というのは基本的に不死身だからです
いわゆるコンティニューやリトライというやつですね
古来より現代に至るまで、あらゆるピコピコゲームにおいて倒れた主人公が甦るというのはしごく当然のことでした
一回やられただけで未来永劫そのゲームをプレイできなくなってしまっては、それはもうゲームではありませんね
そんなものは衆生です
なのでゲームの基本はトライ&エラーになっています
「残機、コンティニュー、リトライ、クレジット」などの機能により、あらゆる主人公の死はシステム的に処理され、プレイヤーと主人公は再挑戦を試みることになるのです
そして多くのゲームでは主人公が敵を倒したり倒されることに理由は有っても
主人公が何度も復活して再挑戦できることに「ゲームだから」以外の理由は存在しなかったのです
ですがダークソウルの主人公は不死であるために幾度も甦り、不死の使命だか試練のために強敵に挑んでいくことになります
そしてプレイヤーの諦めない心と主人公の使命がシンクロしてゲームへの没入感があれするわけですね
つまりシステムの甦りであるコンティニューに対して、世界観の甦りの理由を与えたのが不死人であるという風にも考えられるのです
お前さん、ソウルを落っことすんじゃないよ…
そのたびに、お前さんは亡者に近づくんだからね
もっとも…
落とすじゃろうがの…数えきれんほど、何度も…
<火防女ばあちゃん>
多くのゲーム主人公にシステム的な死が与えられる傍らで
フロムソフトウェアは「主人公の蘇生に理由を与える」ことによってゲームに独特な物語性を育んでいるのではないかと思います
まったくもって酷い話ですが
フロムはコンティニューだけにとどまらず、作中の様々な「システム」に理由を与えていった節があるのです
ゲームシステムと変態企業
たとえばマリオはキノコを食べるとパワーアップしてでかくなります
しかし「なんでキノコでマリオが強くなるのか?」ということに疑問を持つ人はほとんど居ないのではないでしょうか
何故ならスーパーマリオブラザーズは楽しいアクションゲームであり、キノコに因果を求めるゲームではないからです
フラワーの炎はなんで弾むのか?とか
スターを取るとなんで触れる者みな傷つけるのか?とか考えるゲームではないのです
考えたところで「面白いから」以上の答えは出ないでしょう
いいとか悪いではなくて
フラワーもスターもただのパワーアップアイテムであり、マリオというアクションゲームのおもしろ要素のひとつとして機能しています
世界中のマリオファンは今日もヨダレを撒き散らしながら夢中でマリオをプレイしていることでしょう
サンキュー任天堂
一方でフロムはゲームのお約束ルールであるコンティニューに不死というえげつない理由を与えました
何故でしょうか?
彼らはキノコにも因果を求める人たちだったからです
ではダークソウルがキノコに因果を求める作品であるという事実はいったい何を表しているのでしょうか?
そうですね
これはマリオという世界一有名といってしまっても過言ではないゲームを引合いに出したアンチテーゼなのです
フロムは「ダクソは従来の作品とは違うぜ」という明確な意志を作中で表現していたのです
恐れ知らずですね
なので我々ダクソプレイヤーは考察するにあたって、メタファーとしてのキノコである[システム」にも考えヲ廻らせる必要があルわけですね
人の内にある最も重いもの。人の澱み
それはどんな深みにも沈み
故にいつか、世界の枷になるという
<人の澱み>
闇に堕ちた四人の公王の封印たる
小ロンドの封印を開くための鍵
四人の公王とダークレイスを封じるため
封印者たちは、民人諸共、街を水底に沈めた
<封印の鍵より>
すげえ逃げられてしまうからです
何よりダークレイスは不死ですので、泳げたら水責めは何の意味も成さない行為なのです
封印の魔術師たちの仮面
封印者として永遠に生きる覚悟と
犠牲になった者たちへの贖罪を示すものだが
三人いた封印者の二人は
永遠の任に飽き、既に小ロンドを捨てている
<封印者の仮面>
多くの犠牲者を生む封印に不確実な方法を取るとは考えにくいことからも
小ロンドの封印は「この世界の人たちは淀みのせいで泳げない」という前提の上に成り立っているのだと考えられます
[システムとしての篝火]
ゲームにおいて必要不可欠なシステムは他にもいっぱいありますね
チェックポイント
回復
ファストトラベル
レベルアップ
RPGやアクションゲームでは馴染み深いこれらのシステムですが、ダクソでは篝火さんがひとりでやってくれています
[チェックポイント]
最後に休息した篝火に戻る
本来は故郷への帰還を可能にするが
不死の呪いがそれを歪めている
あるいは、篝火が不死の故郷なのか
<家路>
[回復]
不死人の宝たる鈍い緑ガラスの瓶
篝火でエストを溜め、飲んでHPを回復する
篝火の守り手、火防女と深い関りがあるようで
暗い伝承にはこんな一説がある
火防女の魂から、その緑瓶は生まれる
彼女たちは、生きて篝火を守り
死してなお、その熱を守り続けるのだ
<エスト瓶>
[レベルアップ]
灰の方、火の無き者はソウルの器です
故に貴方は、主なきソウルを力にできる
私が、それをお手伝いします
<3の火防女>
[ファストトラベル]
篝火はお互い分かち難く繋がっており
たとえ役目を終えた破片であっても
その繋がりはずっと残るのだろう
<螺旋剣の欠片>
どうでしょうか
篝火さんはゲームシステムの根幹を一手に引き受けており
そして各機能にもきちんと世界観に則った理由が与えられているのです
また、携行回復アイテムのエスト瓶も篝火で補充されますし、その瓶は「篝火の化身」である火防女の魂から形作られており、彼女たちは2や3で主人公のレベルアップを手伝ってくれています
そして主人公が火を灯していく篝火の薪は
主人公と同じ不死人の骨なのです
つまり篝火はゲームシステムであると同時に、物語のメインテーマである火継ぎそのものにも深く関係しているのです
[篝火空間について]
篝火は空間の保持もやっています
たとえば
主人公はウーラシールと暗い森の庭や、3の火継ぎの祭祀場と火の消えた祭祀場など「時間軸の異なる同じ空間」に何度でも往き来することができます
これが可能なのも篝火が空間そのものを保持し、時間を留めているからです
そして螺旋剣同士のリンクによって主人公を転送していると考えられます
篝火空間は例えるならスノードームのようなものかなと思います
スノードームの中は外の空間から隔絶されて外の季節に関係なくずっと冬ですね
篝火も同じで螺旋剣が朽ちてその役目を終えるまでは空間を維持する装置として機能し続けているわけです
これが「篝火空間」のメカニズムなのです
もちろん私が勝手に言っているだけです
[天候が変わらないゲーム]
ほとんどのゲームではステージ毎に天候が固定されているもんですが、ダークソウルではそこも篝火が制御しているからということになります
マデューラがずっと夕方だったり
アルトリウスの墓がずっと月夜なのも
篝火がその空間の天候(時間)を留めているせいなのです
スノードームやからです
[パッケージを飾る篝火]
はじまりの火を継いだ薪の王たち
神のごとき彼らの「化身」の大剣
それは、玉座無き彼らの前にずっとあった
篝火に刺さる螺旋の剣である
<螺旋剣>
シリーズ最終ボスも螺旋剣を武器としています
[コルニクスもドン引き]
まず、君に感謝をしておこう
私も呪術師の端くれ。話に聞く篝火、あの神秘の火に見えるのは、まさに僥倖というものだ
…そして約束通り、君に呪術を教えよう
<コルニクス>
主人公と出会い、弟子を取り、初めて篝火に見えたコルニクスは喜んでいました
そうして二人は楽しくいろんな呪術を学んでいくことになります
おお、これは!イザリスの呪術書か!
君は見つけたのだな、呪術の故郷を
素晴らしい。老いてなお不死、悪くないというものだ
さあ、早く私に見せてくれ。そして、共に触れようではないか
古くザラマン師のみが知り得たという、原初の呪術に!
やがて念願だった「イザリスの呪術書」を手に入れ、コルニクスはウッキウキだったわけですが
かつて呪術の祖、イザリスは、己が生んだ炎に焼かれ滅びた
それは確かに混沌、魔女の歪んだ炎だったのかも知れない
だが、あの篝火がそうでないと、誰に分かるものかね?
その呪術に触れた途端、悟ったようにこればっかりを言うようになるのです
シリーズを通してプレイした者にとっては
「歴代主人公はずっと魔女の歪んだ炎に導かれて旅してきたんじゃね?」と最終作の終盤になって明かされた衝撃的シーンだったのです
この時は興奮しましたね!
彼が篝火に疑問を呈さなければ、私の考察の多くは存在し得なかったことでしょう
なんて余計なことをしてくれたんだ
フロムはダークソウルという作品の中で
システムと世界観の融合をゲームデザインしていたのではないか?
コンピューターゲームに不可欠であるシステムを違和感なく作中に溶け込ませるのは結構大変そうです
その点は製作者もプレイヤーもある程度は割り切ってゲームに接していると思います
脳裏に刻まれた逆さ吊のルーン。狩人の徴
これを強く思うことで、血の遺志を捨て、狩人は目覚めをやり直す
すべてのできごとが、まるで悪夢であったかのように
<狩人の徵>
よりはっきりとしたヴィジョンを可能にする呪符
これにより、血の遺志を捨てず、狩人は目覚めをやり直せる
まことに都合のよい技術である
<狩人の確かな徵>
国(マップ)が小さい理由
システムと世界観の融合について語ってまいりました
長い前フリでしたね
では冒頭の疑問に戻りましょう
「ダクソの国はなんで小さいのか?」
システムのあれやこれに緻密な設定を仕込んだフロムですが
このゲームを構成する最も重要な要素の一つである「マップ」に関しては、シリーズを通して違和感や疑問が残る仕様になっています
有名なのがダクソ2のエレベーターで上がった先に熔岩に沈む熔鉄城があったり、エレベーターで下った海の底に隠れ港があったりするやつでしょうか
普通に考えたら雑な仕様ですよね
実際開発がうまくいかなかったりなどの制作上の都合があったりしたのかもしれません
しかしこんなもんはエレベーター下向きにしたり、ちょっとの工夫でそんなに突っ込まれなかったはずです
何故あえてマップを繋ぐエレベーターを変な向きに作ったのでしょうか?
そうさね
そこはロスリック
火を継いだ、薪の王の故郷が、流れ着く場所さね
さらに続編のダークソウル3では故郷が流れ着くとか言って、始めからマップの整合性を無視したような世界観設定になっていました
では「故郷が流れ着く」とは具体的にどういうことだったのか?
以下は私なりの解釈になります
砂の国、カーサスの呪術
そのもっとも秘するもの
攻撃が連続するほど、攻撃力が高まる
カーサスの侵略は火の如くあり
古来、烽火は戦いの合図であった
<カーサスの烽火>
たとえばカーサスとは「砂の国」です
砂の国といえば砂漠ですが、ロスリックに存在していたのは「カーサスの地下墓」のみでした
つまり世界の何処かからカーサスの一部がロスリックに流れ着いてきたということになります
何故国の一部が流れ着くのかというと
火を継いだ者(王)とその始まりとなった切欠(火)の因果関係+篝火と考えています
かつて自ら篝火にその身を投じた聖人の骨が
灰になったものといわれる
それが誰なのか、この灰からは
推し量ることはできない
<尊き者の骨粉>
かつて篝火の礎となった者や
火継ぎを志し叶わなかった者たちの骨で篝火は灯っています
篝火の薪は不死人の骨であり
その骨は稀に帰還の力を帯びる
骨となって尚、篝火に惹かれるのだ
<帰還の骨片より>
主人公が篝火に惹かれるように、彼らの骨もまた火に惹かれます
篝火はお互い分かち難く繋がっており
たとえ役目を終えた破片であっても
その繋がりはずっと残るのだろう
<螺旋剣の欠片>
生きながらに篝火というシステムとなった者たちは、たとえ役目を終えて火が消えたとしても
その先の未来で灯る始まりの火、
己が惹かれた火に引かれ、篝火空間ごと時を超えてやってくるのです
そんで3主人公はなんやかんや流れ着いた国々を旅して王の薪を集めて、最初の火の炉へとたどり着きます
そこに在ったのは瓦礫と化したロスリック城でした
なので本編で旅したロスリックは過去の世界だったということになります
その瓦礫の更に下は「吹き溜まり」となっており、土の塔や無印祭祀場などが存在しています
つまり過去空間の成れの果てがこの地に積っているわけです
以上から察するに
「故郷が流れ着く」とは
始まりの火を切っ掛けに生まれた者たち(種の誕生)
↓
世界中へと己の火を広げる(種の繁栄)
↓
やがて火は衰える(種の衰退)
↓
残り火(種の末裔や王の末期)が始まりの火へと回帰する(故郷が流れ着く)
↓
火を失い、残骸が降り積もる(吹き溜まり)
という一連のプロセスの一部である
というのが私の考察です
そして回帰が起こるのはグウィンが世界の理を歪めたからであり
その手段が火継ぎであり篝火ということです
もちろん解釈は人それぞれあるでしょうし、私も前と言っていることが違っていますが、ようはそういうことです
ダークソウル3ではマップ全体を世界観の謎として成立させているのです
つまり
国が小さいのは本来であればゲームシステム上の都合ですが
世界観上の理由は故郷が流れ着いているから
ということになるのではないでしょうか
世界各地に存在する空間を「故郷が流れ着く」という設定で1ヵ所に集めたのです
雪原と溶岩地帯と砂原の地下墓と元森庭のマップが小さな国に同時に存在するわけがないやろがいという究極の矛盾を、フロムは「流れ着く」の一言で見事に解消し世界観に落としこんだのです
ゲームだから仕方なくではなく
主人公がその足で旅する小さな世界そのものにフロムは理由を与えたのです
すごいぞダークソウル3
…まあ3はそういうことだとしても
では無印や2はどうだったのでしょうか?
過去作のあべこべマップやそもそも国が小さい理由は解決してないのではないか?となってしまいますね
それとも故郷が流れ着く3の世界だけが特別だったのでしょうか?
いいえ
逆に考えたらよいのです
無理に3だけを引き離すのではなく
「無印も流れ着いちゃってていいさ」と考えたらよいのです
故郷が流れ着くは3で新たに提示された謎ではなくシリーズを通してのネタばらし
つまりは
無印の頃から、王たちの故郷は、流れ着いていたのではないか?ということです
[あべこべダークソウル]
無印の時点で故郷は流れ着いた
ロードランとは王たちの故郷の成れの果ての終着点だったということです
何を言っているのかわからないと思いますが
たぶんそうだったのです
そして流れ着いていればこそ解消される矛盾や疑問は結構あるのではないかと思います
以下はそういう解説になります
まずダークソウルという作品はシリーズが進むに連れて世界の荒廃が進み、マップもまともじゃなくなっていったような印象を受けます
マップ同士の位置関係なんかは無印がシリーズの中で一番整合性が取れていたと感じている人は多いのではないでしょうか
たぶんその通りなのですが
しかしそれ以外は無印の頃から既にまともではありませんでした
たとえば無印のゴール地点である最初の火の炉は祭祀場の真下にある地下空間に位置しています
しかし地底にあるはずの火の炉からは褪せた空を見渡すことができるのです
また灰の湖はロードランの最も下層の地底に位置しており、大樹の根を下った先に在るにも関わらず、その空間は明るくなっており空から光が差し込んでいます
地の底に在る空間から空が見えたり光が射すのは普通におかしいわけですね
他にもゲーム開始地点である北の不死院の主人公の閉じ込められている檻は不死院の外観には存在しない場所にありますし
不死院自体もロスリックと同じように
周囲の雪山の遥か上空というでたらめな高度に位置しています
ようは無印の時点でダクソ世界のマップはあべこべであり、整合性など無いようなもんだったのです
しかし無印の頃から故郷が流れ着いていたとしたらどうでしょうか?
この手の問題は解釈可能になるのです
[わらびもち世界]
篝火空間はスノードームであり、それが最初の火へと集まってくるわけです
つまりロードランとはこんなんです
〇の一つ一つが篝火空間で、それぞれ引っ付いたりしています
わらびもちのようなものです
小ロンドは篝火がないけど火防女がいるのでよくわかりません(逆ギレ)
おそらくゲームマップの解析データもなんかこんな感じになっているのではないでしょうか
世界観上もマジでそうだったという話です
ダークソウルとはわらびもちだったのです
ダークソウル世界の文化圏
わらびもち理論を用いることで
ダクソシリーズのマップに関する疑問はだいたい解消できます
こういう土の中に壁が埋まってるのも
故郷が流れ着いてきたからだ!と言い張ってしまえば
ロスリックの使者が用いる小環旗
高壁が生じ、不死街との道が断たれた後
幾人かの使者がこの旗を掲げた
使命のまま、戻る手段のないままに
<勅使の小環旗>
そうかロスリック城とロスリック不死街に断層が生じたように
ロードランにもいろんな土地が流れ着いて引っ付いたりして地形が変わってしまったわけだなという解釈が可能になるわけです
なんなら無印の城下不死街はアノールロンドの城下町ではない可能性もあるわけですね
伸び代ですね
[王たちの領土問題]
そもそもの話
火の時代を築いた神々の王たちが小さなロードランの壁の中に治まっているというのがおかしな話ですね
ふつう王とは世界各地に分かれて国を造り、広大な領地と大勢の民を統治するものではないでしょうか?
仲良しでしょうか?
何故なんだ
そうです故郷が流れ着いたのだとすれば
王たちの故郷はもともと世界各地の別の場所にあったということなのです
たとえば灰の湖にはこんなのがあります
誰でしょうか?
彼と同じサイズと骨格を持つ者が作中に生きて登場することはありませんでしたが
でも日本人ならなんとなく見当がつくのではないでしょうか
東の地に伝わる独特の大弓
彼らの神話によれば、角を持つ巨人
鬼を討つために使われたという
<鬼討ちの大弓>
そうです鬼です
この骨格はこんなもんどうみても鬼なのです
2本角は青鬼どんではないかと考えられます
これもふつうに考えたら「なんで東の地の神話の巨人がロードランの地下深くに居るんや?」となりますが
故郷が流れ着いてきたと考えるのなら
「ははーん東の地にあった灰の湖がロードランに流れ着いてきたのだな」という自然な解釈が可能になるのです
自然ってなんだっけまあいいや
灰の湖は言ってみりゃ日本みたいなもんだったのです
[王たちの文化圏]
故郷が流れ着いていることによって無印の文化圏もより自然な形になるのではないかと思います
たとえばアノールロンド、イザリス、巨人墓地は
建造物、服装、武具、魔法などそれぞれが異なっています
つまり三人の神は世界の異なる地域を統治してそれぞれに文明を形成していたわけです
そんな彼らの国がどの辺に存在したのかは、現実世界のイメージを重ねることで
ある程度推察できるのではないかと思います
[イザリス]
イザリスは東洋周辺を領土としていたのではないかと思います
…お主、姫様の言葉が分かるのだな…
<大沼のエンジー>
理由としては蜘蛛姫やクラーグがマイナー言語を使用していたことや
混沌のデーモンと化したイザリスの魔女の娘
クラーグのソウルから生まれた刀
クラーグの混沌の性質だけを受け継ぎ
刀身には特徴的な班流紋が浮かんでいる
敵と同時に持ち主も蝕む魔剣
<混沌の刃>
混沌のデーモンと化したイザリスの魔女の娘
クラーグのソウルから生まれた曲剣
クラーグの下半身がそうだったように
硬い外殻と刺を持ち、混沌を帯びており
使用者の人間性によりその威力を増す
<クラーグの魔剣>
クラーグのソウルが曲剣や刀に変じることや
そもそも姉さん女郎蜘蛛ですやんといった風貌などからオリエンタルな雰囲気を感じ取ることができると思います
そしてイザリス母ちゃんたちが黒髪の魔女であるのも、実は東洋の出自を表現していたのではないかと考えられるのですね
東洋の魔女ということですね
[アノールロンド]
アノール・ロンドは欧州とかにあったんじゃないかと思います
理由は建築から服装やら鎧もグウィンもいろいろと西洋っぽいからですね
そしてソルロンド、カリム、アストラ、ウーラシールなどの白教信仰が盛んな国のNPCたちも皆西洋ぽい雰囲気を醸しています
白教と言えば重装が特徴的ですが
あっちのほうは基本的に寒いでしょうから、みんな厚着なのはそういう事情も含まれるのではないでしょうか
ようは北方の神々の国アノール・ロンド周辺に存在した人々の国が自然と白教信仰が盛んになっていったというわけですね
また、白教の国のNPCたちは呪術を使いません
逆に魔女たちが呪術を伝えた東の地、カーサス、大沼出身者は白教の奇跡を使いません(ウォルニールは特例)
キャラ作成時のデフォルト顔などを見ても白教の国は欧風寄り
呪術の国は東洋寄りの顔立ちや肌色になっているような気がします
つまり人種の違いがそのまま王たちの支配地域や影響力を表している可能性もあるかと思います
[ニト]
ニトはアフリカらへんでしょう
理由は曲刀文化にあります
ニトの配下である骨人の多くは曲刀を武器としています
ニト自身が振るう得物も曲刀ですし
彼が眷属に授けるのも大曲刀、墓王の剣舞も曲刀を召喚するものです
つまり骨人といえば曲刀なのです
そんな曲刀がよく似合う土地柄といえば
広大で砂っぽいところではないでしょうか?
そうですね
だからアフリカなんですね
ウォルニール率いるカーサスもアフリカです
みんなローブとかマント着てるのも砂塵から身を守るためですね涼しそうですね
そしてもちろんニトとウォルニールには関係性があると思われます
あれだけ共通点があるのですから無関係のわけもないのです
アフリカで何があったんや
カーサスの呪術師は他と交流を持たず
その呪術は独特の発展を遂げたという
<カーサスの呪術書>
大沼では知られない呪術
手のひらから火炎を噴き流す
<火炎噴流>
彼女たちは、火の畏れを伝え
それを御するため呪術を伝えたという
呪術師なら誰もが知る、お伽噺だ
<魔女たちの指輪>
[カタリナ]
もちろんすべて私の偏見によるものといっても過言ではありません
[忌み者たちの居場所多すぎ問題]
忌み者たちの存在についても疑問に思った方は多いのではないでしょうか
ある伝承によれば、忌み者だけがこれを持ち
世界の何処にも居場所なく
やがて冷たい絵画の世界に導かれるという
<おかしな人形>
わしらは皆、不死だって、病にまで侵された厄介者さ
大沼の大クソみたいなもんだ
<大沼のエンジー>
クズ底に捨てられた者の中には
地上への道を求め這い出した者もいた
だが誰一人戻ってきた者はおらず、
怨嗟の中で果てたという
<黒炎石のダガー>
すべてを受け入れる腐れは
世界から捨てられた者の聖地となった
<腐れのソウル>
小柄なゲルムたちは
穏やかな性格の者が多かったが
人々は彼らを不浄として嫌い、地下へと追放した
<ゲルムの鎧>
けれど君、喜びたまえ。此処こそが、我ら忌み人が探し求めた安息地
冷たく優しい絵画の世界、アリアンデルさ
<寝床おじさん>
二人の流刑人も、その一員だったのだろう
元よりファランとは流れ者の地なのだから
<流刑人の仮面>
シリーズを通して火継ぎの地には様々な忌み者が住み着いていますね
しかし主人公がそうであるように
種族や素性に関係なく、不死人な時点で外の世界にはほぼ居場所など無い忌み者なのです
不死の追放者に与えられる決別の証
<決別の黒水晶>
不死人は火が陰ることで徐々に発生し
あらゆる理由を持って火継ぎの地へとやってきます
かつて最強を謳われたバーニス騎士団は
大量の不死を生み、すべてがロードランに入った
だが彼らは皆道半ばで倒れ、亡者となり
すべての不死を脅かしている
<鋼鉄の兜>
白教の聖職者や貴族などは使命を背負わされたり、ヴィンハイムの鍛冶屋リッケルトもなんか牢屋に放り込まれたりと
何はともあれ不死は火継ぎの地に行くしかないわけです
…あなたも、不死なのでしょう?
ならば、馴れ合いは不要です
お互い、己の使命を果たしましょう
…さもなくば、我々はただの呪われ人です
<ソルロンドのレア>
ようは不死人だらけの火継ぎの地では忌み者とかいう括りがもう要らないわけですね
目くそ鼻くそみたいなもんなのです
そもそも忌み集落なんてのは世界各地に目立たぬようにひっそりと点在しているものです
元々神々の土地であるアノールロンドや
時代を作ろうとしたドラングレイクの麓に住み着くとは考えにくいわけです
では何故火継ぎの地で多くの忌み者集落を目にするのでしょうか?
はい流れ着いてきたからですね
でもなんで忌み者が流れ着くのか?
それは彼らが拠り所にした者たちに共通点があるからです
たとえば卵背負いたちが崇める蜘蛛姫やクラーグは王の一人であるイザリスの娘であり火防女でもあります
血を分け誓った深淵の監視者たちの
王の資格は、その狼血にこそあった
<王の薪>
ファランに流れ着いた者たちは火継ぎの資格者たる狼血を受け継ぎ、不死隊として王の資格を得ました
忌み者の聖地たる「腐れ」さんも火継ぎに必要な大いなるソウルを持つ人物です
ゲルム民の拠点には腐れさんの積む石人形が大量に蓄えられていることから両者の繋がりが予想できます
そしてクズ底の住人たちがこれを運ぶわけですね
つまり火継ぎの因果に深く関わる者に
忌み者たちは集っていたわけです
そして火継ぎの地は最初の火が陰り、火に因果ある者とその故郷が引き寄せられることにより形成されます
つまりは火に集う忌み者もいっしょについてきちゃったと考えられます
とばっちりで流されてきたのです
違うか?まあいいや
あとエレーミアス絵画も実質ベルカが忌み者たちのために用意した空間となっていますが
絵画自体はアノールロンドに飾られています
お前では、絶対に行けない。あの、アノール・ロンドには
俺は知ってるんだ。もう100年もそうだ
騎士王レンドルも、黒鉄のタルカスも、あのローガンでさえ
<緑花草の人>
英雄ですら辿り着けないような場所に並みの不死が自力で辿り着くのは不可能に近いと考えられますので、多くの忌み者は石の檻に収容されて運びこまれてきたのではないかと考えられます
アノール・ロンドの絵は吊り橋の上に出てしまうので
あるいは絵画世界を描いた絵は複数存在していたのかもしれません
もしくは絵画世界とは実在する空間であり、絵はただの入口である可能性もあるかもしれませんね
グリードアイランドみたいな感じですね
グリーンランド辺りに在るかもしれないですね
寒そうですしね
[王の旅路]
いよいよ最後になりました
ここまでくれば皆さんも
「ははーんロードランには故郷が流れて来てたのだな」と思えるようになってきたのではないでしょうか?
もしそうだとしたら詐欺とかには気を付けたらよいかと思います
しかし私はこの考察に確信を持っているのです
何故なら偉大な彼の旅路を証明できるからですね
最初の火を継いだ薪の王グウィンの王冠
最も強いソウルの王グウィンは
火継ぎを前にその力を一族に分け与えた
一族は数多く、それでも残されたこの王冠は
何の力も帯びぬ、ただグウィンの象徴であった
<大王の王冠>
かつてグウィン王は火の時代を終わらせぬようにと
そのためにまず己を焚べようと、最初の火の炉へ旅立ちました
自らの墓を用意して
一族に自らのソウルを分け与え
屈強な黒騎士たちを引き連れて
見えっ張り男は覚悟の道程を歩んだのです
最も強いソウルの王グウィンは
太陽の光たる雷を武器としていたが
火継ぎを前にその力を一族に分け与え
自らはこの大剣だけを手に旅立ったという
<大王の大剣>
しかし、もしロードランに故郷が流れ着いていないのであれば
アノールロンドから火継ぎの祭祀場までは歩いて1時間とかからずに着いてしまうのです
つまりグウィンの火継ぎの旅とは
デーモンタクシーに運んでもらって
センの古城をエレベーターで下り
城下不死教区をエレベーターで下り
火継ぎの祭祀場からフラムトに運んでもらってゴール
ということになってしまうのです
おそらく誰もがこの事実から目を背けたことでしょう
王の旅がはじめてのおつかい以下なのです
しかし故郷が流れ着いていたとすればどうでしょうか?
火の陰りに起因してロードランに王の故郷が流れ着くのであれば
逆にグウィンが旅立った頃、
陰りが深刻ではなかった1000年以上前は
逆にアノールロンドはロードランに流れ着いていなかったと考えらるのです
つまりグウィンは北欧から世界の何処かに存在する最初の火の炉へ向けて旅立ったのです
その道程は長く、過酷だったことでしょう
デーモンの軍勢と激しい戦いを繰り広げ、仲間や部下たちを失いながら
王は決死の想いで最初の火へと辿り着いたのではないでしょうか
すごいぞよくやったグウィン
みんなも偉大な父グウィンのかっこいい勇姿を想像で補完してあげてください
後編に続きます
ということで
コンティニューと不死が同義であるのなら、国が小さいのは故郷が流れ着いているからといった考察でした
気が触れてそうな内容でしたね
そして後編は「システム」にプラスして「物語」と「因果」の話へと続いていきます
すなわち
無印時代から故郷が流れ着いているのなら
そもそも故郷が流れ着くとはどういう現象なのか?
なぜ宵闇は救われることができたのか
世界の主とは
語り部の意義
などを予定しています
ほなまた8年後!
コメントをお書きください